まだまだ 盛山 けやきの場合
なし
まだまだ 盛山 けやきの場合
「最後の衣装は、黒のふわふわスカート。
茶のジャケット。
これらは今年の旬、
きっとあなたに似合うはず」
ラブリンこと、吉井 杏さんが
ほほえんで言う。
私は杏さんのようには
なれませんが
精一杯がんばります。
その氣持ちだけは伝える。
さらに
足下もすごい
ショッキングレッドの
スポーティーなスニーカー。
素晴らしいほど
おしゃれセンス
抜群。
場内が暗い中
ピアノの音色が流れ出す。
うきうきの私だったが
ピアノコンサートの
出だしに驚いた
ショパン「エチュード」
日本では別れの曲として名高い。
静かな流れ。
曲は徐々に高まっていき
終わった。
照明が明るくなって驚いた
金さんがピアノを
ひいいていた。
タキシードで一礼をする。
圧倒された、
されっぱなしで
言葉もでない。
何か台詞をいわなければならないが
言葉が出なかった。
助かったのはプロンプター。
文字がガラス板にながれていく。
最後のトリをかざる人々も
整然と
配置についていく
会場の空氣を乱してはと
心をこめて
落ち着いてしゃべり出す。
「最後になりますが、
皆様でうたってもらいたい歌がございます。
深夜の雑談番組でもおなじみの小山氏が作曲。
何年か前の紅白でも歌われました。
そうあの曲です。
最後にみなさんで合唱するのは
「ふるさと」であります。」
イントロの
ピアノがながれる。
コンサートドレスで
あやさんが
ピアノをひく。
その脇を
指揮をしながら
登場する御仁。
だまされた
そう
平川先生であった。
なし