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第五話 ついにララエルさんと知り合う

 今回は()がサハラの心の声で〔〕がララエルの心の声です。

 分りづらいですね、、、困った物です。

 「・・・ぅぅん」


 (なんだろう、楽しい夢を見ていた気がする。   いや、案外怖い夢だったかもしれない)


 (頭痛がする、風引いたのかな。 会社に電話して有給とらなきゃ……。 ぅぅ、凄く喉が渇いた、とりあえず起きよう)


 目を開ける、日の光に目が眩む、少し待って目が慣れてきた、仰向けに寝ていたので天井が見える、木が剥き出しの天井だ、古民家みたいだな~と思う。

 仰向けのまま視線を右に移す、すぐに壁が見えた、それ程広くは無いみたいだ、壁は白い、だけど壁紙が貼ってある訳じゃ無いみたい、何か塗ってあるようだ、ペンキなのかな。 ここは何処なんだろう、なんでこんな所に? まだ混乱していてよく分らない。


 今度は左に視線を移していく、順に天井、壁、そして、、、、、、エルフ。


 ベットの横に置いた椅子に座った状態でうたた寝している。



 …………エルフ?



 「わ! わわ!?」


 飛び起きて逃げようとして、ベットから「ドタバターン!」と派手に転げ落ちる。そもそもベットに居たことも落ちてから気がついた。


 「ぎゃう!」


 痛! いたい! 特に左腕がいた~い!


 そうか左腕に矢が刺さったんだ、そのせいで頭も痛いのかな。


 でもそれどころじゃない! エルフ! エルフだよ! 全部思い出したよ! エルフに危うく殺されそうになって気を失っちゃたんだよ!




 サハラがベットから落ちた音でエルフ=ララエルも跳ね起きる。


 「な、なになに? ちょ、ちょっと大丈夫!?」


 すごく派手な音だったし腕の怪我の事もあるので心配して駆け寄ろうとして立ち止まる。


 「わー、こっち来ないで! 食べないで~! 僕を食べても美味しくないよ!」


 目の前の少女が涙目で不可解な事を訴える。

 ・

 ・

 ふと、意味を考える。

 ・

 ・

 数秒後。

 ・

 ・

 「?? エルフ、ヒト、タベナイ、ヨ?」







 〔どう言う事なの? 予想外過ぎてちょっと片言になっちゃったじゃない〕


 「嘘だ~、エルフが敵じゃない生き物を殺す時は食べる時だって友達に聞いたし」


 「あぁー、そう……ね。 間違じゃ無い…………かな」


 〔確かにそうだけど、それは魚や鳥の事ね。 それにしてもやっぱりあの状況でも敵と思われるとはかけらも予想して無いのね〕




 「わー、やっぱり~、お父さんお母さん、予想より早かったですが本日そちらに向かいます、ごめんなさい」

 胸の前で両手を合わせ祈りの姿勢を取る。



 〔うーん、箱入り娘だったのかな? かなりの常識知らずな様ね〕

 十人中十人に常識知らずと言われるララエルがそんな心配をしている間にサハラはすでにクライマックスだ。 


 「あっと、ち・・違う違う、そうじゃないの。 貴方を食べないから安心して」


 「え、じゃ……じゃあ人買いに売るんですね……」


 やっぱり怯える。

 

 「だからそうじゃないんだってば! あのね、あの時は、私、貴方の事を野盗と勘違いしちゃって……その、ごめんなさい!」


 ララエルはエルフ自慢の長い耳をぺたーんと下に垂れさせて申し訳なさそうに言う。


 言われてサハラは部屋を見回す、部屋の中には清潔なベットが有り枕元には固く絞ったタオルが落ちている。 そしてベットの横、ララエルが居た場所には小ぶりなテーブルとその上には水の入った桶が置いてある。 腕を見ると包帯も巻いてあった、どうやら介抱をしてくれて居たらしい。


 そしてエルフさんが事の顛末を説明してくれた。






・・・・・・・・・


 それによると、ここは鉱山町という所で、彼らは冒険者であの時は商人の護衛中だったという。


 そして、あの道は鉱山町と工房都市間の森を横切り、両町を繋ぐ連絡道路で一部の商人と役人や軍人等の専用で、一般人の通行は基本的に許可されてないと言う。

 理由は二つ有って一つは商人がお金を出して作った為、もう一つはここ最近野盗が出没するようになった為らしい。


 事実、数日前に一度野盗に襲撃されていたので警戒して居た所だったのだ。


 そんな時サハラは現れた。



・・・・・・・



 だいぶ落ち着きを取り戻し、今はベッドに腰掛けている。





 「そうだったんだ~、じゃあ誤解による事故だったって事ですね~、それなら仕方無いですよ~」


 (そう言う理由じゃしょうがないもんね、のどかな風景だったから油断したな~)



 「ほんとにごめんね、傷痛むよね? そうだ、そろそろ消毒しないと、それに包帯も替えるね、後、治癒の効果がある精霊魔法を掛け直すね」


 矢継ぎ早にそう捲し立てる、どうやら結構気にしてるらしく長い耳も垂れっぱなしだ。



 「あ、はい、ありがとうございます。 ちょっと痛いし何だか熱っぽかったから助かります。 …………ああ!!」


 (なんて単純な事を失念して居たんでしょうか! そう言えば今って魔法使えるじゃないですか~! 現実感がありすぎると魔法とか非科学的な物ってすっかり忘れちゃいますね)



 「ど、どうしたの?」


 突然の大声に驚き、ララエルが少しオロオロしている。



 「いえ~、すいません。 魔法で思い出しました。 すっかり忘れてましたけど、僕、治癒魔法使えたんでした。」


 (あ、普通に一人称を”僕”って言っちゃってるけど今の性別だとおかしいのかな? まあ必要になったら変えれば良いか~)



 「忘れてたって、え? 魔法って忘れる様な物じゃ無い様な……。 あ、でも治癒魔法はマナを一杯使うから今は私の精霊魔法のが良いんじゃないかな?」




・・・・・・・・

 実際サハラの受けた傷を即座に治そうとした場合、かなり修練を詰んだ熟練の治療師が聖水等の魔法効果を増幅する触媒を使わなければ治せないだろう。

 それ意外の一般人が使う治癒魔法と言うと主に自然治癒力に働きかける魔法なのだ、そしてその分野の魔法は精霊魔法のが得意としているのである。


 何故、即時回復が一般人に使えないかと言うと、回復魔法は使うMP量で効力が決まるのだが、この世界の人達の平均MP、この世界ではマナと言うが、それがかなり少ないからなのである。

・・・・・・・・




 「いえ~、大丈夫です、回復魔法は得意なんですよ~」



 「そうなんだ、でも無理はしないでね」


 得意と言うとどれくらい使えるのかな?2割位治癒力が上がる位かな、と、サハラの見た目から感じる年齢を思い魔法の腕前を予想した。自分の魔法なら数倍から十数倍まで上がるはずなので、後でコッソリ精霊魔法を重ね掛けしておこう、と胸に秘めつつ。



 「はい、ではでは早速~、【ヒールライト】」


 サハラはまず回復の対象を思い描き、次に使うマナ量をイメージする、そして魔法名を唱え発動させた。


 傷の周辺がうっすら淡くピンクの光に包まれたかと思うと瞬く間に痛みが消えた、確認の為に包帯を取るとちゃんと傷も治っている。


 「ふふーん、完璧!」


 魔法って便利~、と単純に感動して居たら目の前で驚きに包まれてるエルフが居た。



 「え、えぇぇぇええぇえええ、治ったの!? 凄い、凄いよ! 人間族がそんな若さで瞬間回復使えるなんて初めて見ました!」



 「う、うん、回復だけなら得意なんだ」


 (あれ、普通は使えないのかな? もしかしてまずかったのかな)



 「あっと、ごめんなさい、取り乱しました、それにしても凄いなー」

 さっきまで垂れてた耳がピンッと立っている。


 「あはは、ありがとうございます」


 にっこり微笑む。

 (ふふふ、ここは日本人のパッシブスキル【笑って誤魔化す】で行っとこう!)









 「あ、そうだ、貴方の目が覚めた事を仲間に伝えてくるね」


 そう言って部屋の出口に駆け出しかけ


 「っていつまでも貴方って呼ぶのも問題ね。 お互い自己紹介しましょう」


 急に立ち止まりくるっと振り返る、お陰で綺麗なサラサラの金髪が遠心力でふわっと広がる。


 「私はララエル、黒の森のララエルって言うの、よろしくね」


 そう胸を張り名乗った。



 (え~と、ここはどうしよう、本名を名乗るべきなのかな? いや、今はサハラなんだしそっちの名前で行こう、うん、そうしよう)


 「僕はサハラ、フルネームはサハラ・ウィッチ・リバーランドです、よろしくです」

 

 ついつい咄嗟にベッドの上に正座して、斜め45°の角度でお辞儀までしてしまう。





 「え? ええ? ……えと、良いお名前ですね! それでは私はこれで一旦失礼させて頂きます!」


 自己紹介をした瞬間明らかにララエルが狼狽えた、そして焦った様子で出て行ってしまった。



 (なんだろう? なにかミスったのかな~)








 サハラは知らないがこの世界では名字持ちには特別な意味があるのだった。

携帯で見やすいように少し改編。

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