This is distinct form that(これはこれ あれはあれ)
「マクスウェルでは誰もが知っているおとぎ話よ。もしあなたがホントに英霊なら≪神々の黄昏≫からの生き残りのはずなのだけれど……」
「ワルキューレに再び召喚された可能性があるじゃないか」
「それは無理よ」
「なぜそう思う」
「だって戦乙女様たちは全員死亡が確認されているもの」
彼女の言葉に嘘や誇張といった響きは感じられない。
どういうことだろうか。アイネ・クライネの存在を地上の人々は知らないとでもいうのか。それとも……
彼女が案内した場所。それは遠目で確認できていたが、近くで見ると一層に勇壮さを与える建物がそびえたっていた。
自慢と自信ありげにベリトが両手を広げながら、
「これがこの都市発祥の地となった遺跡、円形闘技場よ。かつて英霊士達がその技術を研鑽した場所。伝説に語られたヴァルハラ宮殿が崩壊した際に落ちた一部なの」
その言葉通りこの建物はどこかヴァルハラと同じ雰囲気をかもし出している。いや、それ以上に英霊として血が沸き立つような静かな昂揚感、これはヴァルハラ以上のものだ。
「戦後ここを占領して、武器を奪って拠点として利用したからローレンツ家は発展したといわれているわ。そして、“あれ”があるからまだここに縛られている」
そう語るベリトの表情にはわずかながらのかげりが生まれていた。
「だから、オレをここに連れてきたのか」
こんなところに王がいないことは途中からわかっていた。しかし、彼女からは人を騙すような裏は感じられない。とすると連れてきた目的があったことは予想できていた。
「ええ、そうよ。ここには≪英霊士≫の武具があるの。もしあなたが本当に英霊ならお願い“あれ”を持ち去ってくれないかしら」




