活動開始まであと一歩
とりあえず家にきた琥珀に、部屋を案内して私は店に飲み物を取りにいった。家は、小さいがなかなか人気のある中華料理屋である。
いつものように裏から店に入ると母、父、バイトの彩葉さんが料理していた。友達きてるから、というと彩葉さんがジュースをコップに注いでくれた。
部屋に戻ると琥珀はスマホを片手に何やらノートに書き出していた。
ジュースを飲みながらあそこのカフェ閉店3:00とか早すぎ、とか話をする。
書き出しが終わったらしくノートを差し出してグループの事の説明をはじめた。
「ネットで出会ったわけじゃないんだよ。ほら」
見ると、クラスメイトや同じ部活のこの名前もあった。
グループのメンバーは6人。
4人中学3年、2人高校1年。
男女3人ずつ。
そんな話を聞いていると母さんが杏仁豆腐を持ってきた。
「家で店をやってるっていいね。バイトとかも楽々じゃん」
琥珀が言うと母さんは
「あら、雨宮さんも家でバイトしてくれるの?
高校生になったら待ってるわよー」
なんて嬉しそうだ。
2時間程話したりゲームをして、ふと外を見るともう薄暗くなっていた。そろそろ帰ろうかな、と琥珀が立ち上がる。
LINEを交換し、じゃあLINEするね、と帰っていった。
夕食を食べおえ、スマホをみるとLINEが来ていた。
"今日はありがと(*^^*)
明日暇?顔合わせとかしようかなって思うんだけど
今日のカフェでいいかな?金欠だしww"
早いな、と思った。
こんなに行動力ある人とは思っていなかった。
幸い明日は暇なので、いこうかな。返事を打っていたが、良いことを考えたかもしれない。母さんに話をし、許可をもらった。
返事を送信。きっと喜んでくれるだろう。
翌日。
「一ノ瀬さんおはよー!ありがとう!本当に助かった!」
5人が家にきた。
家は土曜日は休みだ。
金欠ならば、家でいい。
初対面の人を部屋にいれるのは抵抗があるが、店ならいいじゃない。
そう思った私は、母さんに話をし、許可をもらったのだ。
母さんと父さんは家にいると言うので、心起きなく話ができる。
ジュースを飲みながら自己紹介をはじめた。