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アブソリュート・トラッシュ  作者: 三篠森・N
第3章 絶対零度
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第7話 燈籠

「えっふ、どうしました燈さん?」


「うん、ちょっとペットの具合が悪いみたいなんですぅ。近所の悪い子供とそのお兄さんにイタズラされて」


「合宿はやめましょう。秩父の川で日帰りバーベキューにしましょう。それなら燈さんの親御さんも安心出来ましょうて。望月さんも来ますし、燈さんは気楽に来てくださいよ。道具も食料も先輩たちが用意しますから! それに望月さんの家はお金持ちです。お父様がゴルフの景品で天体望遠鏡を貰ってきたっていう逸話もある程です」


「ホントー? 川でバーベキューなんて興奮しちゃう! 望月さんも来てくれるなら背中に日焼け止め塗ってもらえるもん!」


「えっふ……」


「あ、でもわたし、望月さんより色気がないから……」


 燈は眉間に皺をよせ、スマホを鞄にしまう。っていうか燈さんー!? いつの間に下の名前呼びに?

 そしてわたしが燈攻略のコマ扱いにー!? なんてことだ。鼎はいい姫ではなかった。女っけのないオタサーをいい気にさせて妥協させられる程度の器量と愛嬌があったが、新たな姫のためにコマにされるほど無碍に扱われるのはあんまりだぁー。

 なんでわたしまで燈攻略のために金を出す空気に? 内輪ネタでツッコミ待ちだとしても今のギスギス関係ってボケていい場面じゃないだろう。そういうところだよ! 個人の姫を持てない理由! しかも川!? ちゃっかりと女子を水遊びさせようとしていないか!?

 いちいち白々(シラジラ)しく嫌味(イヤミ)()いやがって(クソ)餓鬼(ガキ)がァー! もうオタサーは自分への興味なんてない。全部燈に持っていかれているのに。




 〇




 決死の戦いを終えたフジはユキ、頑馬、カイから隠れるように地球人の姿に戻り、コンビニの喫煙所でタバコに火をつけた。XYZのショルダータックルを一発食らって左の腕と肩にダメージを負った。打撲か捻挫か。今すぐにユキの治癒が必要な状態ではないが、殴り合って敵をわかったり何かを得ることにあまり価値を感じないフジのモチベーションを下げるには十分なダメージだ。カイがいてもユキには弟が必要だ。でも地球を守る戦士アブソリュート・アッシュは必要ない。地球には! オレオレ詐欺や闇カジノ程度の雑魚しかいないって聞いていたし! その程度なら今までは和泉がどうにかしていたし、アッシュに変身する必要なんてないはずだった。アブソリュートとしてのフジとACIDとしての和泉、二人の仕事の比率が1:9だったから二人の仲はちょうどよかった。父アブソリュートミリオンの七光りで気楽にチヤホヤライフを送れるはずだったのに……。大好きで、憧れていたはずの姉のようにはなれない。だからこそ姉といい距離を保てる地球に来たのに、今の地球はジェイドを必要としている。


「メロン」


「どうしたの? フジくん」


「お前はどうやってゴア族を捨てられた?」


「……」


 メロンは自我が不完全だった。フジのようなモラトリアムではなく、記憶の改造によるアイデンティティの作為的な破壊。ユキの救いでそれまで疑問を持たなかったゴア族の行動を省み、彼女なりの罪滅ぼしを行った。メロンの罪滅ぼしと恩返しはユキへの忠誠だけではない。ユキ、フジ、鼎、和泉のように手が届く人々への献身、自分を必要としてくれる人々への助力。ユキ、フジ、鼎、和泉の四人は今、それぞれ違う目的でメロンを必要としている。ユキは正義と平和への戦いを、フジはモラトリアムを、鼎は侵略された城と民と自尊心の奪還を、和泉は非力による歯がゆさからの脱出を……。どの志もメロンは否定できない。全員の力になりたいが……。


「メロン?」


「ええ、大丈夫よ」


 千葉県内某所。ユキ、カイ、頑馬の三人にメロンをくわえた異星人の集まりはファミレスで先の戦闘の振り返りと今後の方針を固めるために簡易ミーティングを行っていた。異常に目力の強い一五三センチの少女と、まだあどけなさの残る一七七センチの少年、そしてアスリートか役者じゃなければあり得ないって量の筋肉の一九一センチのコワモテ。このコワモテさえいなければ夏休みの高校生カップルに見えなくもないのに。少年少女がファミレスに来ているところを邪魔する一九一センチのマッチョ。なんて野暮なんだ!


「頑馬、さっきは本当に助かった。あなたがいなかったら負けていた。完全にわたしのミスよ」


「お前らしくもねぇ。だがXYZってのはあんなもんじゃないだろう?」


「様子がおかしかった。頑馬がいくら強くなっていたとしてもあんなに一方的になるはずじゃないわ。わたしは今回のXYZとは戦っていないから断言は出来ないけど、わたしが倒した時のXYZが百パーセントだとしたら、さっきのはおそらく五パーセント程度の力しかない」


 あれで五パーセント……。あれで五パーセントのXYZも恐ろしいが百パーセントのXYZを倒したジェイドもヤバい。目の前のメロンソーダがシュワシュワと消滅していく様を眺めながら、師匠の強さを想像してみる。自分とアッシュじゃ全く歯が立たなかったさっきの五パーセントXYZの百パーセントを倒したジェイド。いつか追いつけるのだろうか?

 追いつける? そんなことを考えることが出来るのは“ジェイド”を知らないカイと、成長の手ごたえを感じる頑馬だけだろう。だからこそジェイドの弟子になれたのだが……。

 少しはやれる気がしていた。だが実際に目の前にして、アッシュが簡単にブッ飛ばされてからは足が竦んでしまった。


「あのXYZは傀儡だった。誰か黒幕がいて、XYZを操作している。どこかにXYZを隠し、組織で動いているはず。以前にカイと戦ったあの巫女もいるし、痕跡すら残さずにXYZを隠せる組織。おそらく黒幕はゴア族で、それも空間操作能力を持つ選ばれしゴア族の可能性が高い」


「……」


 メロンはゴア族の主流派の頂点である族長・外庭数の元で最高幹部と呼ばれていた。実際は若手を束ねるためのお飾りの幹部であり、ゴア族の機密情報なんてほとんど知らなかった。本当にいいように使われていたパシリだ。むしろ今、自分の意思でユキやフジのサポート(無料)をしているほうがやりがいを感じられる。

 頑馬の部下にはマートンというゴア族がいた。マートンはエリート戦士でゴア族カンフーの達人だったが、出世や支配階級とは無縁だったので空間操作を始め超能力は持たない。


「つまり敵は大勢いる?」


「そういうことね。カイにはまだ難しいけど、あの狼の仮面の巫女くらいには一人で勝てるようになってもらいたいわ。まだまだ教えることも伸び代もある。戦う頑馬を見てあなたの中に新たに目覚めたものもあるでしょう」


「次は勝てる」


 カイは不敵にニヤリと笑った。アッシュと共闘して得意ジャンルと技を伸ばす戦いを知った。レイの戦いを間近に見て好きなスタイルを極めることと純粋な力の可能性を見た。どのルートにもユキは導いてくれる。未熟だからこそ描ける自分の未来には笑わずにはいられなかった。モチベーションがガンガン上がる! アッシュさんも強かったがレイさんはもっと強かった。そしてユキが変身するジェイドはもっと強い!? 二人の先輩と一人の師匠が見せてくれたAトリガーで見た記憶とは違う生の体験は、少年ならではの夢見がちで無鉄砲な好奇心を刺激する。


「ゴア族が一人や二人で動くとは思えないな。俺もしばらく地球にいよう」


「ええ、助かる。カイが勝てそうにない相手なら、頑馬と敵の二人をジェイドリウムに入れる方法でも十分なら持つ」


「だがそこを待ち伏せされて二の矢、三の矢を撃たれると変身出来ないお前とカイでどうにかしなきゃいけなくなる。短い時間でジェイドリウムに何万人も避難させるのは現実的じゃないってわかったろ。メッセもジェイドを狙うならジェイドリウムを使うタイミングを狙い撃ちっていう作戦を立てていた」


「……」


「だがそれでも曲げないのがお前の強さだろう?」


 若鶏の唐揚げを口に放り込み、コーラの炭酸で弾けさせてジャンクな化学反応を起こす。だいぶ自分も変わってしまったな。自分はトガっていた自分を捨てて強さを手に入れた。なのに曲げない強さをジェイドに見るのか……。曲げてほしくないのか。


「兵隊が足りねえ。俺、ユキ、カイ、それにメロン? あとはミリオンスーツのあいつか。足りない。提案がある」


「言ってみて」


「拘留されているバースとメッセのどちらか、もしくは両方を必要な時にシャバに出す。法的な手続きややつらを信頼することも簡単ではないだろうが、バースの強さはアッシュより上だ。そしてメッセの頭脳は役に立つ。メロンって言ったか。あいつが分身を使って情報収集出来るなら、メロンが集めた情報を処理する頭脳としてはメッセ以上の適任はいない」


「バースにメッセね。戦力としては申し分ない」


 メロン×メッセ! かつて八つのオーのカメラから収集していた情報を分身メロン二千の視点から。分身メロンはオーのカメラと違って建物内にも潜入・潜伏出来、行動範囲も隠密性も優れている。メロンが集めた情報をメッセが処理し、作戦を立ててテレパシーで配信する。しかもメロンはそのテレパシーの仲介役にもなれる。お互いの長所を活かしあう最高の組み合わせだ。


「バースにはなぁ。与えてやりたいんだ。アッシュに負けちまったバースにもう一度チャンスを与えてやって欲しい。あいつが今の俺を認めてくれるかわからねぇけどな。メッセの方は心配ない。あいつは楽しそうなことなら手を貸してくれる。やはりバースだ。本当はバースに挽回のチャンスを与えたいんじゃなくて、変わった俺を見てもらいたい、そして認めてもらいたいんだろうな。今の俺をあいつに認めてもらうのは、ユキ、お前に認められる以上に難しいことだろう」


 ……。生死を賭けた戦いを幾度も超えた戦士との経験の差か、それとも直接激突もあった二人だからか、双子の兄妹だからか。ユキと頑馬の会話に割って入るのは人生経験豊富なメロンにも無鉄砲なカイにも簡単なことではなかった。カイには二人がサラッとアッシュを戦力外にしていることが不自然に思えた。二人にしかわからない領域の話なのだろうか?

 フジの相談相手であるメロンには、ユキと頑馬の前提は不思議ではない。二人は弟のことをわかっていると合点がいく。しかも人見知りなメロンはメッセがシャバに出た後に上手くやれるかどうかという自分自身の問題もいきなり浮上した。


「とりあえずメッセの方だけでもどうにかしてくれれば、メッセとメロンで敵は探っていざとなったら俺がどうにかする。カイを鍛える余裕はたっぷりあるぞ」


「ええ。カイも貴重な戦力よ。これを見て、カイ」


 ユキがファミレスのテーブルの中央にスマホを滑らせた。猫、景色、アニメ、加工した自撮り、様々なアイコンが短いメッセージをネット上に放出している。


『アブソリュート・ジェイドが助けてくれた!』

『戦ってくれたアブソリュートの戦士に感謝』

『彼らはまた我々を守ってくれる』


「いい意見だけとは限らないけどね。あなたとカケルはちゃんと仕事をした」


「ありがとう」




 〇




「おいしっ! ロードの作ったおはぎ美味しいね。このおはぎ、(ミナゴロシ)っていうらしいよ。もっと餅米を残すのは半殺しなんだって。ロードは鏖が好きなんだってよ」


 ヒトミとイツキはたった二人で異次元のとしまえんでロードの作ったおはぎを頬張る。店で出せるくらいのクオリティだ。ロードは本当によく働く。自ら敵陣? に乗り込んで色仕掛けも行うし、部下に手作りのお菓子を配ったり、フォローも欠かさない。等身大で身近にロードを感じさせる。一緒にやってくれるアットホームな職場だ。ヒトミは趣味のコスプレ出勤、イツキは趣味の書道の練習を職場でやっても怒られないし、むしろロードはヒトミのコスやイツキの書を褒めてくれるし、「今週の目標」の清書をイツキに頼んで、出来上がったものを壁に飾ってくれる。やる気出るぅ。

 そして何より、自分も体を張るところだ。やる気引き出すぅ。得意料理はおはぎだが優れたモチベーターだ。


「ロードは本当に働きものです」


 犬養樹は変わった子供だった。

 いろんなことの意味や理由が分からない子だった。

 紅葉はなぜ美しいのか。月はなぜいつまでも眺めていたくなるのか。母の愛はなぜ安心できるのか。父と遊ぶとなぜ楽しいのか。その意味や理由を考えると気が遠くなった。普段はそんなことを考えないのに、一人でいるときや布団に入って眠る準備をしたとき、そういうことについて考えて気が遠くなると気持ちが冷めて、考えるのを諦めてしまった。考えたところでわかる程自分は賢くないと思っていたからだ。

 しかしそれでも紅葉は美しいし月は眺めていたいし母は優しいし父は楽しい。そう感じている、その間は。要は趣というものが理解出来なかったのだ。故に書道家である父の文字も水墨画家の母の絵も、観たその時は美しいと感じても何が良いのかを考えるとわからなかった。思い出や記憶の処理が苦手だったのだ。

 小学生の時に、家族で東京ドームに野球を観に行ったことがあった。そこでイツキは変わった。ビールの売り子のお姉さんに心打たれたのだ。美しく逞しい笑顔。ああなりたい。それまで何を考えて過ごしたらいいのかわからなかった故に何もしなかったイツキには何をすればいいか分かった。東京ドームの売り子という具体的な存在を知り、その日からそれになることを考えることが出来るようになった。

 次の日からイツキは特訓を開始した。ランドセルに詰めるだけの全ての教材を積んで登校し、放課後は石を詰めたカバンを背負って近所の神社の長い長い階段を何回も上り下りし、強靭な下半身を手に入れた。球場のビールの売り子になれるくらいの美貌にも恵まれた。しかし絶望的に無口でコミュニケーション能力と愛嬌がなかった。


 イツキ、十八歳の春。大学に進学したイツキは人並みに「先輩」に片想いをした。

 「ビールの売り子」と「先輩」。イツキの中にはこの二つが、どれほど遠くにあっても考え続けたいものになった。一人だと気が遠くなるような思考の果てへの旅がどれだけ辛く遠くても、この先輩となら一緒にどこまででも行けるし辛くない。

 そしてイツキはいつも大学で先輩を探し、時折彼を見つけたが何もすることは出来なかった。次第に彼は大学に来なくなり、イツキはひたすらビールの売り子になるための足腰の修行に熱を入れた。

 そして自身が、とある存在によって仕組まれた「人間ではない何か」であることを「人間ではない何か」によって知らされ、武器を与えられ、同じように人間の世界で育った「人間ではない何か」の友人を与えられたとき、イツキはもうどうでもよくなってしまった。ビールの売り子になるために鍛えた体は別の用途に使うことになり夢は潰えた。人間ではないものは人間の職業には就けないのだ。しかし彼女はやはり自分は人間なのではないか、と深く考えて溺れてしまいそうになることがあった。

 自分が人間ではないとしても、人間と同じ仕組みの心は、同じく人間ではない何かであるロードが使命を与えて救ったのだ。

 もう何もいらない。何も欲しくない。ロードから与えられた使命だけ欲しいし、それだけあればいい。ロードはおはぎや遊園地、友人の趣も教えてくれた。同じく「人間ではない何か」であるヒトミは人生で唯一の友人だ。ヒトミのように明るくはなれないが……。

 その「人間ではない何か」。ゴア族族長外庭数による“托卵ゴア族計画”の被検体だったことは、結果的にロードとヒトミに出会いに繋がったので折り合いはつけられる。だが托卵ゴア族としての特異体質が超身体能力だったのだとしたら……。自分が鍛えて手に入れた強靭な足腰は、先天的なものだったというのだろうか? 自分が托卵ゴア族だと知ったのはたった三か月前。それまでにビールの売り子になるために苦しい努力をしたことは断言出来る。故にイツキは自分が持つ托卵ゴア族の特異体質を知るのが怖く、拒んでいた。この足腰こそが自分が人間である証拠だと感じていたのだ。


「王手かけた」


 燈が開発したトーチランド専用SNSの燈のアンニュイな自撮りにコメントがつく。その自撮りの端っこにはあの元オタサーの姫、鼎が映り込んでいる。鼎もまた、スマホとにらめっこをしている。鼎がスマホに打ち込んでいたのはこうだ。


「うちのサークルがバーベキューやるみたいなんだけど、あんたも来る?」


 千葉からブラブラと電車を乗り継いでいたフジはしばし考え込んで慎重に言葉を選んだ。鼎はまだ入学もしていないガキにサークルを乗っ取られそうだと言っていた。鼎はサークルで自己肯定感を養っていたはずだ。その維持が難しくなったのは聞いた話から察していたが、男を連れて行って何もかもブチ壊すつもりか? 自分が今までに築き上げた“オタサーの姫”を完全に捨てるつもりなのか? 不義理なんじゃないのか。今まではよくしてもらったんだろう。その時間まで否定するのではなく、発つ鳥跡を濁さずでいいんじゃないか? それとも屈辱を受けた鼎のプライドを重視すべきか?


「フッ、このアブソリュート・トラッシュ様が随分真面目になっちまったな。こんなのに負けたんじゃバースも浮かばれねぇぜ」


 ゴア族を捨てられたメロン。

 アブソリュートを捨てたいフジ。

 オタサーを捨てるつもりの鼎。


「ちょっと考えさせてくれ」

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