第1講 前書き・意識改革
目次
前書き
● 現代文を満点ってムズカシイ!
意識改革
● なんで現代文ってムズカシイの?
● テストの100点≠ホントの満点
● 消去法を止めよう
講義内容
前書き
● 現代文を満点ってムズカシイ!
わかります。現代文って評論文と小説文がありますが、片方はまだマシだけど、もう片方はわかんない、って思いますよね。
で、どっちも高得点の人に聞いたって、「評論は論点を追っていって、小説は流れを理解して、あとはフィーリングで。」なんて言われたりして。
フィーリング!?
それで解けないから、聞いてるんですよ! どうやったら解けるんですか、って。
私の"フィーリング"では、これでカンペキなんです!
でも、点数が低いんです。参考書とか読んだり、先生に聞いたり、友達とも答え合わせをして、大丈夫だって思ってたのに得点が伸びないんです。
漢字の書き取りは、出来ているんです!
そういう人にとって、私の解法がピッタリとハマったらいいなと思って書きました。「なろう」の片隅で、ひっそりと存在するこのエッセイで、たった少しでも現代文を解くのが得意になる人が増えれば良いな、って思います。
2018年2月 朝倉 ぷらす
意識改革
● なんで現代文ってムズカシイの?
ズバリ! 現代文で満点が取れないのは「何が正解か、わからない。」からじゃないですか?
そして、正解だと確信を持てないのは「解答を確認する方法がわからない。」からじゃないですか?
他の教科と異なって、国語のテストって自分の解答が正しいか、確認する手段ってほとんど無いですよね?
だから、解答の正しさを"フィーリング"で判断するしかなくて、"思い違い"で失点するんですよね。
し か も!
志望大学のテストの過去問を解いて、解説を読んで、わからないから先生などに聞いたら「ああ、その参考書は解答が甘いことがあって。」だなんて言われたりして。
模範解答を、実際の試験で書けたら満点じゃないの!?
って、思いません?
この段階で「じゃあ、どうしたら良いんだよ!」と思った人は次の第2講に移って、さっそく現代文を攻略していきましょう!
だけど、「もう少し話に付き合ってやるか。」と思った人は、もう少しだけ読んでくださると嬉しいです。あと1,000文字くらいですから。
引き続きお読みくださったみなさま、ありがとうございます。
なんでムズカシイのか、続けますね。
国語のテストは他と異なり、勉強をする"自分"までに関わる人が多すぎるのです。だからヤヤコシイのです。
当たり前の話なのですが、国語の問題だって、他の問題と同じく単一の正解が用意されています。ただ、問題の出題形式が択一式でない限り、勉強する人に解答が届くまでに、
筆者→出題者→解答・解説者…………→修学者
の3人も関わっているんです。これじゃあ現代文の解答方法を知らない修学者が、満点解答を自分で書けるようになるなんて夢のまた夢です。
そして、この構図に致命的な落とし穴があるんです。
● テストの100点≠ホントの満点
致命的な落とし穴。
それは、先ほどチラッと書いた、過去問の解答や解説が適切ではなくとも、試験では100点が取れる可能性があることです。
どういうこと?
って思うじゃないですか。
これは、当たり前の話なのですが、大学では試験の正解を作成しています。それに従って、偏りの無い採点を行い、そして一次的な点数を付けます。
この採点において、平均点があまりに低いような場合、他の教科の配点からかけ離れない程度に傾斜配点のための計算をするのです。
すると、正解からすれば90点でも、試験の結果として100点という現象が起こります。
これが起こるから、なぜ自分がその点数だったのか、ますますわからなくなるのです。
大して出来たつもりじゃ無いのに、なぜかそれほど悪くない、みたいな。
そして、これが慢心や油断となって、修学者の学力向上を阻害しているのです。
さらにもう一つ、修学者の学力向上を阻害している原因があります。
それが、現代文の解説に頻出する、確立された解答方法である、消去法です。
● 消去法を止めよう
消去法とは、択一式の設問において、思考の幅を狭めることで、選択肢に惑わされないようにする手法です。
簡単に言えば、明らかに間違っているものを切っていく手法です。
二択までは絞れたんだけど……。
という言葉をよく聞くアレですね。
確かに、現在最も知られる、現代文の解答を後でも確認できる――数学的に言えば"検算"できる――唯一の方法です。
最も強力で、説得力があり、修学者にとって導入しやすく、そして最も修学者の学力向上を阻害する方法です。
これは、消去法が悪いというよりも、消去法以外の武器を用意していない、教える側の敗北です。
消去法しか頼るものが無いから、「記述では平均点を狙い、選択問題を確実に取っていけ。」などという事態に陥っているのです。この考え方が間違っていることに気付けないのです。
つまり、消去法以外にも解答方法を知っている修学者にとっては、消去法も有効な武器足り得るのですが、それ以外の修学者にとっては毒でしかありません。
なぜか。
なぜなら、消去法で記述問題を解答するのは不可能だからです。
記述問題は、たくさん解いて慣れろ、っておかしな話ですよね。教えることを、放棄してるって思いませんか?
それに、選択問題の2番目くらいに正解を見つけて、5番まで全部読んで、間違ってるものを切ってから次に進むのって、選択問題を間違えられないっていう恐怖があるからですよね。
2番目で正解を見つけたら、そこで解答して次の問題に移って、全部解いたら"検算"しに戻ってきて、「ああ、やっぱりね。」と思えるようになった方が良いと思いませんか?
そして消去法って、決して王道でも正当法でもないって思いませんか? だって、間違っているものを切っていくって、明らかに真正面から設問に答えられていない、テクニカルな方法ですよね?
なので。
まだまだ時間がある方は、一度、消去法を忘れて勉強してみませんか?
→次講「設問と解答を繋げよ」