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向日葵が、咲いている。  作者: 秋軒紅葉
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第一章

小学4年生の時。

初めて恋をしているときに恋を自覚した。小さい頃から何十種類も何百回も読んだことがある恋愛マンガ。

なのに、今までこんな気持ち予想もつかなかったと、自分で自分を嘲笑った。

しかし、実際恋をしているときはそんなことも思わない。恋をしていると、どこかしら恋という大きな光に照らされて見えなくなっている繊細な感情が見えなくなってしまうからだ。夜の何千万ともの星が太陽というたった1つの星のせいでで隠れてしまうように。


ことの発端は夏休み前の席替えだった。小学生の頃は男女ペアで席をくっつけて列になっていた。くじ引きで引いた番号は3。廊下側の席だった。隣になった男子は今年初めて同じクラスになった、まだ会話もそんなにしたことのない人だった。

「よろしくお願いします。」

小声でボソボソつぶやく私の隣に来て彼は

「俺、佐々木修平。よろしくね!!」

ヒマワリのような笑顔でそう答えてくれた。

 席替えをしてから一週間後、夏休みまで2週間が立った。

その日の帰り道、友達の結月から彼のことを尋ねると修平は学年でトップ3に入るくらいモテるのだそうだ。それはそうだろうと思った。あの笑顔を見たら女子が惚れるのにも異議はない。

なんて人と隣になってしまったんだろうと思った。


席替えをしてから、つまり修平と隣になってから一週間がたった。そして夏休みまでもあと1週間。

給食の時間になり机を動かそうとしたとき、切れたあとがある結ってある紐が落ちていた。私はそれを拾い上げると、隣にいた修平が言った。

「あ、それ僕の。足につけてたミサンガが切れたんだ。」

私は修平に渡した。当時学校ではミサンガが流行っていた。

「ミサンガきれたから願いが叶うかなぁ。新しいミサンガ欲しいな」

と彼は独り言のようにぼやいた。

 私は家に帰るとランドセルをリビングにほおりこみ、裁縫箱から刺繍糸を取り出した。クリップボードを取り出し黄色、茶色、オレンジの糸を取り出し編んでいく。ミサンガを編むの母親と一緒に作ったのが最後だから...1年も前だ。

最初は慣れなかったが、無我夢中になってに編んだでいく。

もう一回あの笑顔を私のために見せてほしい。

あのヒマワリのような笑顔を,,.

 次の日の朝、学校にスキップをしながら登校した。しかし、いざ学校につき、修平と会うといつどうやってミサンガを渡せばいいのかわからない。ずっと考えているうちに放課後になった。次々と教室から皆が出ていく。修平も友達のもとへいこうとしていた。

「あ....修平.....」

私は肩を叩いて呼び止めた

「これ、ミサンガ、アゲル、ホシイッテ」

随分カタコトな言葉だ。

「え、俺もらっていいの?ミサンガ欲しかったんだ!ありがとう。」

その時、見れた。彼のあのヒマワリのような笑顔が。

私はフワフワした気持ちを抱えながら結月と家に帰っていた。

「なんでそんなにごきげんなのよ〜」

結月がニマニマしながら尋ねる。

「ミサンガあげたから。」

結月も聞き取れるかわからないほど小さな声で言った。

「それって〜コイなんじゃない??」

私の脳内がフリーズした。

鯉 故意 コイ Koi????違う違うそんなんじゃなーーーーーい!!!

「晴海は顔に出やすいからすぐにわかるよ(笑)」

結月が笑いながら言った。

絶対そんなんじゃないのに。私はただ、あの笑顔がみたいって思っただけ。そんなんじゃないのに....




そんなんだった。寝たらわかった。これが、恋なんだ。あの人の顔が忘れられない。もう一度見たい。もっとあなたを知りたい。

 次の日の朝から修平にあったら目があわせられなくなった。昨日と状況は変わらないのに、修平が隣にいるだけでドキドキする。話しかけられても最初にこぼすのはヒェッっという変な声。大丈夫?と修平も声をかけてくるぐらいだった。



あーだこーだするうちに、あっという間に夏休みに入ってしまった。

8月4日、学校で開催される地区の祭りがある。私は今年も結月と回ることにしていた。祭りが始まる前、結月の家に遊びに行った。

「んで、結局認めたのね。自分の気持ち」

結月の部屋に来るなり言われた。

違うって自分に言い聞かせたけど、無理だった。

私は隣にあったハリネズミのクッションを抱きかかえる。

「違うけど..そう...」

結月はどっちなんよとプスッと笑って私の隣に座った。

「面白いね。晴海は。」

??どこが面白いの??私は隣の結月の顔を見つめた。

「そういうところだよ。今、何で??ってすごい顔してた」

結月と目があい見つめ合う。プハッ。二人一緒にふきだした。

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