命の標〜空蝉の迷い人〜
企画小説第10弾「命」
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閉じている瞳を、光が容赦なく刺激してくる。
「……くっ」
薄目を開けて見上げるが、鬱葱とした木々の枝しか目に入ってこない。
その隙間を縫うようにして、太陽の光が降り注いで来ているわけだが、
「昨日と同じ、か」
ため息を吐き、重い腰を上げる。
一体、どこにいるのだ……詩織。お前もこの場所にいるのか?
俺の耳に入ってくるのは、最近聞き慣れてきた獣の鳴き声。これが鳴くと言う事は多分、朝なのだろう。
今の俺には、時間を計測する手段がないので分からない。それに同じ景色が続く森の中では時間の感覚が酷く鈍ってしまうので、俺がここに来て数日、いや、数週間経っている可能性だってあるわけだ。
「さて――」
横に置いてあったリュックサックを手に取り歩きだそうとしたが、不意に手から重みが感じられなくなり、次いで重く鈍い音が聞こえてきた。
「とうとう、切れてしまった……か」
足元に転がっている荷物の中身。俺の手に残るリュックサックの紐。引き千切られたように裂けたリュックサックから溢れ出た荷物だが、今の俺には特別必要なものではなかった。
「別に必要なものはないが……」
一つ一つ、荷物を確認したが現状では使える物はまったくなかった。
携帯電話、ラジオ、時計――現代文明に於いて人々の役に立つはずの物が、現状ではまったく意味がなかった。
この森では携帯の電波は届かず、ラジオは周波数も合わない。時計は時を刻む事を放棄したように、その針を止めている。もしかしたら、携帯もラジオも壊れて使いものにならないのかも知れないが、それを確認する術が俺には無い。
――俺は一人。
こんな得体の知れない森で俺は一人っきり。本当にここはどこだって言うんだ。
現代社会のしがらみに塗れたコンクリートジャングルなら、いくらでも脱出する術はあるだろう。
……だが、ここは本当の森だ。
ここでは職場の上司に小言を言われる事も、同僚から嫌味を言われる事もない。でも、俺の大切な人がいないんだ。この場所には俺の大切な人がいないんだよ。
俺の彼女――詩織との出会いは、俺の務める会社に新入社員として入ってきた詩織の教育係を任された事だった。
何度となく仕事に嫌気がさし、そして人生にも活路を見出せなかった俺は、『この命を自らで絶ってしまおうか』と何度も考えていた時期もあった。だが、彼女に出会ってからは、そんな考えすら浮かばなくなっていた自分に気付いた。
……俺は、詩織に恋をした。
詩織は俺の生きる源で、無くてはならない存在になっていた。詩織の為ならなんでも出来る。
そう思いながら、俺は詩織に告白――そして、付き合い始めた俺達は何度となくデートを重ねて、順調に交際を続けていくうちに、俺の中で”ある”思いが溢れていた……。
そして俺は決意を胸に、詩織をハイキングに誘った。
山は晴れ渡り、綺麗な草木が俺達を迎えてくれた。そんな中を歩いて登って行く俺達。だが、山の天気は変わりやすい。突然のスコールに俺達は木に下へと走り、身を寄せ合い、降り止むのを待っていた。
俺の思いなど知らない空が恨めしかった。この雨がなければ、俺は詩織に――。
次第に小降りになってきた雨に安堵したそのとき――空を割るような一際大きな音と共に降り注いできた光に、俺は声を上げる間もなく包まれていた。
そして、俺はこの森に倒れていた……。
ここがどこなのか、詩織はどうなったのか、俺には分からない事だらけだった。ただ、鬱葱と繁る森の木々、木霊する聞き覚えの無い獣らしき鳴き声。見た事も無い植物の実や葉。そして、一日中沈まない不思議な太陽。そんな光景を目の当たりにしても、訳の分からない場所に来た事だけは、混乱している頭でも分かった。
……何故、俺はこんな場所にいる?
どうしていいか分からずに絶叫した事もあった。周りにあるものを薙ぎ倒して、怒りをぶつけた事もあった。だが、そんな事をしても何も変わらない。まずは詩織を探さないといけない。きっと、どこかで俺を探しているに違いない。そう思いながら歩き続けたが、一向に変わる事のない景色の森が、俺の行く手を容赦なく遮るだけだった。
歩き出した俺の足に絡みつく蔓を退かしながら前を見るが、目に飛び込んでくるのは変わり映えのしない景色だけで閉口してしまう。
本来なら詩織とハイキングをして、楽しい一時を過ごしているはずだったのに……。
「ったく……。ここは、どこなんだよ」
着ている服はすでに裾が綻び始め、汚れが付着して色が変わっている。
……そう言えば、風呂に入ってないな。
今更ながら身体が少し痒い事に気付いた。家に帰って風呂に入りたいものだが、この不思議な場所を抜けない事にはそれも無理か。
枝を掻き分け、歩を進める。目に入ってくるのは、緑の木――ただ、それだけ。どこまで続くのか分からないこの森には、いい加減うんざりしてきた。
「……詩織。お前はどこにいるんだ」
名前を呼んでも返事なんてあるはずがない。聞こえるのは獣の鳴き声と、風に吹かれて揺れる葉の音だけ。
本当に俺はどこに来てしまったんだ? ハイキングに出掛けた山には、森なんてなかった。それなのに、気付いたらこの森にいた。
……それにしても。
ずっと不思議に感じていた事――歩いているのに一向に疲れる事もなく、しかも空腹を感じない。もしかしたら、それを必要としない身体になってしまったのか? いや……身体がもう無い?
……俺は、死んだのか?
一番考えたくない事なのに一度浮かんでくると、それを消す事が出来ない。
「そうなのか? 俺は……本当に。いやっ! 違う――俺はきっと生きている。俺は死んでなんかいないっ」
気が狂いそうな思考の波に飲み込まれそうになりながら、頭を降り、その考えを追い出す。
まだ、そうだと決まった訳ではない。
俺は絶対に詩織を探すんだ。俺が来るのを、きっとどこかで待ってくれているはず。まだ、伝えていない思いがあるのに、こんな所で俺は――。
必死に自分の心を奮い立たせ、歩みを進めようとした俺の前が、
「くっ……ま、眩しっ」
突然、閃光に包まれていた。
森を抜けた。
何が起こったのか分からずに、ただ呆然として声が出せない。どこまでも続くと思っていた森から急に抜けていたら、誰だって驚くと思う。目の前に広がるのは、俺の膝ほどの背丈程で、見た事もない草花が生い茂る草原。そんな光景に驚きながらも、後を振り返った俺の目に映った光景は、更に俺に衝撃を与えた。
「あ……あれ? 森は、どこに――」
今まで歩いてきたはずの森が、その姿を忽然と消していた。そこにあったはずの森も、さっき見たばかりの草花が生い茂る草原へと姿を変えていた。
……これは夢なのか?
頬を抓ってみたが消える事なく、草原は俺の目に映っている。見渡す限りの草原に俺は眩暈を覚えながら振り返ると、またもや景色が一変していた。
草原の一部が宝石を散りばめたような光を放ちながら揺らめいている。俺の目に飛び込んで来たのは――青く光を放つ水面。
「今度は――湖、かよ」
辺り一面を照らし出す鏡のような水面に、俺は吸い寄せられるように近づいて行った。
「ようこそ……『空蝉への扉』へ」
突如、俺の頭へと直接聞こえて来た声に驚き、辺りを見渡した。
「私を探しても無駄です……空蝉の迷い人よ」
静寂の中でも透き通る迷いの無い声が、俺の頭を駆け巡っていく。
――この声は、なんだよっ!
だが、声は戸惑っている俺の考えを全てお見通しのようで、
「ここは、現世と後世の狭間……そして、私そのもの。今見ているもの全てが”私”です」
そう答えてくれた。
「貴方は自分がどうなったのか、理解していないようですね。それでは、こちらを御覧なさい」
「……なっ!」
声が震え、それが水面に伝わったのか、水面は波紋を広げてながら普通ではありえない動きを見せていた。
――水のスクリーン。
そう形容するのが一番似つかわしい気がするもの。畳一枚分ほどの大きさで揺らめきを携えて宙に浮いている水のスクリーンに、ぼんやりと何かが映り始めていた。
数種の管を繋がれ、顔の上半分を包帯に巻かれている人物の周りを慌ただしく動き周っている白い服を着た女性が数人。その人物は上着の前を――身体つきからして男のようだ――はだけてられているが、顔と同じように包帯が数箇所巻かれているところから察するに、怪我の具合は相当酷いのだろう。
そして、そこがベットの上で、病院の一室だと言う事はすぐに分かった。だが、その男が誰なのかが分からない。
「なんで、こんなものが……」
何故、俺がこんな光景を見なくてはいけないのか?
口元には酸素マスクで覆われ、自発的に呼吸が出来ない事を表している。それほどの病状の男の周りを、先ほどから忙しなく動いている看護師達と、懸命に男の胸をマッサージしているところから察するに、かなり危険な状態なのだろう。医師の助けたいと言う気持ちが、水面を通して伝わってくる。
誰だか分からないのに、人事ではないような気がするのは何故だ? そう、頭の隅を掠めた思考に気をとられていると、不意に男の手を握っている指が目に入ってきた。
顔は暗くはっきりとしないが、その指には見覚えのある指輪が――。
「あ、あの指輪は……っ!」
突然、頭を締め付ける痛みにその場に蹲り、片膝を付いた。頭を締め付けていた痛みは次第に収まっていくが、変わりに頭の奥に響いてきた鈴のような不思議な音色が、段々とはっきりと聞こえ始めていた。
――詩織の声。
あの指輪が、手が、温もりを伝えてくる。握られている手ではないのに……何故、温もりを感じるのだろう。水面に映る同じ右手がほのかに温かい。まるで詩織と身体を重ねているような、幸せを感じる温もり。
「……しおり、しおりっ」
水面に映る人影から涙が一筋、頬を伝っていく。
あれは詩織――顔は見えなくても分かる。この手に感じている温もりは、詩織そのもの。詩織は無事だった……そうか、無事だったのか。だけど、詩織は誰の手を握っているのだ? あの包帯に巻かれた男は――。
「俺……しか、いない、よな」
そこで、ようやくこの映像の意味を悟った。
「やっと、理解したようですね。貴方は、突発的な事故により”死”を迎えようとしています」
「……事故?」
その場に膝を付き、蹲った俺の頭に映像が流れ始めた。
雨宿りをしている木の下――俺は詩織と寄り添い、ただ、雨が降り止むのを待っている。
……これは、あの時の映像なのか?
苛立ちを隠すような顔をしている俺は、何もないかのように詩織と話をしている。そうだ……一向に降り止まない雨に少し苛立ちを覚えていた俺は、やっと止み始めた雨に安堵の気持ちで胸を撫で下ろそうとしていた。だが、そんな俺の横を詩織が「今のうちに行こう」と先に走っていこうとしたので、止めようと腕を伸ばしたそのとき――空が割れるような閃光と共に雷鳴が轟き、俺がいた木に雷が落ちてきた。
何が起こったのか俺は知らなかったが、落雷だったのか。
もちろん、その後の事なんて知るはずもない俺だが、頭に流れている映像が教えてくれている。
俺のそばに呆然とした顔で近寄って来る詩織。ただ、その場に横たわる俺の身体。何が起こったのか、理解出来ていない詩織が俺の身体を揺すっている。そして、絶叫――今まで俺の聞いた事のない詩織の叫び声が、頭の中に響く。木霊する叫びは、ただ俺の名前を呼んでいるだけ……。
そして、俺は”ここ”に来た。一瞬の事で実感など、まったくなかったが……恐らくは――。
「いいえ……まだ、死んではいません。貴方がいた森――祈りの森が、完全なる”死”から貴方を守っていました」
「祈り……の森?」
「空蝉の願い人――貴方の思い人が、祈りを捧げる事によって生まれた森です」
声は調子を変える事なく、淡々と事務的な口調で告げていく。あの森は、詩織の祈りによって生まれた森だと言うのか?
「でも……その森は跡形も無く消えて――」
それが消えてしまったのだ。祈りを捧げる必要が無くなった……そう言う事か。
「いいえ……消えたのではありません」
静かに頭に響く声は、
「貴方の”生きたい”と願う気持ちが通じたのです。もうすぐ、空蝉への扉が開きます」
「……それじゃ、俺は」
「はい……。そこを通って、現世へと還りなさい」
優しく笑っているように聞こえた。
「それにしても、私はあれほど大きな祈りの森を見た事はありません。余程、貴方は大切な人なのでしょうね……」
その声は、優しくも辛い雰囲気を露にしていた。
「私は今まで多くの空蝉の人々を見てきましたが、自らの命を絶つ者、家族に命を絶たれる者、無差別に命を絶つ者……そんな命ばかりが増え、ここでは祈りの森を見る事は出来なくなった、と思っていました」
声は泣いているように聞こえる。
確かに昨今、色々とニュースなどで騒がしているものは、どれも聞いていて悲しくなってくるものばかり。少し前の俺なら別になんとも思わなかったかも知れないが、今の俺は違う。
守りたい人がいる。守りたいものがある。だから、この命……大切にしたいんだ。
「祈りの森は、愛の結晶……貴方を”助けたい”と思う気持ちが形になったものです。一人だけではあれほどの大きさにはなりません。きっと多くの人が貴方を助けたいと、思ったのでしょう」
嬉しそうな声は、更に、
「命は限りある儚いもの……一つしかないものです。貴方は突然の事故により、ここに来てしまいましたが――今の貴方には分かったはずです」
声の言いたい事は、すぐに分かった。
命の大切さ……そして、思いの強さを――。
俺は、詩織にどれだけ必要とされているのか。そして、俺がどれだけ詩織を必要としているのか。
それを今まで以上に実感出来ていた。
「生きる事は苦難の連続……でも、貴方にはそれを支えてくれる人がいます」
優しく笑っているように聞こえる声に、俺も自然と笑みがこぼれていた。
「さぁ……お行きなさい。空蝉の迷い人よ」
水面が揺れる。
ゆっくりと中心へと集まっていく水が、一つの道を作り出し、その先に扉らしきものが悠然と光を放ちながら現れていた。
俺はその光目指して、歩き出した――。
――眩しい。
そう感じたのは、ついさっきだった。だが、今まで感じていたものとは違う、人工的な光を瞼の向こうで感じる。
それに、俺の以外の息遣いも――。
「……こ、ここは」
「――っ! ゆ、ゆうとさんっ」
俺の耳を、鼓膜を震わす声。
驚きを含み、そして聞こえて来た嗚咽。この声は、ずっと聞きたいと思っていた愛しい人の声。
「……詩織」
頬を伝う涙をそのままに抱き付いてきた詩織の温もりを感じ、俺の頬を伝う涙が一筋。
「よかった……本当に、よかった」
「……俺、生きてるんだな」
俺から離れ、小さく頷く詩織はもう一度、俺の首に抱き付いてくる。
身体を走る痛み――だが、それが『生きている』という証。俺の身体が、心が、今を実感している。
生きている事を感謝しよう。この命を、大切にしよう――。
生き返ってから――語弊がありそうだが、実際にそうなのだから仕方ない――数日。
随分とベットの上で寝ていたので、身体が鈍っている。
聞けば、俺はこの病院に運ばれてから一週間以上、昏睡状態だったらしい。それでも詩織は、必死に俺へ呼び掛けてくれていたらしく、だから俺はこうして”ここ”にいる。
もし、詩織の祈りが無ければ俺は当の昔に、この命が尽きていただろう。そして、あの場所が本当にあった事なのか、夢だったのか、は今の俺には確認する術がない。でも、俺はあの場所で確かに命の大切さを感じていた。俺の命を助けてくれた詩織の思いと共に。
「優人さん……具合、どうですか?」
「ん? もう大丈夫だよ。それより、会社はどう?」
枕元にある小さな机の上に一輪挿しの花瓶を置きながら、心配そうに眉尻を下げる詩織の表情は、ここ最近ずっと見ている顔だ。早く元気にならないと、心から笑ってくれないのだろうな。
「皆さん、心配してますよ。早く帰って来い、て言ってます」
「……そっか。心配されるって言うのも悪くないもんだな」
「もう――そんな事言って、またこんな目にあったら……私は」
途端に表情を崩して、口元を覆っている詩織。しまった……俺とした事が、失言をした。
「ご、ごめん。もう言わないから、泣かないでくれよ」
「……優人、さん」
泣き始めた詩織の手を握り、
「もう変な事は言わないから……一つだけ、俺の言う事を聞いてくれないか?」
構わず言葉を続けた。
何か分からずに驚いている詩織。でも、繋がれた手を解く事はなく、しっかりと握ってくれる。
生きているからこそ、俺は詩織の手を握れる。そして、詩織も俺の手を握り返してくれる。それだけの事なのに、俺は無性に嬉しかった。
――だから、言うんだ。
「詩織……俺と結婚してくれ」
息を飲む音が病室内に響く。
返事をもらえずに、ダメかと思っていたそのとき――その言葉を紡いだ俺の口は、返事の代わりに塞がれていた。
……優しい温もり。
生きているからこそ、感じる事の出来る温もり。
「詩織、幸せにするよ」
「はい……優人さん。でも、私だけじゃ駄目です」
「……え?」
優しく笑みを浮かべる詩織が、そっともう一方の手を添えていく。
「私”たち”を、幸せにしてください」
「ま、まさか……」
「私と生まれてくるこの子を、幸せにしてください」
微笑を絶やさず、俺を見つめる詩織の瞳は、母の慈愛に満ち溢れている。
この俺が、父親? こんな俺が父親に――
「ゆ、ゆうとさん、どうしたんですかっ」
「い、いや……嬉しくて」
頬を伝う涙が幾筋も落ちていく。
新しい命が、俺と詩織の間に生まれていた。もしかしたら、俺はまだ見ぬ我が子にも助けられたのか……。あの森は、詩織だけの祈りではなく、我が子の祈りでもあったのかも知れない。
「俺は、きっと詩織だけではなく……この子にも助けられたのだろうな」
驚いていた詩織も頬を綻ばせて、
「泣き虫ですね……パパは」
そんな事を言いながら、お腹に手を当てて優しく笑みを浮かべいた。
「優人さん……」
俺の手を握り、そっと自分のお腹へと導いていく詩織。触れた詩織のお腹は、まだはっきりと分かるほどではない。でも、そこにはちゃんと新しい命が宿っている。
詩織の温もり――そして、まだ見ぬ我が子。
……命。
儚くも脆いもの――でも、大切な思いがあれば、きっと命は輝く。
触れている手から感じるのは、命溢れる”二人”の温もりだった……。
空蝉=現世・あるいは現世の人の意。