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魔法使い達が残した冒険の書  作者: 冒険の書保管庫
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1日目

 私の名前はマキナ。魔法学院に通いはじめて2年になります。魔動機師の両親に無理矢理入学させられましたけど、住めば都といいますか、気の合う学友と実力のある教官に恵まれ今でも在籍しています。



 魔術師ギルド、神殿、マギテック協会これら三機関による共同出資のもと「魔法学院」は開校しました。


 もともと魔術師ギルドが行なっていたソーサラーやコンジャラーの育成に加えて、神殿のプリースト、マギテック協会の魔動技師の育成を同じ機関で行うことにより横のつながりを強化しようという試みだそです。

 入学から1年は共通学科として戦闘技能を学びます。その後の2年間は各専門の講師による魔法技術の習得する学習期間になります。

 将来的にはそのまま冒険者として未開の地へ赴いたり、より専門分野を探究するために学院に滞在することもあるようです。


ー朝礼 教室(2年生)ー


「それでは皆さん、来週には初めての課外活動を行なってもらいます。剣の守りのない外の世界は常に危険と隣り合わせです。しっかりと準備を整えてから課題に取り組んでください。行き先については先日配布した資料の中から決めて決めて、私か職員棟のポストへ提出をお願いしますね。」

教官はそう言い残し、職員棟へと行った。


教官が部屋から出て行き数秒後には、クラスメイトはざわざわと課外活動について話している。


初めての課外活動の内容は「1人の冒険」というものだ。

通常、3人から5人のパーティを組んで冒険へ向かう。

あえて1人で行かせることで無謀な挑戦を防ぐこと、実戦を通して自分の強み弱みを知ることなどの目的があるそうだ。

今回は近隣-といっても徒歩で3日くらい-の遺跡調査で遺跡で得た戦利品と冒険のレポートが成績となる。


「マキナさんはもう行く場所を決めました?」

隣の席に座るクラスメイトのアリスが話しかけてきた

「東の森の遺跡調査に行く予定だよ。」

「東の森ですか、マキナさんのことだからてっきりもっと遠くの方へ調査しにいくと思ってました。」

「最初はそのつもりだったんだけど…東の森にはまだ未発見の遺跡があるかもって噂を聞いたからね!」

「あんま無茶はしないようにね。って言っても無茶するんだろうけど」

「はてさて」

上手く鳴らせていない口笛とともに他愛ない時間は過ぎていった。



ー放課後 教室(2年生)ー

今日の授業は終わった。訓練所や図書館、帰路へとみんなの行き先はバラバラだ。

「それじゃあまた明日ー」

アリスが元気よく帰っていった。彼女も課外活動に向けて何か準備しているのだろうか?

…と自分のことからまずちゃんとしないとね。


「まずは情報収集かな…。」

学院では魔法使いとしての能力を身につける以外にも、最低限の戦闘技能を学ぶ授業がある。引退した冒険者を雇い戦闘技能や冒険のノウハウを教えてもらうのだ。

彼らのいる準備室へ向かう。


ー戦闘技術準備室ー


「失礼しまーす、バレット教官いらっしゃいますか?」

「んー、どうしたマキナか。今日は授業じゃないと思ったんだが。」

部屋の奥から細身の老人がでてきた。

バレット教官は私に遠距離攻撃の技師を教えてくれた人だ。

弓にクロスボウ、銃と器用に使いこなす。

いつかは超えたい目標の一人だ。


「今日は別件で伺いました。」

「別件とな、この時期だと…課外活動についてか?」

「はい。行き先が東の森のあたりになるのですが、その地域にでる生物について聞いておきたくて。」

「生徒達は真面目な奴が多いんだな、ちょっと待ってろ確かその近くの生態調査レポートがあったはずだ。」


感心、感心っと教官頷きながら部屋の奥へ引っ込み、目当ての羊皮紙を持ってきた。

「ここら辺に生息してる生物と目撃証言があった蛮族のリストだ。写してはいいが貸出はできん。」

「ありがとうございます、すぐに写します」




「ありがとうございましたー失礼します!」

「おぅ、課外活動がんばれよ。」

「はい!」

とりあえず調べる目星がついた。



ー図書館ー

学院に併設された図書館。学院の研究報告書や各魔法機関の学術書、周辺の地理、帝国の歴史などの資料が保管される施設。学院の生徒は資料の閲覧・写本を許されている。


「さてと、東の森の生物について書かれた本はどこかなー?」


館内を順々に巡り、目当ての資料を探していく。

【文献判定 目標値7】→達成値8


「ん?これは…【モンスターブック】っ!」

さっそく教官から教えてもらった目撃情報と照らし合わせながら敵の情報を写本し覚えていく。


東の森には低難度の生物である、コボルト、ゴブリン、ウルフの討伐または発見報告がされている。

いずれも一対一の戦闘においては、負けることはないと思われる。しかし、あれらは2,3体で行動することが多い。

1体だと思って侮ることはやめておくように。


コボルトは街以外で見かけたら敵だと思え、友好的なのは極一部。


ゴブリンは狡賢く劣勢になると逃げ出すこともある。暗がりからの不意打ちに気をつけること。


ウルフといっても狼だ。野生化して凶暴になっている場合が多い。撫でようとして手を噛まれないようにただでは済まない。


上記3種類以外にも東の森には魔動機文明の遺跡が発見されている。遺跡内には当時の魔法生物がいる場合がある。


魔法生物の代表例としてガーウィが挙げられる。

駆け出し冒険者には厳しい戦闘になると予想される。

……


「よし、写し終わりっと。」

なんとか閉館時間に間に合った。

明日は冒険者の店にいって必要なものを揃えておこう。

寮へ戻り眠りについた。







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