1話
やっぱり、学校の話を書くのは大変ですね。
「はぁ〜。」
桜の花びらがひらひら落ちる中俺はため息をつきながら歩いていた。
周りでは、友達なのか、はたまた新しく仲良くなったのか、会話が聞こえてくる。
俺にも友達はいるが、残念ながら自分の近くにはいない。
周りに知らない人ばかりと、ふと不安になってくる。
よく、第一印象は大事だと聞くし、今の自分の格好は大丈夫か? と心配になる。
次に、持ち物をしっかり持って来ているかも心配になってしまう。
新学期早々忘れ物をしてしまうと、周りには悪い印象を与えてしまう。
はぁ、今日はもう朝から憂鬱な気分だ。
昨日に戻ってはくれないだろうか? 無理なのはわかっているが、こんなことを思ってしまうのは誰もが一緒なのではないか? いや、新しいクラスや友達を楽しみしている人達は少なからずいるだろう。
俺はその人達みたいに人に話しかけようとは思えない。
俺もその人達みたいな性格ならば人生を楽しめるのだろうか? ふと、そんなことを思ってしまう。
笑いのツボが浅い人はそれだけで得をしているようで、俺からしたら少し羨ましいと思ってしまう。
だけれど、そんな叶わないことを願ってもなにも変わらない。
それに、俺は知らない人に話しかけようとは思わないが、話しかけることはできる。
しかし、そのときに何を言えばいいか迷って、結果話しかけずに終わるだけだ。
俺はあまりニュースやテレビを観ないため、共通の話題を出しづらい。
だから話せずに終わるだけで、決して、決してコミュ障というわけではない。
そう、決してだ。
俺は長い長い校長の話を聞き終え、やっとかと気持ちで列についていく。
担任は結構若そうな、身長160センチくらいの先生だ。
歳はきっと20歳くらいだろう。
少し気合いが入ってる感じがするのは気のせいではないだろう。
少し歩いて行くと、教室に着いた。
その教室に入ると、出席番号順に座ることになった。
憂鬱な気分がさらに憂鬱な気分になってしまった。
なんと、席は中央で、周りに人が多くなってしまった。
早く席を変えてもらうのを期待しよう。
座ってから、先生の説明が終わると、自己紹介をすることになった。
「私は中川明美と言います。教師をするのは今年が初めてだけど、精一杯頑張れるよう頑張りたいと思います。それで、質問したい人はいますか?」
先生がそういうと、何人かの男子と女子がハイテンションで手を挙げて質問した。
今手を挙げた人達は、何歳なのか? とか、恋人はいるのか? という質問だった。
その質問に答えた後はクラスの人達のテンションは少しずつ上がっていった。
俺も面白かったため、しっかりと覚える事が出来た。
先生は恋人はおらず、歳は22歳。
それから好きな食べ物などなど。
先生についての話がおわってからは、次は自分達の自己紹介に入る。
左前の一席から順に行くようだ。
気が弱そうな人もテンションが高い人も着々と自己紹介が進んでいる。
今席を立って自己紹介しているのは俺の2つ前の席の人だ。
もうすぐで俺の番が回ってくる。
ええっーと、まずは、名前を言ってから、入ろうと思う部活、それから一年間の決意か挨拶。
部活はどうしようか? もし一人で黙々と練習をしているやつがいたら空気は悪くなってしまう。
そんな空気を作らないためにも、ここは帰宅部…いや未定にしておこう。
決意または挨拶は、話すのは苦手ですが…いやいや別に苦手なわけじゃない。
ここは、すぐにクラスに馴染めるよう頑張りたいです、と一年間よろしくお願いします、でいいか。
そうこう考えてるうちに自分の番が回って来た。
よし、先生の合図を待ってさっき決めた事を言うだけだ。
緊張する必要はない。
平常心、深呼吸をしよう。
「はい、では後ろの席の人自己紹介してね。」
「はい。」
よし、まずは立った、しかし、周りが少しうるさい。
集中していて聴いていなかったが、前の席の人の自己紹介が良かったようだ。
くそう、今日はどうやら運が悪いようだ。
言っていいのかわからない。
と、思っていたら、うるさくしていた人達の知り合いらしき人が静かにするよう言っている。
すると、クラスの中は静まり返ってしまい、返って緊張してしまった。
まずい、何を言えばいいのか出てこない。
自分の心臓が早く動いているのがわかる。
もしかしたら顔も赤いかもしれない。
早く言わなければ。ええと、そうだ。
まずは名前だ。
「は、長谷川和也です。」
なんてことだ。
噛んでしまった。
しかし、怯んでいる暇はない。
次は、次はええと、部活か。
「部活に入るかは未定です。」
次は、そうさっき決めたことを言うだけ。
焦るな。
さっき考えたことを言えばいいだけだ。
なにも迷う心配はない。
「い、一年間よろしくお願いします。」
ああ、間違えた。
はぁ、とても恥ずかしい。
とても変なやつだと思われてしまったかもしれない。
まだ、心臓が早く脈打っている。
心配だ。
今俺の顔は赤くないだろうか? もし赤いのだとしたら、周りに見られたくない。
はぁ、過去の自分に戻りたい。
だけど、俺の自己紹介は終わった。
これで、あとはクラスメイトの自己紹介を聞くだけだ。
少ししてから聞き慣れた声がした。
その方向を見ると、小学校からの友達がいた。
その人の名前は渡邊拓也。
彼は話しかけられなければあまり人と話さない。
きっと恥ずかしいんだろう、と思っていたが、それは思い違いで、ただ単純に人と話すのがあまり好きではないようだった。
しかし、だからと言って話すのが嫌いなわけでもなさそうだし、正直よくわからない人だ。
ただ、帰り道は同じだし、よく会うため、かなり会話をするようになった。
そんな彼はきっと友達だろう。
正直どこまで行けば友達なのかよくわからないが、数少ない話し相手だ。
そんな拓也は平然とした様子で自己紹介を済ました。
そのあと、提出物を出し終わり、拓也のところへ行った。
「同じ高校だね。 これからもよろしく。」
「ああよろしく。 さあ、さっさと帰ろうぜ。」
俺はそう言われて急いで支度を済ませると拓也のところへ急ぎ足で向かった。
はぁ、昨日に戻りたい。
俺は朝よりも増したその願望を持ち、帰宅した。
ほぼ会話するシーンを書くことができませんでした。2日に一回は更新していきたいです。文字は最低二千文字が目標です。どんなストーリーにするかは、大まかにしか決めてません。ヒロインは多めにいきましょうか?