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第1章

10年後


空がうっすら暗くなってきた頃仕事も終わりでゆっくり彼女とデートにでもいこうかと思っていたオレは、なぜか妹の弥生と一緒に藤川かすみという人のピアノのリバイタルに来ていた。妹の目当ては藤川かすみではなく、前座を努める木下祐だ。妹は楽器屋でバイトをしていた。むろんなにかを器用にこなせるなどという芸当は全くもっていない。とにかく妹はバイト先で彼に出会い付き合いだしたのだった。そして今日、終了後にオレは彼を紹介される予定になっていた。

「兄さん、お願いだから彼のこと気に入らないなんていわないでね」

彼の楽屋に向かう途中に妹に釘をさされた…

「お前が好きになった相手だ。犯罪者でもないかぎり反対はしないって」

そういったオレに納得してない様子の妹。

「心配するな。一発殴ったら勘弁してやるから」

オレの言葉に対してきぃっと睨みつける。

「冗談だよ」

焦るオレ

「いーぃっ!!彼に変なこと言ったり手をだしたりしないでよっ!!」

どこまでオレは信用がないのだろうか・・・弥生は木下祐の楽屋前で改めて釘をさされる。

「だっっっ誰かきてくれっ」

どこからか頼りない声が聞こえてきた。弥生にも聞こえたらしく、いってきて。と目で言っているのがわかりオレは声の元へと向かった。

「どうかしましたか?」

声はトイレからだった。男子トイレの中に入ると一人の男が腰を抜かしていた。声の主だ。

「大丈夫ですか?救急車呼びますか??」

他に駆け付けてきた人がゆっくりと手をさしのべ言った。

「いやまて、悪いが先に警察を呼んでくれ。あと警備員にいまこの舞台裏にいるやつをだれもだすなと連絡しろっ!至急だっ!」

今日は厄日か?17の時に両親を亡くし、9年間一生懸命育てた妹の婚約者を紹介され…いや、まだされていないが…しまいには、こんなところで事件に巻き込まれるとは・・・

トイレの個室には、真っ赤なドレスを来た血まみれの女性がナイフの刺さった状態で見つかった。


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