俺、始まる
さて、島に着いたはいいもののどーすっかなぁ。
とりあえず一歩ずつ歩みを進めてみる。
周りに人の気配はないな、一緒に乗ってきたあんな奴らと一緒に下ろされたらたまったもんじゃなかったな...。
「食料と水だけは確保しないと...」
そこら中に食べれそうな木の実とフルーツはありそうだ。よかった。
島に着いた日は木に登ってフルーツを取り眠りについた。
2日目、どんどんと森の奥に進んでいく。
おかしい。昨日一緒に来た罪人たちの姿が全く見えない。レイからの情報だとこの島は割と小さいはずなのに...。
「どこかに人喰いの化け物でもいるのかな(笑)」
そんな独り言を呟きながら森の中を進んでいると1つの廃屋を見つけた。
「家?こんなところに...?怪しい...」
周りに人影もないので中に入ってみることにした。
もしかすると誰かしらの罪人がここを住処にしているのかもしれないとは思ったが、こんなもの気になりすぎるだろ!
しかし、予想に反して誰もいなかった。
「本当にただの廃屋みたいだな」
そう思って引き返そうとした時
「ん?なんだこれ...」
床のところに何か刻まれている...?
埃を払って見てみるとどうやら文字のようだ。
「これ...まさか...古代文字!?」
見るとそれは古代文字のようだ。
しかも暗号のように刻まれている。
「この文字どこかで...」
そうだ、父さんが言ってた文字だ。
「いいかよく聞け我が息子よ。機械技師にとって大切なことはなんだ?」
「そりゃ新しい技術の習得と鍛練でしょ。」
「それも大切なことだ。ただ、1番大事なことは昔の技術の探究だ。」
「どういうこと?古い技術を研究して何になるんだよ?」
「古い技術には知恵がたくさん入れられてんだよ。今では普及しているものは全て昔の技術の改良さ。昔を知ることは今の技術の発展にも繋がると父さんは思っている。」
「なるほどな」
「そこで、お前に古代文字を教えよう。」
「古代文字?学校で習ったような習ってないような...」
「古代には未だ解明されていない技術がたくさんあるんだ。お前もきっと惹かれるはずさ。」
そんなことがあったっけ。まさかあの時の教えが今になって役立つとは...
さてと、回想はこの辺にして、これはなんて書いてあるのだろうか。
ト...ライ...ト式...?
トライト式か!
トライト式の錠前が古代からあったとは聞いていたが古代文字が使われていたこんな昔からあったなんて...
トライト式なら俺でも解ける。
ここの床を組み替えて...こうすればっ...
よし!開いたぞ!
「中には何があるのかな?」
ん?階段...?
なるほど、地下室があったのか!
機械技師の血が騒ぎそうな地下の匂い...
行ってみるとするか!