ステータス
次から話はもっと進むと思います!
「お…て…く…さい。立花様」
俺を起こそうと誰かが名前を呼んでいる。だが、昨日の夜に皇さんの寝間着姿を見たせいですぐに寝付けず寝不足だった。
「あと、少し寝かせて」
そう言ってまた深い眠りにつこうとしたら耳元で
「昨晩はお楽しみでしたね」
そんな声が聞こえてきて俺は飛び起きた。
「なにもしてないよ!!!」
そう言ってとんでもないことを囁かれたほうをみるとメイドさんが立っていた。
「おはようございます。立花様」
「おはようございますって違う!なんで部屋の中にいるの?!」
「本日から立花様のお世話係になりました。サリヤです」
メイドさん改めサリヤさんはそう言って頭を下げた。
「お世話係?」
「はい、王様の命令で皆様には一人一人にお世話係が着いて日常のサポートをせよとご命令が」
(ここまで待遇がいいと裏があるんじゃないかと疑ってしまうな)
「裏なんてありませんから、ご安心ください」
「?!」
(心の中を読めるのか!)
「ふふっ読めませんよ。立花様が顔に出やすいだけです」
「そんなに分かりやすいですか?」
「はい!分かりやすいです。そんなことよりも」
(俺にとってびっくりした発見をそんなことって)
「早く身支度を整えてください。今日は皆様のステータスを測る大事な日なのですから」
(そうだった!昨日の事ですっかり忘れてた!)
「お着替えを手伝った方がいいですか?」
サリヤさんは俺の服に手をかけようとしてきたところで俺は顔を赤くして
「大丈夫ですから!一人でできます!!」
サリヤさんから距離をとった。
「ふふっ分かりました。それではお部屋の外でお待ちしております」
サリヤさんの笑っている顔を見て揶揄われたと分かって俺はさらに顔を赤くした。
(あんな美人な人に近づかれたら誰でも赤くなるよ!!てか、異世界は綺麗な人しかいないな!)
そんな朝の一悶着があって俺はサリヤさんの案内についていき玉座の間に来ていた。
そこにはすでにクラスメイトが全員揃っていた。
玉座の間に入るとサリヤさんは離れていった。
「それでは、立花様また後ほど」
「案内ありがとうございました」
周りを見渡すとクラスメイトは仲のいい人同士で集まって会話していた。当然俺はその中に入らないので目立たない隅に移動しようとしたら
「おはよう!立花くん!」
俺に朝から挨拶してきたのは誰かと後ろを振り向くと天皇さんがいた。
「おっおはよう。皇さん」
皇さんを見て昨日の夜の姿を思い出してしまい挨拶の言葉がつまってしまった。
「どうしたんですか?顔が少し赤いですよ」
皇さんは俺の顔がより見えるように顔を近づけた。
(近い!近いすぎるよ!皇さん!?)
俺は朝サリヤさんから言われた
≪立花様は顔に出やすいだけですよ≫
と言われたことを思い出して自分の顔がさらに赤くなるのを感じた。
「なんかさらに赤くなりましたね。熱でもあるんじゃないですか?」
皇さんはさらに近づいて
ピトッ
おでことおでこをくっつけた。
「?.dw?w?wるにわ?k」
自分でもよく分からない言葉を発してさらに顔が赤くなった。心の中はもうパニック状態だった。
(やばい!ヤバい!何がやばいって皇さんの可愛い顔が目の前にもうあと少し動けばキスできるんじゃないかっていうぐらい近い!!!ていうかこれ、角度によってはキスしてるように見えるんじゃ?!)
そんなことを考えた時に背筋にいきなり
ゾワッッッ!!
確実に殺気と呼べるようなものがはしった。
俺は一瞬で顔から赤みがぬけて冷静になった。
(これはマズイ!)
そう思った俺はすぐに皇さんの肩を持って俺から離してわざと大きい声で
「皇さん、ありがとね!こんな俺の体調なんか心配してくれて!」
その言葉で幾分か殺気のようなものは弱まったがそれでもいまだに冷や汗は止まらない。
皇さんは俺がいきなり大声を出してびっくりしたのか目を開いて止まっていた。
一刻も早く皇さんをどうにかしないといけないと思った俺は赤城さんに助けてを求めた。
「もう、あのままキスしてくれても良かったのに」
皇さんは何か呟いていたが、声が小さかったのと俺は皇さんを赤城さんにどうにかしてもらうのに必死で聞こえていなかった。
「ほら梨華、立花くんも困ってるから戻るよ」
「玲奈ちゃん、私は立花くんを困らせてなどいません!そうですよね?」
(こっちに聞かれても困るよ!正直に答えるわけにはいかないし!)
そこに、
「皆さま全員集まっていますかな?」
王様たちが入ってきて声をかけてきた。
「ほら、皇さん。王様がきたから元の場所に戻ろう」
(ないすだ!王様!グッドタイミング!ありがとう!)
俺は心の中で俺を言っといた。
「話をはぐらかされた気がしますがまぁいいでしょう。玲奈ちゃん戻ろうか」
そう言って皇さんは赤城さんと一緒に戻っていった。
(ふ〜助かった。赤城さんには後でお礼言っとかないと、それにしても今までの中で一番強烈だったな。ここは日本じゃないんだから、気をつけないと。後ろからグサリは嫌だからな)
「全員集まってます」
朱堂くんが王様に伝えると
「うむ、なら今から皆様にはステータスプレートをお渡しします。それでご自分の能力がどのくらいなのか分かりますし、異世界からきたものはかとても強力なスキルを持っていると我らが神がおっしゃっていたのでそれも確認して戦うか戦わないか決めてくれたらと思います」
みんな王様の言葉を聞いてワクワクした顔をしていた。
そんな俺もワクワクした。高校生ではあるけれど一人の男子としてやっぱり超能力とかそういう力には憧れがあった。
(どんな能力やスキルがあるんだろうな〜弱すぎなければなんでもいいかな〜この世界で生きていけるぐらいの力でいいよ)
考え事をしていると、俺にも銀色の板が渡された。
(これがステータスプレートか)
「それは身分証明にもなるので失くしたらすぐ報告してくれ、新しいのを用意するから」
(日本でいう免許証みたいなものだな。便利なものだ)
みんな恐る恐る指に針を突き立てて血を垂らしている。
(俺も早く垂らして自分のステータスを確認しないと)
血を垂らすと一瞬光ったと思ったら文字が浮かび上がってきた。
そこに書いてあったのは
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立花 祥太 16歳 Lv1
職業 村人
HP10
MP0
ATK 10
VIT 10
INT 10
AGI 10
LUK 00
スキル
EXスキル
固有スキル
称号
異世界人(世界に愛されしもの)現在非表示
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(はっっ!なんだこれ!?Lv1はまだいい。だが職業 村人ってなんだよ!ステータスも雑魚じゃねえかLUKに関しては0が二つならんでいるし!俺はどんだけ不幸体質なんだよ!俺も不幸だーーーー!って叫ぶのか!ふざけんな!!これでなんで称号が世界に愛されしものなんだよ!なにもしてないのに勝手に非表示だし本当は愛されてないだろ!!!!)
俺は叩きつけたくなる衝動を抑えてもう一度見てみるが
(は~見間違いではないか)
俺は落ち込んでいて後ろから近づいてくる存在に気がつかなかった。
いきなり手元からステータスプレートが消えたと思ったら最悪なやつに奪われていた。
「おい!こいつのステータス雑魚だぞ!!!しかも職業 村人ってお前にぴったりだな!スキルも何もないしお前本当に雑魚だなwwwww」
ヤンキーリーダーの言葉を聞いて俺のことを鬱陶しく思ってた奴らはこっちをみて嘲笑っていた。
「調子に乗ってるから」
「いい気分だよ」
(くそっ!全部聞こえてるっつーの。最悪だ、よりにもよって最初にこいつにばれるとは)
「ごめん、ごめんばれちゃった変わりに俺の、ステータス見せてやるよ!!!」
よほどいいステータスだったのだろう。こちらをニヤリと嫌な笑みを見せながらステータスを公開した。
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道本 アツシ 16歳 Lv1
職業 拳闘士
HP200
MP60
ATK 250
VIT 150
INT 70
AGI 100
LUK 15
スキル
火魔法 Lv1 体術 Lv1 威圧 Lv1
EXスキル
魔拳 Lv1
固有スキル
アイアンナックル
称号
異世界人
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「見ろよ!このステータス!能力値もスキルもお前より確実につえーぞ!!!!」
(この世界の平均が分からないが、確実にいえることは俺よりも強いということだ)
俺のステータスがどれだけ雑魚いか分かったのかそこかしこからクスクスと笑い声が聞こえてくる。
「なぁ、このスキルにある火魔法ってよくRPGにあるやつか!」
道本は取り巻き達と興奮気味にスキルについて話していた。
(ていうか、ヤンキーリーダーの名前初めて知ったな)
俺が、どうでもいいことを考えていると道本は何かを思いついたのか悪い笑顔を浮かべてこっちに近づいてきて耳元で
「なぁ、立花ちょっとスキルが本当にでるか試し打ちに付き合ってくれよ!!!!」
(はっ?こいつ今なんていっ)
俺が聞き返そうとしたら
「ファイアーボール!!!!!!!」
道本はあろうことかこちらに向かって魔法を放ってきた。
道本のいきなりの行動、そして本当に人の手から火の球が出てきたことの混乱によって俺はとっさに避けることができず、直撃した。
かろうじて腕を顔の前でガードさせることはできたが直撃した俺の腕は燃えた。
「あ゛っぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
今まで感じたことのない痛みが襲った。
(痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!熱い!熱い!痛い!熱い!)
俺は何とか火を消そうと床を転がりまわったが意味もなく段々と意識が遠くなっていった。
(な・・で、こんな・・ことに)
「たち・・くん!!だ・・じょう・・ですか!!!!!」
意識が落ちる寸前、皇さんの焦った声が聞こえたきがしたが俺はそこで意識を失った。
異世界二日目
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