~悪魔との闘い~ー3
ものすごい突風で崖の上に建つ小さな家が揺れた。この家にただ一人で住む女が眠い目をこすりながら窓の方に近づく。
『え、何が起こったの!?』
つい声が出てしまった。目の前に広がるいつもと違った森の形状に驚き、それが誰のせいなのか瞬時に理解した。そこには森のどの木よりも大きく、手を伸ばせば月にも届くであろう大きな存在が浮かんでいた。窓からではその正体を正確にとらえることはできない。
『何アレっ』
彼女は家の外に出てその正体を確認した。角から上は雲に隠れよく見えないが、完全にこの世の生き物ではないのは確かだった。
彼女は思考が停止し、状況が整理できずに固まっていると、その恐ろしさの化身は何かを感じ取ったのか、こちらを向いた。悪魔と目が合った。そんなことをこの距離で思うはずもない。だが、間違えなく目が合ったと確信した。その瞬間 本能的に死の危機を感じた彼女は全力で家から離れるように走った。
『森に入って身を隠さなきゃ』
そう言いながら彼女は禁術の最大防護魔法を唱えた。
彼女が森に入った瞬間に地面は崩れ落ちた。地面が割れ、彼女は落ちた。家が建っていた崖は跡形もなく無くなり。森は痕跡すら思わせないぐらい崩れていた。
この女1秒、いやあと0.1秒でも防護魔法を使うのが遅かったら黄泉の国に向かっていただろう。
そして彼女は防御魔法を張っていたが、衝撃に耐えきれず気絶した。かつてそこにあった地面とともに落下していった。
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章ごとに違うお話なので気になった章だけでも、どうぞ見て言ってください。
同じ世界戦の話なので繋がりはあったりなかったりしますが……。
個人的に好きなのは5章です。
よろしくお願いします。