作戦会議
「じゃあ、まず自己紹介しよっか」
琥珀が仕切り、作戦会議(?)が始まった。
「雨宮琥珀、中学3年。」
「瀬戸悠莉、中学3年。琥珀のクラスメイトです」「桧山碧、高校1年」
「有村直人、中学3年」
「石崎陽咲、高校2年」
「一ノ瀬京華、中学3年です」
よろしくー。皆の声が上がった。
琥珀が捕捉説明をする。
琥珀、悠莉、直人、京華はクラスメイトである。
陽咲と悠莉はいとこ。
碧は陽咲の友達。
「碧先輩、ですよね?」
碧は通っているピアノ教室の先生の息子である。
「せやせや、久しぶりやな京ちゃん!」
碧は、父親の単身赴任と一緒に暫く関西に住んでいたので、がっつり関西弁だ。
「あと、ハンドルネーム?活動名きめよ」
か、活動名?
頭の中がはてなで埋め尽くされた。口を開こうとしたとき私の向かい側に座っている直人が口を開いた。
「ハンドルネーム?」
「そうそう。本名でやってる人もいるけど、リアルとネットでちがう名前でやってる人がおおいかな」
「ふーん…」
碧が持ってきた八ツ橋をつまみ、じっと見つめる。
「じゃあ俺八ツ橋でいいや、ここにあったから」
…。皆、目が点。そういう決め方があるんだ。
「わ、私はこーぱる。
琥珀を英語でコーパルって言うんだって」琥珀がその場を仕切り直すべく、大きな声で言った。
「僕は、ぷりんでいいかな、すきだし」悠莉が琥珀に続く。彼女は僕っ娘である。
「俺は…シルクでええかな。昔おった猫がシルクやってん」碧が間髪いれずにきめた。
「…京華、ちゃんどうする?」「…わ私ですか…」
決められないふたりはみんなに見つめられ、かたまる。
「じゃあ、私は響で。きょうとも読むし」
私がつげる。陽咲ははっとして
「僕は咲玖にしよう!咲からとって!」
みんなの活動名が無事きまった。
しかし、ここに来るまでにすでに二時間経過。
「腹減ったな…」
碧が呟いたので、
「あ、私が何かつくります」
え、いいよ!
そんな声があがったが、元々そのつもりで店によんだのだ。皆金欠ならこうするしかないっ!
「大丈夫ですよ、何か嫌いな物がある人はいますか?」
皆が嬉しいような恥ずかしいような、そんな顔していたが、
「「「「「ないですっ」」」」」
きれいに声がそろった。
15分ほどして、
「できました、炒飯と卵スープです!」
うわぁぁっ。
皆の顔がきらきらしていて、なんとも誇らしい。
「「「「「いただきますっ」」」」」
皆が美味しそうに食べてくれてる。
「ご馳走さまぁー」
わざわざお皿を厨房までさげにきてくれた。
「洗いものとかあったら手伝うよ?」
琥珀がきてくれたが、
「こいつがやってくれるから」
どや顔しながら食洗機を叩いた。