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朝は早起き

朝、思いっきり汗を流したあとのシャワーは気持ちがいい。

血もかなり流したけど。

まだ左の二の腕にはうっすらと線が走っている。

ザガード先生に切り落とされた傷痕だけど明日には消えるだろう。

このくらいの怪我は学院長先生が傷口をくっつけてチョンですぐに直る。

今日の訓練もハードだった。

普通逆のように思えるけど僕が木剣で先生が真剣。

先生の真剣はきれいに切ると傷を治しやすいため。

ザガード先生ほどの腕になると、斬られてもほとんど痛みを感じることはない。

それと何よりも、本気になれる。


それに対して僕の木剣。

先生の剣と打ち合ってもどちらも壊れない。

そして何より、負荷がかかって鍛錬になる。


「おはよう。」

「おはよう。珍しく早いね。」

「ん?また寝る。」

ほんとにジェットを抱えたまま寝てしまった。

朝ごはんはとっておいてあげようと思って、ふと気が付いた。

結界がない。

最初は女の子らしくしてたんだけど・・・ねぇ。


おっと寝顔を見てる場合じゃなかった。


熟練の技、・・はいらない。

おがくずの一点を見つめ、そこだけに魔力を集中する。

ぉ!黒くなってきた。

煙が出てきた!!

燃えた!!!

シェリーを起こさないように、無音で叫んだ。

僕って結構器用だ。

やれば出来るんだ!!

なにが?ってつっこみはなしにして、つぎ!

皿におがくずを乗せて、ほんとこればっかりだな。

炎の世界をイメージして空間に魔力で切れ目を入れる。

ボワッ

無音で踊りまわった。

やれば出来る子なんだぞ!

忍び足で踊っていたら、ベッドから首を出したジェットと目が合った。

さっと飛び降り何かくわえて持ってくる。

本だ。

?なんだそれ?暗黒精霊魔法概略??

ジェットが本を開いて前足で指し示す。

”魅縛の踊り”

どんな相手もあなたを好きになるでしょう。

ちが~~~う

僕は声を出さずに絶叫した。




?????



ジェット、お前本が読めるの?

それにこの本はなぜか白紙だったはずだけど。

あっ!文字も絵も消えていく。

なんで?

消えたのはジェットが前足を離したせい?


「ねえジェット、これどうやって読んだの?」

ジェットは本に頭を載せて、寝て見せた。

そっか、寝ればいいんだ、今晩試そう。

「しかしジェットは賢いなぁ。」

ジェットはにやりと笑った。


その日の基礎一般魔法実践講座は余裕で水も小石も出せました。

どやっ!さすがに兄はすごかろう、とサリーのほうを見るとにっこり微笑んでくれた。

サリーはとっくに課題を終えて次の予習をしていたのにね。

どちらが年上なのか、もう少し兄の尊厳というものについて考えねばならないと反省してしまった。






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