小説投稿サイトなどへの影響
AIが話を生成するようになった場合の小説投稿サイトへの影響を触れない訳にはいきません。基本的には生成AIが作る話には以下の利点があります。
『量・質・完結率』
量は圧倒的です。AIに自律的に生成させれば中編(数万文字レベル)で日に2本は投稿できます。生成者が内容を確認せずに投稿すれば日に5本は生成可能でしょう。ディレクションしたとしても、10万文字を週に1本くらいは生成可能だと思われます。
質に関しても、プロンプトさえ作ってしまえばある程度は保つことが可能です。暇つぶし以上の質となるとディレクションが必要になると思われますが、これらのノウハウは動画やブログによって蓄積されていき、更にAIの性能上昇していくことにより、全体的には上がっていくはずです。
少なくとも私のような素人小説を必死で投稿しているだけの者よりディレクション能力を持った方は多いと思われますので、その方たちがAIを使い始めれば発展も早いと思われます。
AIが生成した話の完結率は侮れないと思います。小説投稿サイトでは完結作品が非常に少ないため、質が良くなってくると生成AIの話の方が信頼される現象が発生するかもしれません。量とも関係しますが投稿スピードも早い間隔で行われるため、読者にとってはありがたいと思います。
基本的には、これらの利点『量・質・完結率』の上昇とAI生成の話が増えることにより、小説投稿サイトは変容すると思われます。
現状すでに、量の問題は発生しつつあります。この問題の対処として、現実的には以下のような方策が考えられます。
- 1ユーザーの1日のタイトルの異なる作品の投稿数制限(同一タイトルなら話の投稿は制限しない)
- 小説本文にAIを使ったかどうか自己申告させる
- 小説本文にAIを僅かでも使った場合とそれ以外ではランキングを別にする
- ポン出しレベルのAI生成かどうか新規投稿についてAIで判断。投稿時に警告だけ行う
- AI製の投稿数が膨大な場合、自己申告した投稿の下読みを事前にAIが行い評価をつける(品質が極端に低いものの選定しやすくするため)
AI製とそうでないものの判定は次第に困難になっていくでしょう。現状でも簡単に見分けられないようにすることは容易に可能です。
見分けられないようにする方法を端的に言うと、自身の小説の文体をAIに分析させ、再現可能なプロンプトを作成して貰うことで通常のAIと異なる文体にすることができます。
先にも述べましたが、AI製が増えていくことで小説投稿サイトは変容していくと思われます。
人間の小説創作コミュニティーからコンテンツ置き場への変容です。
一度そうなってしまえば不可逆的で元には戻らないと考えています。
良い方向への影響
- 文章の最低品質保証
- ニッチなジャンルの供給量が増える
- 未完結となる話が相対的に減る
- 毎日更新される作品が増える
- 失敗を恐れず新ジャンル・新展開に挑戦可能
- ディレクション技術の明文化により創作理論が発展
- 人気のあるテンプレ形式の発展加速
- 評価システムの発展
悪い方向への影響
- 人間作家のモチベーション低下
- 作品投稿数の爆発
- 人間作家からの不満爆発
- 『完結済み連載作品』欄の無価値化
- 応援する意味の喪失
- スコッパーのモチベーション低下
- AI製かどうかの疑心暗鬼
- 作品がAI製かもしれないために出版社の打診が減少
- 賞開催の慎重化(AI製は排除の規約になると思われるがAI製かどうかの判定は不可能)
- 収益化している作品への疑いコメントで荒れる
- 1作品毎のインセンティブの減少(アニメ化など他の導線がある作品は例外)
- 交流の減少




