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スライムさんと幼女メイド  作者: どらぬこ
第一章 悪徳商人編 第一幕 スライムさんと幼女メイド
7/26

第7話 とある冒険者のありふれた午後、なのです。

樹海に入って少しすると、低級魔物ジェネリックのスライムや下位魔獣スレイヴのヴォルフがいました。

もちろん、スライムはスラくんみたいな意思のある個体じゃなく、本能的に動いているだけの魔物です。


村娘さんたちが言っていた通りで、スライムに限らず意志疎通が出来る魔物は珍しいのです。

知能が高い魔物や魔獣というのは、かなりの高位でしか確認されてないのです。


だから内緒なのですが、スラくんはかなり珍しくてすごいスライムさんなのです。


ふふん、なのです。


一緒に街に入るために従魔ファミリアということになってますが、スラくんはリリィの大切なお友達なのです。

最初は色々あったのですが、スラくんと出逢えて、リリィは幸せ者なのです。


話が逸れたのです。

水妖すいようとも言われるスライムは最下級とはいえ歴とした魔物ですが、ヴォルフは狼さんの魔獣です。


魔獣といっても森に生息している普通の狼さんが魔素マナを少し取り込んだだけなので、隷属種スレイヴと呼ばれる低級な魔獣なのです。


魔物と魔獣の違いは簡単に言うと、魔力のみで構成されているか、魔素を取り込んだいきものかの差なのです。

魔獣は魔素を取り込んだ普通の獣なので、毛皮や牙、爪といった素材アイテムが取れるのです。


魔獣が普通の獣さんと違うのは、魔素を取り込んでいるので体中が変異しています。

だから、普通の獣さんより強化された爪や皮になっているので普通の獣さんよりちょっと素材が高価になるのです。


魔物は魔素が容姿を形造っているので、倒すと魔石コアという魔力結晶になって消えるのです。

魔獣のように素材は手に入れられないのですが、その魔石が色々な魔道具のエネルギーとして使われています。


素材も魔石も、どちらも冒険者の大事な収入源おかねになっているのです。


リリィはちゃんとした知識もあるのです。

伊達に中級冒険者スティールではないのですよ?


σ


しばらくそんな雑魚ざこを狩り、倒した魔物は魔石を回収して、魔獣はスラくんに素材を残して吸収してもらいながら進みます。


普通の冒険者さんたちは魔獣を倒したらナイフなんかを使って素材の剥ぎ取りを丁寧にしなければならないのですが、スラくんがいるとその必要がないので楽々なのです。


しかも、スラくんには【収納ストレージ】のスキルがあるから大きな背嚢(バックパック)も要らないので、普通の冒険者さんたちのように荷物持ち(ポーター)さんや荷物車カートもいらないので、頼もしい限りなのです。


ちなみに、スラくんの本体のほとんども【収納】に入っているらしいのです。


便利とか言ってはダメなのですよ?

スラくんは大切なお友達なのです。


『この辺りではないか?』


そんな事を考えていると、肩に乗ったスラくんが森の少し拓けた場所で辺りを見回しながら言いました。


「ん、手分けして依頼の薬草を探してみるのです」


『了解した』


リリィとスラくんは、この辺りでそれぞれに薬草を採取する事にしました。


『リリィ』


近寄って来る雑魚の魔物や魔獣を倒しながら、一刻ほど経った頃でしょうか。

スラくんが警戒したようにリリィに声をかけてきました。


「出たのです?」


『あちらから少々強い気配がするな。多分、依頼書にあった白黒熊モノ・グリズリーの老体種ではないかと思う』


「わかったのです」


薬草の採取を中断して、リリィとスラくんは戦闘体勢に入ります。

程なく、強烈な敵意--殺気を放って通常よりも大きな熊さんが現れました。


白黒熊は名前の通り体の中央から縦に左右が白と黒に色が別れている熊で、普通の熊よりもひとまわり大きな体躯たいくをしているのです。


手足が魔素によって異常に強化されているので、大きな体からは想像も出来ないくらい素早くて、強烈な突進と大木もなぎ倒す前足の攻撃が脅威で、スティール級冒険者でもパーティーでの討伐が推奨されている中位種なのです。


『通常の成体種よりかなり大きいな』


「前に倒したやつより、ちょっと強そうなのです」


『まあ、普通のスティール級冒険者なら警戒するべき個体だな』


「リリィたちなら楽勝なのです」


『うむ。しかし、油断は禁物だぞ』


「はいなのです!」


リリィたちが戦闘体勢を取った瞬間、地を蹴った白黒熊が襲いかかってきました。


スラくんの体色がうっすらと銀色に輝き、鎧のように形態を変化させてリリィの体にまとわりつきます。

防御力に特化したスラくんの〝粘銀鎧メタルアーマー〟モードなのです。


リリィは白黒熊に相対して愛棒モップを構えます。

激突する瞬間、モップのつかを突進してくる白黒熊のひたいに突き入れ、反動を利用して白黒熊の後ろに跳躍ちょうやくします。


ズズゥン


リリィに向けて突進してきた白黒熊は脳に衝撃を受け、そのまま真っ直ぐに進んでからばたりと倒れました。


『ふむ、吾が鎧化メタモルフォーゼする必要はなかったな』


「そんなことはないのです。用心は大事なのです」


リリィは素早く白黒熊に近付き、喉を裂いて止めを差します。

慈悲はかけないのです。


世の中は〝弱肉強食じゃくにくきょうしょく〟なのです。


白黒熊は、上野とかにいる愛らしい動物や某デスゲームのモノ○マとは一切関係ありません。

動物愛護団体の方はスルーして下さい(笑)

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