雨と虹
霧雨は仄か
光り輝き
木々の葉先からつるり
零れ落ちる露が
音もなく
ぬかるんだ地面へと
ないているのか
虹はあのように
色を重ねるたびに
渡れぬ橋を
架けるごとに
あわいの中で
息を殺して見上げても
濡れてしまう身体が
一つ
熱を放って
次第に晴れていく
空に
露になる足下
ただ 転がる石を踏みしめている
木のようにありたくて
木ではなく
石のようにありたくて
石でもなく
雨のようにありたくて
雨になれない
その身を持ち上げて
潜っていけ
朧気な架け橋の
根もと
不確かだと
確かめながら
現れていく心のままで
かなぐり捨てた色が
次第に青に滲んでいく
境目を気にも留めず
風は吹き抜ける
掲げた
いっとうつめたい
さびしさも
誰かのそれと
紛れていくのなら
ないてしまえよ
いっそのこと
溢れでてきた
涙なら
産まれ落ちてここへ来た
私だって そのように