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プロローグというより説明に近いお話

 仕事が終わり、真っ直ぐに帰宅。

 急いでシャワーを浴び、夕飯を食べる、そしてフルダイブシステムを着けゲームを起動します。

 5年前、会社の先輩達に誘われて始めたMMORPGにログインする為です、特に用が無い時間はいつもログインしています。


 当時ベータテスト中で無料だった事も有って先輩達と始めたけど、月額課金制で月5000円と言う値段な為、正式サービス開始と共にほとんどが止めてしまいました。

しかし、自分はこのゲーム[The World of magic & war]が凄く気に入ったので現在も続けています。


 このゲーム、略して[WMW]は、王道のファンタジー物で剣と魔法の世界でプレーヤー同士でギルドを組み戦争をして領土を取り合う事を売りにしている物でした。

 ただ[WMW]が大人気ゲームに成れた理由には、広大で綺麗なMAPや手応えのあるモンスター、揃える事で能力を発揮する所謂セット装備、さらにはレア、レジェンドと言った上位アイテム、サーバーでの個人やギルドのランキングに関わるポイントになるアイテム等も有り、それらを集める人達や武器、防具、アクセサリーや各種アイテムを作る生産職等MMORPGで必要な要素は全て揃っているからです。

 

 狩りをしてアイテム等を集めたり行った事の無い場所へ冒険に出かける、そんな彼らを狩り派と呼び

 日夜、高ランク、高性能、秀麗な装備やアイテムを作る事に心血を注ぐ、そんな彼らを職人派と呼び

 勝利と言う名誉の為に、キャラスキル&プレイヤースキルを磨き続ける、そんな彼らを戦争派と呼ぶ。




 [WMW]はレベルが上がると、フリーポイントと呼ばれるポイントが手に入ります。このフリーポイントを使ってステータスの強化やスキルの取得等を行っていくシステムになっています。また、レベルが一定の高かさまで達すると上位職に転職が出来るようになります。

 普通はフリーポイントの半分でステータスを強化し、残りでスキルを取得して行くのが一般的です。


 職業は、魔法使いなら、基本職の魔術士に始まり、魔導士や召喚士、ほかにも多種多様な職業に転職出来、そのスキルは膨大な数になり狙って作らない限りは同じ能力のキャラは出来ないとまで言われています。当剣士等物理職も豊富にあります。


 そんな訳で、自分こと小港 紗原(こみなと さはら)二十六歳 男(名前も苗字みたいと良く言われます)は今日も意気揚々とログインします。



 さっそくゲームのタイトルを選んで――


「スタートです」


 と言い起動します、すると数瞬の処理時間の後、自分の分身とも言える大事なキャラの選択画面が出ます。キャラの名前は[サハラ・ウィッチ・リバーランド][WMW]でのキャラネームは[名前・ギルド名・領地名]と表示されるので実質自分で付けた名前は[サハラ]だけなのです。(しかもリアルネームと同じと言うね)


 5年間頑張って育てたキャラは年の頃は十六~十八位、黒色の瞳に、癖のあるウェーブの掛かった黒色のロングヘアーをしていて、肌は白過ぎない和風な肌色、顔つきはまる顔、目つきまでまるっぽい、要約するとおっとり系の女の子なのです。


 何故、女の子なのかと言うとキャラ作成時に男キャラを選んで作っていたら――



「お前、俺にゲーム内でも四六時中男を見続けさせるのか?」



 と、先輩に駄目出しを受けたからです。






 先輩は男キャラなのに・・・・。







 さらに――


 「あ、後お前ヒーラーやれよ。回復役が居なくてさ、いいだろ?」


 な、なんですと~……魔導士になりたかったのに……。しかし先輩命令です、ここは笑顔でお受けしよう! ……社会って世知辛いよね。

 

 しかし魔法使いは諦め切れないし……と、仕方ない! 見た目だけでも魔法使いになろう。そういった経緯があり、自分は魔法使いルックなヒーラーになりました。


 現在の服装は、ギルドのイメージカラーであるオレンジとブラウンで染色された、とんがり帽子に足首まで覆うローブ、先端に丸く赤い宝石を付けたロングスタッフを装備しています。まんま皆がイメージする魔法使いの服装だったりします。後、アクセサリーに腕輪とネックレスにイヤリングもしています。






 所属しているギルドは正式名称[黒魔術推進結社]通商[ウィッチ]と言う、総勢46名の中堅ギルドです。このギルドは攻撃系魔法使い、しかも女キャラのみしか加入出来ない色物ギルドだったりします。しかしこのギルド、職バランスとか欠片も取れてないにも関わらず、参謀係の戦略、個々人のプレイヤースキル、ギルドマスターの政治力によってサーバー内に50個しかない領地の一つを(一番小さい領地だけど)持っているという有名ギルドだったりします。(ちょっと自慢だったりします)


 ちなみに、先輩達が止めた後、1年程はソロで野良PTに参加したりしながらのんびりと冒険していました。


 でもその時、たまたま人気の無い森でクエストアイテムの収集をしていたら、当時まだ弱小ギルドだった[ウィッチ]のギルドマスターが敵対ギルドに襲われて瀕死になりつつ目の前まで逃げてきました。マスターは見た目が、13~14歳位の金髪碧眼のロングヘアーなロリ美人、対する追っ手は4人程の高そうなキラキラ日の光を反射する全身鎧に身を包んだ騎士の様ないでたちでした。

 どれ位逃げてきたのか、体中ボロボロの少女、それを笑いながら追いかける騎士達(もうどっちが悪者かは一目瞭然ですよね)しかし少女はとうとう覚悟を決めたのか、追っ手の方に向き直り起死回生の上級魔法を唱え始めました。だけどどう見ても魔法が発動するより前に追いつかれて残り少ないHPは削り切られて倒されてしまうのが明白です。

 

  (あぶない! このままじゃあんな可愛い魔法使いが殺されてしまいます)


 そんな感じであまりその後の事とか考えずに軽い気持ちで回復魔法を掛けました、さらに法術士の上位スキルである詠唱妨害耐性を上げるバフのオマケ付きです。その甲斐あってか、なんとか騎士4名を倒す事が出来たのです。


そして、ついつい回復してしまったのが縁で、その後意気投合し、今では、ギルドで唯一の攻撃魔法使い以外のメンバーなのです。







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