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ステータスの恩恵

基本月 水 金 更新で頑張っていきます!

俺は真っ暗な場所に一人でポツンと立っていた。


(どこだここ?なんでこんなところにいるのか分からないけど、とりあえず向こうが明るいからそっちに行くか)


明るいほうに歩いていくと段々と近づいてそれが一つの火の玉だと認識した時その火はいきなりこっちに向かって飛んできた。


(危な!へっ?)


確かに俺は避けたはずなのにいつのまにか火の玉は俺の腕に当たっていた。


「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ガバっ!!


「はぁ、はぁ、ここは?ッんそれより腕は!!」


俺は腕を見てみるがそこにはなにもなかった。


(それよりもここはどこだ?どこかの部屋みたいだけど)


俺は部屋を見渡してみるがどこだか分からずなんでこんなところで寝ていたのか思い出そうとして


(そうだ!道元のやつに火の玉を!!)


俺は思い出して、なぜあんな夢を見たのかも理解した。


(あんな目にあったんだ、夢にも見るか)


俺は燃えたはずの腕を見てみるがそこには火傷の痕はなく、いつもの俺の腕があった。


(火魔法なんてあるくらいだから回復魔法やポーションなんかあるんだろう)


そんなことを考えていると


バンっ!


「立花くん!!」


皇さんが勢いよく扉を開けて入ってきた。


「大丈夫ですか!大丈夫じゃないですよね?!あんな叫び声を上げて、一応リリアさんが魔法で治してくれたけどまだどこか痛かったら言ってください!!!」


皇さんは俺の腕をペタペタ触りながら心配してきた。


「ありがとう、皇さん。どこも痛くないよ!叫んじゃったのは怖い夢を見たからだし」


安心させるように皇さんに言うと


「本当ですか?嘘は言ってないですよね」


「本当だよ!俺が皇さんに嘘ついたことある?」


(まぁ、皇さんと話したことあるの数回しかないから嘘もなにもないんだけどね)


そう思いながらも皇さんを安心させるためにそう言った。


「ほら、梨華離れて。立花くんも今がどういう状況か分かってないだろうから説明しないと」


声が聞こえた方に顔を向けると赤城さんが立っていて部屋に入ってきた。その後ろにいた、リリアさん、朱堂くん、加藤くんも入ってきた。


「大丈夫ですか?立花様。一応回復魔法をかけた後念のためポーションも使ったのですが」


「大丈夫ですよ!どこも痛みを感じないし違和感もないです!治してくれてありがとうございます」


俺はリリアさんに頭を下げてお礼を言った。


「いえ、当然のことをしただけですよ」


(リリアさんはいい人だな〜)


「・・・・・・」


皇さんがこっちをジーっと見てることを気づかずにそんなことを考えていた。


「んっんっとりあえずあの後どうなったか説明するね」


赤城さんが咳払いをして場を整えて説明をし始めた。


説明内容は


流石にみんなやりすぎだと思ったのか道元を非難した。

すると、道元は「本当にでるとは思わなかった」と言い俺が起きたら謝ると言ったらしい。


(嘘くせぇ〜、あいつが素直にそんなこと思うわけないだろ)


それでも一旦その場はそういうことにして俺の治療が優先となってその場は一旦解散となり、治療が終わると再度みんな集まって、今後今みたいな事故が起きないよう、早急に自分の力がどんなものか把握する必要があると今日から訓練に入って1週間後にこの国が保有する初心者向けダンジョンに挑むことになったらしい。


「まぁ、説明するとこんなところかな」


「ありがとう。分かりやすかったよ。それで、今日から訓練なんだかよね?」


赤城さんにお礼を言って、今日の予定を聞いた。


「えぇ、そうよ。立花くんも無理のない程度に参加してくれると嬉しいかな」


「分かったよ。ずっと寝てるのもつまらないからね参加するよ」


赤城さんにそう言って俺は用意された服に着替えて廊下で待っててくれたみんなと訓練場に向かった。


「ここが、訓練場なんだ」


感想を呟いていると訓練場の真ん中辺りから誰かがこっちに向かって歩いてきた。


誰かと思ったら道元だった。


俺以外がとっさに俺の前に庇うような位置に立ち警戒していた。


「そんな怖い目で見ないでくれよ。俺はただ謝りにきただけなんだから」


「警戒するのは当たり前です!いくら弱い魔法だったとしても死んでいた可能性はゼロではなかったのですから!」


「悪かったって!ちょっとそこをどいてしっかり謝らせてくれよ!」


「分かりました。ですが、もし不穏な動きをしたら容赦はしませんよ」


道元と皇さんのピリピリとした会話が終わって、俺の前に道元が立った。


「すまねぇ、まさか本当にでるとは思わなかったんだよ!

もうあんなことはしない!約束する!」


「分かったよ。俺も避けれればよかった話だしこの話はこれで終わりにしよう」


これ以上この問題を大きくすると面倒なことになりそうだったので俺は道元の謝罪を受け入れた。


それから訓練が始まり、俺はステータスの数値が絶対であることを知った。


訓練1日目


確実にクラスメイトは日本にいた時にはできなかった動きをしたり、魔法を使ったりしている。

俺はステータスが貧弱なのでとりあえず体力作りからするかになった。

MPは0なので魔法を使うなんて夢のまた夢である。けど、MPは増やせるそうなので諦めるには早いとリリアさんが言っていた。



訓練2日目


今日も俺はひたすら走ったりしている。なんと!今日は木剣を持たせてもらえて素振りをした。

ひたすらそれを繰り返した。

クラスメイトの成長は凄まじいということだけ言っておく。


訓練3日目


走り込みや素振りのほかに瞑想をするとMPを増やせるそうなので休憩の合間にやっている。


訓練4、5日目


昨日と同じことの繰り返し。ここ最近は俺だけ別の場所でやらせてもらってる。クラスメイトと同じ場所にいるとどうしても劣等感を感じてしまうからだ。そして、そんな自分に嫌気がさすという負のループに入りそうだったのでリリアさんにそれとなく事情を説明して分けてもらった。


訓練6日目


体力は初日よりはついて、素振りもやっとまともにできるようなった。MPは一向に増えないが。明後日にはダンジョンに挑むというのにこれで大丈夫なのだろうか?


訓練7日目


昨日と同じことをした。なんの変化もなく、急激な成長をしたわけでもなく。

俺は明日ダンジョンに挑む。

  

その夜、みんなが明日のために早めに寝て英気を養っている時に俺は城の中を歩いていた。


「はぁ〜、明日は確実に足手まといだな。なるべく迷惑をかけないように後ろでひっそりしていよう。そうだよ!俺にはそれがピッタリだ!!」


(自分で言ってて悲しくなってきたな)


ぼーっとしながら歩いていると綺麗な花がたくさん咲いている場所に辿り着いた。


「へ〜!綺麗な花だな」


思わず出た言葉に


「気に入っていただけて嬉しいです」


周りに人はいないと思っていたので返事が返ってきて驚いた。


「うわっ!びっくりした!」


振り返るとリリアさんがいつの間にか後ろに立っていた。


「どうしてここに?」


「夜の散歩をしようとしたら、立花様の後ろ姿が見えたのでどこにいくのかと思いこっそりついていってたんですよ。立花様こそ」


「あ〜その立花様って言うのやめてくれないか。様付けされるほど偉くないし何より恥ずかしい」


「でしたらなんとお呼びすればいいですか?」


「普通に立花って呼び捨てにしてもいいし、祥太って名前で呼んでくれたら助かる」


「分かりました。でしたらこれこらショータさんとお呼びしますね。私のことはリリアと呼び捨てにしてもいいんですよ」


「それは流石にハードルが高いよ」


俺は首を振ると


「ふふっ、ショータさんは私が王女なのに普通に接してくれるのですね」


リリアさんは、うっすらと微笑みながら優しく語りかけてきた。


「もしかして、敬語とか使った方が良かったか?」


「いえ!ぜひ、そのままで!」


リリアさんは勢いよく否定してきた。


「分かったよ。その方がこっちとしても助かる」



「それにしてもショータさんは不思議な方ですね」


リリアさんは唐突にそんなことを言った。


「どうしたんですか?いきなり」


「いえ、私は私の容姿が優れていることを自覚しています」


「はぁ、俺に対する嫌味ですか?」


「違います!普通の男性の方だったら私のことを下品な目で見たり、それこそショータ様のお仲間の男性の方も私のことをそういう目で見てたりするのにショータさんからそれが感じません」


「やっぱりそういう目線には気づいたりするんですね」


「もちろんです。好ましく思ってない男性の方からそのような目を向けられても正直気持ち悪いという思いしか抱けません」


(どんまい!我がクラスの男子達よ!)


そんな悲しい現実を聞いて俺は苦笑いしながら


「あはは、それは彼らが夢を見てるからですよ。リリアさんともしかしたら恋人になれるんじゃないかなっていう夢を。

反対に俺はそんなことない。俺には無理だって思ってます。俺は最初から夢なんて見てないから他の男子達とは違うんだと思うよ」


「そうだとしても、最初からそのような目を向ける方よりショータさんの方が私は好意的に受け止めれます」


「それは無理だと思うよ」


「何故ですか?」


「リリアさんも自分で言ってたけど、すごく可愛いから。俺のような人のほうが少ないよ」


「へっ!?」


リリアさんは驚いた声を上げて固まった。


(俺今真顔でなんて言った!?めちゃくちゃ恥ずかしいことを言ってないか?!)


おそるおそるリリアさんの顔を見てみるとそこにはリンゴのように真っ赤になった顔があった。


(やっぱり言っちゃってる!!でも、どうして言われ慣れてそうなリリアさんそんな顔を赤くしてるの!?とにかく何か言わないと!)


「今のは忘れて!」


「わっわかりました!」


それから、お互い無言になった。


「そうだ!」


リリアさんは空気を変えようと話しかけてきた。


「私少しだけ星詠みができるんですよ!ショータさんのことをみてあげますね!」


そう言ってリリアさんは集中しはじめた。


数分経って、リリアさんは目を開けて顔をこっちに向けた。


リリアさんは、どこか不安そうな表情をしていた。


「ショータさん明日のダンジョン気をつけてください」


「えっそれはどういう?」


「すみません。詳しくはわからないんですけどよくないことがショータさんの身に起こるとしかわからなくて」


「そうですか」


先ほどとは、違う空気が流れて


「不安にさせる結果になってしまって申し訳ございません」


リリアさんは悲しそうな顔をして謝ってきた。


「リリア謝らないでください。事前に少しわかっただけでもありがたいですよ!そっそれに、リリアさんに悲しい顔は似合わないですよ」


俺は恥ずかしい気持ちを抑えて、心から思ってることをリリアさんに伝えた。


「ふふっありがとうございます」


「いえ、どういたしまして」


それから俺はリリアさんと楽しく喋ってからお互いの部屋に戻った。


とある城の一室


そこには、二つの影があった。


「これで本当にあいつを殺せるんだな?」


「えぇ、間違いなく。私は勇者のごくつぶしを排除できて、あなた様は目障りな彼を排除できる。お互いの利害は一致しています。しっかりと頼みますよ」


「分かっている。しっかりとやるさ」


「では、吉報をお待ちしております」


会話がおわると、一つの影は部屋を出ていった。


「ひひっこれで、皇さんは僕のものだ」


そのつぶやきは、誰に聞かれることもなく闇にとけていった。


異世界生活7日目終了


そして、朝を迎え今日、様々な思惑がダンジョンの中で交差する。

すこしでも


面白い!


続きがはやく読みたい


と思っていただけたら評価・ブックマークおねがいします。 


評価・ブックマークしてくれたら嬉しいです。励みになります!!


次回更新1月25日です!

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