~悪魔との闘い~ー2
ここは地上、人間もエルフもドワーフすら住んでいない、まさに生き物が生息できない秘境の山。世界で一番高いこの山の頂上は大気圏ぎりぎりで空気は無い。そんな頂上付近に一つの小さな亀裂が出現した。その亀裂は徐々に大きくなると中から悪魔が出現した。
『亀裂の先に見える景色で予測はしていたが、やはりここは地上か』
そうつぶやくと、悪魔は拳を2,3回握ると消えた。光にも匹敵する速度でその場から飛んだのだった。
悪魔が飛んだ衝撃は余りにも凄まじく、衝撃波で半径20Kmの地面が無くなった。そこにはかつて世界一の山があったとは考えられないほどの、深すぎのクレーターのみが残っていた。
悪魔が飛んだ方角には森に囲まれた小さな村がある。
悪魔はその村に光にも匹敵する速度で着くと、空中に浮かんだままなんの躊躇もなく腕を大きく振り下ろし村を破壊した。いや消滅させた。悪魔の一振りにより、村から北西の方角にあった木々はすべて無くなり地面はえぐられ、水を抜いた川のような跡がそこに現れた。
ここがのちに世界最大の深さと長さを誇る大運河になり、数々の冒険者や商人が利用する動線になるのはまだ先の話である。