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表の世界と裏の世界  作者: 熊パンダ
1章 太陽の王国
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2話 魔族について

・?月?日・ 昼?  ……???……


 気がつくと草原が広がっていた。

 パッと見渡してみると整備されているようなところは見当たらず道もない。

 近くには村らしき物がある。

 あんなにうるさかった蝉の鳴き声も聞こえず、真夏とは思えないような爽やかな風が吹いている。


 ここが親父の言っていた異世界……?


「夢……ではないんだな」


 夢であって欲しかった。親父はあの後平気だっただろうか。母さんも心配だ。


 そして何より……


「雅……」


 ……まずは行動すべき、頭ではわかってはいるがすぐ行動に移すことができない。


 少し冷静になろう。

 色々と疑問に思うことがある。


 大きな疑問は親父の言っていた"魔族"、そして魔法やこの世界について……

 あとはなぜ俺を優先で逃したのか、

 多分だけど、親父は俺と魔族を会わせたくなかったように思う。

 何か理由があるのだろうか。

 それに、全人類の希望……そんなに俺は大きな存在ではないと思うんだがな。


「サンリスタ王国……か」


 親父はそこに手掛かりがあると言っていた。


「進むしかないか……」

 俺は深呼吸をして一刻も早く皆を救わなければと決意を決めた。


 (…… とりあえずあの近くにある村に行ってサンリスタ王国について聞いてみるか)


 最初の目的が決まった。



          ***



 近くの村に近づくと人の姿が徐々に見えて来た。


 遠くから見ると小さく見えたが、思ったよりも立派な村だ。

 畑もあり、川も流れている。長閑で静かな村だ。


「あの、すいません」

「……!?」


 少女は反応するが、驚いた顔で止まりピクリとも動かないで静止する。


「……えっと、そこのお嬢さん?」


「……は、はい! なんでしょう?」


 そんなに驚かなくても……


 少女は一度、驚いたがなんとか顔を戻して反応してくれた。

 髪は赤く、長い。

 背は小さいが顔がものすごく整っていて、ぱっと見大人しそうな印象の少女だ。

 中学生くらいだろうか?


「ええと、私は遠くの地から旅をして来たのですが、少し道に迷いまして、此処はどこでしょうか?」


 ……まぁ、嘘は言っていないだろう。


 すると、それを聞いた少女の目が急にぱっと明るくなり、キラキラと輝く。


「……そうですね! ここは中央大陸東部にあるソルダート村です!」 


 急に顔が近づく。

 俺は思わず後退りしてしまう。


「あ、あぁ、ありがとう。……その反応だと旅人って珍しいのかな?」

「そうですそうです! ……はっ! すいません! 私、村の人以外と会うの初めてで思わず興奮してしまいました!」


 少女の顔が離れていく。


「別に平気だよ、ここらにくるのは初めてでね、もし君が良ければ他にも色んなことを教えて欲しいな」

「私で良ければ是非!」


 色々教えてもらうことになった。




         ***




「はい! お茶です!」


 俺はお茶らしきものを受け取った。


 ここは少女の家らしい。

 家までは村から10分程度、他の村人の家から少しだけ離れている。

 少女の家の後ろには森があり、ここを抜けると見渡しのいい丘があるらしい。


「そういえばまだ名前を言ってなかったな、俺の名前は陽太だ」

「私はアリス! おばあちゃんとここで2人で暮らしています!」 

 ここがどんな世界なのはわからないが、苗字は伏せて名前だけにしておくことにした。


「ありがとうアリス、さっそくだが質問いくつかいいかな?」

「はい! なんでもどうぞ!」


「とりあえずこの村のこと詳しく教えてくれないかな?」

「わかりました」


 アリスはズズズとお茶を飲み、話し始めた。


「ここは太陽の国サンリスタ王国の領地の一つであるソルダート村です。そうですね、基本的に涼しくて過ごしやすい村だと思います。この村での名所としては私の家の後ろにある森を抜けた丘くらいですかね……よく考えてみると特にこれといった特徴がないですね……」


 サンリスタ王国……


「なるほど、ありがとう。それでその太陽の国サンリスタ王国って何なのかな?」

「お兄さん、もしかしてこの大陸の人じゃないの?」

「あぁ、そうだね、こことは違う遠いところから来たんだよ。ただ、俺はとある目的があってそのサンリスタ王国に行かなければならないんだ」


 元の世界のことは話さないでおこう。まだこの世界の人がどんな人かわからない。アリスを疑っているわけではないがベラベラ喋ることもない。


「……!! やっぱり別の大陸から!! 後で話いっぱい聞かせてね!!」


 また目をキラキラさせながらアリスは言った。

 はは、興奮すると敬語抜けるんだな

(楽しそうな子だ)

 思わず笑みが溢れる。少し色々あったからな、正直心が安らぐ。


「いいよ、いくらでも」


 アリスの顔がパッと明るい顔になる。


「やったぁ! ありがとう!」


「やっぱり……その喋り方の方がいいよ」


「あ! ……わかった」


 アリスはハッとした顔をしている。やっぱり気づいてなかったんだな


「……あっ!ごめんね!ちょっと話脱線しちゃった……ええと……」


 アリスは再度話し始める。


「この世界には5つの王国があるのは知ってるよね?」

「…………いや……知らない」


 アリスは呆れ気味に

「お兄さん教養なさすぎじゃない? 今までどうやって生きてきたの?」

「やっぱ、そうなるよな……」

「まぁいいや、ここは太陽の国サンリスタ王国、ほかにも水の国アクテュアム王国、土の国サタニア王国、緑の国ゾル王国、そして魔の王国マラダ王国があるんだよ!」


 アリスは続ける

「サンリスタ王国はここから西に行ったところにあるね、うーん、ただ、ここから10日ほど歩く必要があるんだよなぁ……今8月2日だから今日行ったとしても8月12日に着くね!」


(10日か、1人で行ける距離なのだろうか)


「……ん? ちょっと待って、10日と言ったか?

もしかしてこの世界でも1日って言う考え方はあるのか?」


「何いっているの? 今はガードン暦510年8月2日だよ。 お兄さん」


 アリスが説明してくれるのだが、疑問が次々と出てくる。

 ガードン暦? 


 よく見るとテーブルには時計がある。


 ん……?時計……?

 時計もあるのか。

 この世界は少し日本の文化もあるのだろうか、アリスも日本語だし……


 ……まぁいいや、とりあえずそんなことは今はどうだっていい。

 後回しにしよう。


 とりあえず早めに出発しようか、いや10日となると少し準備しないと流石に危険なのでは……?


 色々考えてるとアリスが話しかけてくる。

「10日となると流石に準備しないとダメだよ」

「やっぱりそうだよなぁ」


「ふふふ、お兄さん困ってるね? ……安心してよ! しばらく準備ができるまで泊まってって良いから!」


「え……いいのか?」

「いいのいいの! 私のおうちは1人じゃでかすぎるの! それにお兄さんの旅の話も聞きたいし……」

「そっか……それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

 俺は頭を下げた。


「その代わりいっぱい話そうね! ……んでほかに聞きたいことある?」

「……魔族、って知ってるか?」

 一番聞きたかったことを聞くことにした。


「うん! 知ってるよ」

 アリスは語り始めた。


「この世界には太陽、水、土、緑、そして魔の国があるのは言ったよね?」

「あぁ」

「その魔の国に住んでいるほとんどが魔族、基本的に今の魔族は他の国とも仲良くてすごく親切、優しい種族って聞いてるよ」


「……それは本当か?」


 日本で聞いた魔族の情報とは全然違う。


「昔の魔族は悪い奴らだってのは聞いたけど、今はもう他の種族とも仲がいいって聞くよ」


 やはり話を聞く限りは俺の聞く魔族と話に聞く魔族は一致しない。

 同一の者ではないのだろうか……?


「ありがとう、色々聞けたよ。少し情報を整理したいから部屋に行きたいんだけれど、どこに泊まればいいかな?」

「あぁ、お兄さんの部屋はそこの私の部屋の目の前! 晩御飯できたら呼ぶね!」

「楽しみにしてる」


 俺は部屋へ向かった。

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