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第二話

第二章


その後、私はジョンと話したが覚えていない。裏切られた気持ちで胸が一杯になり目の奥からジワリと涙が溢れてきたのは覚えている。


もう何も考えられなかった。とにかくこの場所から離れたく、ベッドから立ち上がると、走って自分の寮に戻った。部屋のドアの前でルームメイトが居る事を思い出し、引き返す事にした。


夜の空は真っ暗で、それが救いでもあった。誰からも泣き崩れた私の顔を見られないだろう。


私はあてもなく外を歩き出した。歩きながらジョンとの事を思い返す、私が悪かったのかもしれないし、酷い事をしたのかもと、考えを巡らせた。再びすがすがしい風が私を冷静にさせてくれた。

いつのまにか涙も止り、胸の奥がスゥーとする。キャンパスを包む闇が大きい事ってなんの。

体中に闇が入り込み、それと一体になると体中から力がみなぎってくる。

「ヘイ、サイコ!」

誰かが私を呼んだ。経済のクラスで一緒のウィリアムだ。

時折、パーティーで挨拶をするぐらいの仲だ。その声には不思議な要素があった気がした。


私は、てくてくとその声の元に歩いて行く。ウィリアムとマット、そしてタイランドが煙草を吸っていた。ウィリアムはサイコの顔を窺うと

「これいる?」

と、マリファナシュガレットを差し出してきた。

私はこのキャンパスでは沢山の人がこれを吸っている事を知っていた。

転落の道であると同時に解放の誘いでもある事を。


時々、図書館とかでたまに見かける、ずっと甲高い声でげらげらと笑い続けるグループがそれを使っている常習犯だ。私が図書館の片隅で試験勉強をしている時、彼らの言葉から「ドラッグ」という言葉が度々出る事からもなんとなく分かる。


私は改めてそのモノを見て、それを手に取った。

アメリエン!

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