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霊魔聖妖 異能神  作者: ジンジャーエール
都市を守る者たち
1/5

プロローグ

 異能都市レフィル、別名学園都市…国から完全に独立した街であり、御三家である《神創(しんそう)家》、《色羽(しきばね)家》、《樹木(じゅもく)家》が統治している。

 だが、いくら御三家が統治しているといっても犯罪者がいなくなるわけではない。

 そういった犯罪者達の対処をする組織が《蜘蛛の巣》である。

 今日もまた夜の街の一角にて爆発音が聴こえる。





レフィルとある場所―――





 ボロボロな赤髪の女性と無傷の男性が戦っていた。


「その程度か?第三部隊長様よぉ!」


 第三部隊長と呼ばれた女性は焔崎愛花(ほむらさきまなか)、蜘蛛の巣の第三部隊の隊長で異能は


[爆破]を持っている。


 彼女の異能[爆破]は、爆発を発生させることができる。


「クソッ…何故効かない!」


「俺の異能は[風操]、風を操る異能だぁ。風を全身に纏っているからどんな攻撃も効かないだよぉ!」


「クソッ…」


 そう会話している間も攻撃し続けているが相手は余裕の表情を変えない。

 そして視界から相手の姿が消え、気がつけば目の前に逼っていた。


「なっ!」


 そして腹部に風を纏った拳めりこむ。


「がぁ…」


 あまりの激痛に愛花は意識を手放してしまった。


「簡単には死なせねえよ…いろいろと聞きたいこともあるしなぁ」


 そう笑みを浮かべ愛花を抱え何処かに去っていった。





次の日―――


 愛花が犯罪者に敗れ連れ去られたというニュースは瞬く間に広がっていた。





蜘蛛の巣 本部―――


「すぐに助けに行くべきだ!」ドン!


 会議室の机を叩き男が怒鳴る。


「少し落ちつきなさい」


 そう女性が諌める。


「落ちついていられるか!お前は何で落ちついていられるんだ空守(からもり)!」


 空守と呼ばれた女性は答える。


蜘蛛ヶ崎(くもがさき)さんに呼ばれたということは何か策があるはずだから」


「それはそうだが…」


 しばらく沈黙が訪れる。

 そして女性が《魔導通信機》で誰かと通話をしながら入って来た。


「「蜘蛛ヶ崎さん!!」」ガタッ


 2人が気付き立ち上がる。


「ええ、お願いね。今度ご飯奢るって伝えておいてくれる?そう、わかったわ。それじゃ」ピッ


 そうして通話を切る。


「さて、待たせたわね」


 そう言いながら席につく。


「いえ、大丈夫です!」


 と空守と呼ばれた女性が答える。


「そう、なら良かったわ。さ、2人も座りなさい」


「では、失礼します」


 と2人は席につく。


「さて、第三部隊長の救出のことだけど…第三部隊を率いて貴方達に行ってもらいたいの」


「第三部隊を率いて、ですか…自分としては問題ないのですが、何処に連れ去られたかがわからない現状、あまり派手に動くことは出来ないと思いますが…」


 と男性が答える。


「それなら大丈夫よ。場所は判っているから」


 その言葉に2人は驚く。


「いったい何処ですか?」


 と空守と呼ばれた女性が聴く。


「此処よ」


 と机の上に貼られたサルゲアの地図に指を指す。


「此処は…」


「私達が今マークしている組織、煉獄会(れんごくかい)の拠点よ」


 煉獄会とは、一人一人がCランクを超える異能力者達で構成されている犯罪者集団である。

 元々はまともな活動をしていた集団だったが、先代会長である春風剛造(はるかぜごうぞう)氏が病で亡くなり代替わりして春風義正(はるかぜよしまさ)が跡を継いでからレフィルの支配を目的として活動するようになった。

 もちろん当時の幹部達は反発したが義正はAランクの異能力者、全員実力で捻じ伏せられ、消息を絶った。

 それからは、彼の考えに賛同したBランク以上の異能力者を幹部に添え現在も活動している。愛花は彼らに連れ去られたのだ。


「煉獄会が相手だと第三部隊と第六部隊、そして第七部隊だけでは勝てるかどうか…」


「話を聞く限り、愛花は一対一で敗けたようだし…いくら私達がAランクだとしても心配です…」


と自信無く答える。


「少し勘違いしているわね」


「勘違い…ですか?」


「ええ。まず貴方達は別として第六部隊と第七部隊は動かすつもりは無いわ」


「「!!??」」


「それはどう言うことですか?」


と戸惑いながら質問する。


「大丈夫よ、助っ人を呼んでいるから」


「す、助っ人…ですか?」


「ええ、助っ人よ。今から1時間後に現地で集合になってるわ」


「な…るほど…わかりました」


「では1時間後、第三部隊を率いて集合場所に向かってちょうだい」


「「わかりました!」」


そうして2人は部屋から出て行った。


「さて、いい人を選んでくれると良いけど…ふふふ」


 そう笑みをこぼし部屋を出た。









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