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少女は本を燃やす  作者: 流German
4/9

第4話:鯨は確かに本当に居た

第4話です。是非最後まで読んで頂きたいです。

「え?」


『凛の、体験談…たぶん漫画にしたら正直凄く面白い内容だと思うの!』


「いやでも、その、本が読めなくなった原因とかまだ分からないじゃん」


『それがね、最近もしかしたらって思う原因が分かったのよ!!』


「ほんと!?」


『漫画にさせてくれたら教えてあ』

「いいよ!いいよ全然!!教えてよ!!」


『わ、分かったわ、ありがとう。とりあえず暑いし部室いかない?』


そこから私達は漫研の部室に行った。

その時は私達だけだった。


『はー、凄いクーラー効いてる…』


「それで!?結局原因はなんだったの!」


『…うん、私が聞いたのは…あなた"鯨"って聞いたことある?』


ゾクっとした、なぜか、失ってしまった宝の手掛かりが、本当に絶対的にない筈の、もう諦めたその先の地図に、絶好のバツ印が唐突にぶつかってきた予感がブワッと、鳥肌と共に、私の全身の骨を軋ませるまで抱きしめてくれたような。


「…うん」


『あのね、ごめん、嘘くさい話かと思うかもしれないけど、世界中で"本を喰う鯨"っていう話が噂され始めたの』


「…!!!」


『その、SNSからの話だし、本当に確信はないのだけど、国籍を問わず、多くはないのだけれど、僅かな人達がぽつ、ぽつと。ある日、みんな同日に文字だけの本が読めなくなったらしいの』


「…それはいつなの?」


『2021年3月7日よ』


「私と……私と、全く同じだ……」


『あのさ、この話……!』


「うん、ごめん、私もたぶん今」


『「凄くワクワクしてる』」


退屈で、残酷で、何の為に在るかも分からないこの人間の世界に。


『鯨は確かに本当に居た』


私はその鯨に苛烈な、憎しみの業火を燃やした。

読んでいただきありがとうございました!話の感想及び、共有をしてくださったら嬉しいです。

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