閑話 最高位神子の企み
穏やかな昼下がり。
お茶を飲みなから手紙を読んでいた最高位神子は、口元を指で隠し、笑いを堪えていた。
「いかがいたしましたか?」
その様子を見ていた神子騎士が首を傾げる。
「リベルはよく手紙でユエルの様子を報告してくれるのだけれど、ユエル、神殿騎士でしかも一番隊副隊長の死神ユエルだって事がバレたらしいわ」
「はあ」
それのどこが面白いのかとトゥルースが首を傾げると、ノエルはニタリと美しい顔を悪戯色に染めた。
「兄弟で賭けてたの。ユエルのボロがいつ出るか」
「皆様、神に仕える清廉な御身でありながら」
「これくらいいいじゃない。悪い事はしてないし、内輪で楽しんでいるだけなんだし」
「はあ」
「しっかし、ユエルならもう少し粘れると思ったんだけどなー。リベルもいたし。まあ、私が勝ったから良いけど」
手紙を読みながら、最高位神子はブツブツと自分がたてていた予測を呟き始めた。
ノエルのその姿を見て、トゥルースは溜め息を吐いた。
「騎士であることが知れるということが前提だったのですね」
「嘘が下手な子だもの。ずっと隠し通せるとは思ってなかったわ」
「それならば、何故騎士ということを伏せさせたのですか?」
トゥルースの問いかけにノエルはニンマリと笑った。
「恋にはスパイスが必要だと思わない?」
「は?」
「恋が発展するためのトラップというものを仕掛けてみたの」
語尾にハートでも付きそうなノエルの言葉にトゥルースは思わず呆けた顔をした。
「素敵な恋愛や結婚には必要でしょう?」
「そういうものですか?」
「そういうものよ」
理解しがたいと顔に書いたまま、トゥルースは曖昧に相槌を打った。
それを見て、ノエルはクスリと美しく笑い、彼の国へ思いを馳せた。
愛しい家族が幸せであるよう、ノエルは祈りを捧げた。
前回よりもより短いです。
スミマセン(^。^;)




