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とある医学部受験生の末路  作者: この世の果てで
プロローグ
2/8

死後の世界

床に衝突してからあれから一体どれくらい時間がたっただろうか


相変わらず体に力が入らない


俺、死んだのか?






すると、真っ暗なところから一人の女性がやってきた

その容姿は女神というべき大変麗しいものであった


生まれてこの方こんなに美しい女性を俺は見たことがなかった



「あなたは現世との契約が満了したのでつい先ほど死にました」


は?






何言ってんだこいつは...


どうせこれも夢だろう


「あなたはこれは夢だよ思っているようですが、違います。あなたも知るようにあなたは死ぬ前に夢を見たはずです」


「あれはあなたの深層心理の声そのものなのです」


「あなたは四半世紀現世で生命活動をされてましたが、残念ながら人としての規範を放棄したところが契約違反に引っかかりました」


「なので天界条項に従い、あなたの魂を抜き取らせていただきました」





なーにが抜き取らせていただきましただ


...不思議と嫌に気にならない

やっと現世の悶々とした苦しみから抜け出せたと思うと清々する


俺はただこのまま、はいそうですかと死を認めるのは些かどうかと思う

家族にも何にも言わずに死んじゃうんだもんな

俺が死んだことに気づくのはいったい何か月後なのだろうな

初めはLINEの既読が全くつかないことに疑問を抱き、それから電話をかけるも一向にでない。

バイト先のコンビニにも電話をかけるも無断欠勤が続き解雇しましたと言われ、

3か月で異変に気付き父か母のどちらかがこっちに来るだろう


家には鍵がついており、不動産に合鍵をもらい部屋に入り俺の死体に気づく

おそらくは気が動転して慌てふためく



部屋を捜索しているとラブドールと女性用下着、大学受験用の参考書が目につき自分の息子はいったい何をやっているんだと

呆れる



ふむ、死んでその後一生対面することもなければ話すこともないと知っても後顧の憂いがなんとも胸を気持ちの悪いものにして今う



仕方ない。俺は死んだんだ

どうすることもできまい





「ああそう。そんでこれから俺をどうする気だ?」


「はい、あなたの魂にこびり付いている記憶をすべて消去して異世界に転生させるとしましょう」


「それだと、俺は俺でなくなるわけっていうことか」


「人間の基準ではそうでしょうが、天界基準だと魂が同じであれば記憶が違おうとも同一個体として認識しています」


「まぁいい、どうせ現世にいいことなんて一つもなかったんだからな。その異世界とやらで多少は人らしく生きられるならそれでいい」


「では、本人の了承も得ましたことなので、あなたを転生させます」




女神がそういったところで回りの真っ暗な空間に魔法陣のようなものが柱上に浮かび上がり俺を包み込んでいく


おれは無重力を感じながらこれまでの人生に区切りをつけるため意識を鎮める



「さようなら。お母さん」


大事な人なんていないと思っていたがなぜだかそう言いたくなった


俺ってほんと不器用な人間だな










ーーーーーーーーーーーー意識が途絶えるーーーーーーーーーーーーーーー

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