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名状しがたい許可証のようなもの
「英霊はラニアケアを管理するのがおしごと。いま大地はとても乱れてたいへん」
「そういわれてもなぁ。そもそもどうやってあの大地に降りればいいんだ」
すると少女はこちらの両ほほにその小さな手をそえて、急に顔を引き寄せてきた。自分の唇に柔らかな感触が重なったのもつかの間、少女はわずかな香りを残して離れていった。
なにをする。そういいかける前に左手の人差し指に何かしらの熱を感じた。見るといつのまにかそこには指輪がはめられてあった。
「その指輪は鍵。英霊としてとても大事なもの。今のは私とあなたとの契約」
つまり指輪なのか鍵なのかはっきりしろ。
「あなたの存在をこの世界に止める楔のようなものであり、許可証
。英霊は戦乙女と契約することでその存在を発揮することができる。そして、あなたはそれによってここと地上とを自由に行き来できるようになった」