グーテンベルクによろしく
週別ユニーク数465 その端数下一桁
1or5or9②商工王を目指すに決定されました。
「さぁ、突入しようか」
少女はいつのまにか顔を布で隠し、銀行強盗ぜんとしたかっこうをしている。
「違う、占拠というのはそーいうことじゃあない。きょうび立てこもりなんて流行らないから」
クールな言動で時折、大真面目にボケてくるからやりづらい。肩を押さえて回れ右をさせる。
「しかし、パズズのいた世界のカンガルーの国では似たようなことがつい先日も世界的ニュースに……」
オレの死後なにがあった。というかやはり≪戦乙女≫はオレがいた世界の情報とどこかで繋がっているのか。微レ存や青色三号という単語を知っていた時点で怪しいとは思っていたが。
「ギルドには普通に銀行と商工会の登記、つまり事業所の設立を申請しに来ただけだ」
「では、占拠というのは?」
「そのうちこの都市の資本を握るという意味だ。そのためにはまず為替と都市法を覚えないとな」
思わず唇の端がつりあがった。楽しくなってきた。まさか異世界にきてマネーゲームに参加できるとは。情報と状況を利用しヴァルハラの戦力の地上拠点をこの都市に創り上げる。そうすればあとの目的にだいぶ近づけることになる。
「そのためにも商工王にオレはなる!」
「おおよそ聖職者のジョブについているものとはおもえないセリフだね。でも気に入った。てつだおう」
それからちょっとして二人で都市の喫茶店に足を入れる。
「なにも≪銀聖衣≫を質に入れなくとも、城の宝物庫には金銀財宝がいくらでもあるじゃないか」
くちびるをとがらせながら少女がココアっぽいものを口にはこぶ。
「そういうな、こういうのは元手ゼロと少しのリスクから始めるのが楽しいんだよ」
あれから≪銀聖衣≫を質屋の店主の前で燃えない布として暖炉にくべてみせたら、かなり高額な貨幣と交換してくれた。
質の期限は一週間ほどだからのんびりとしてもいられないが。
(燃えない布が珍しいということは、この世界には石綿いわゆるアズベストは存在しないか貴重だということか。使える情報かもな)
次に足を運んだのは書物屋。多数の書物に触れると同時に店主にいくつかの質問をした。紙は羊皮紙やパピルス、竹簡といったものでなく和紙に近いものだ。紙の製法を聞き出すとどうにも安定しているらしいが、本を書く知識人や写本の担い手が足りてないらしい。ついでに一番売れている本の種類を聞き出し購入しておく。
最後にドワーフという種族が経営している鋳造屋に仕事を依頼する。これで元手の何割かを失うことになった。
「なにを考えているんだい。ムダ遣いはよくないよ計画的につかわなきゃ」
「ああ、そうだな計画的にいかないとな」
鋳造の依頼を店主は明日まで待ってくれといっていたがたぶん一週間はかかるだろう。その間に人夫と工場の誘致を考えておかねばならない。
「アイネクライネ、先に教えておこう。オレはこれから活版印刷機を製造するつもりだ。これにより多数の富が手に入るだろう。しかし、それは同時に世界の文化水準をひとつ上の段階に推し進めてしまうもろ刃の剣となるだろう」
次はどこに向かう?
1or4or7 ①ラヴォワジエの城に向かう
2or5or8 ②ヴァルハラにいったん帰る
3or6or9 ③郊外のさびれた教会へと向かう
0 ④英霊の子孫を探す
次は12/17 22:00 時点を参照とします。




