第3話:炎天下で君と
第3話になります。話が進んでいきます。
春は刹那だった、結局私が本を読めなくなった理由はハッキリとはしないまま、いつの間にか汗が垂れる季節となる。
何時かどこかで、夏は逃げ足が早いが、簡単に追い付いてくる。と見たことがある。素敵な言い回しだ。
夏休みに入る前には、私が春に話しかけた女の子とは別に、その子との友達とも仲良くなっていった。
クラスからは変人集団と思われていたかもしれないが、私はあまり気にしなかった。まぁ、思われていたかも分からなかったが。
やっぱり名前が思い出せないので、春に話しかけたことをAと呼ぼう。他の友達は確か…
「あ、わたし仲山 蓮っていうの よろしくね?」
「…僕は水面 優一 、です。」
「あ、わ、わたしは 歩山 凛です」
『…みんな緊張し過ぎよ』
私含めて見た目の性別は、全員女子だ。深くはまだ思い出せない。
部活は…なんだっけな、水面さんが陸上部の助っ人要員だったけど(大会等の補欠)、それ以外の皆んなは漫画研究部で、他に部員もいなかった(Aが仲良しの友達で立ち上げた)。
水面さんも忙しくない時は皆んな集まって、よく漫画を描いてたりしたものだ。
今考えたら、Aの趣味もこれに起因するものだったのだろう。
私は文字だらけの本は相変わらず読めなかったが、漫画を読んだり、少しずつ描いてみたりは始められた。
そして夏休み直前━━
炎天下の眩しい陽を避けるように、喧しい蝉の木の下で、私は1人で居た。
その時にAは私に話し掛けた。
『ごめん、凛。ちょっと聞きたい事があるんだけれど』
「?なに?」
『凛の体験談を元に、漫画を描きたいのだけれど、いいかな?』
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