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スライムさんと幼女メイド  作者: どらぬこ
第一章 悪徳商人編 第二幕 勉強する猫人族と弱々な鬼人族
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第14話 大賢者さま相伝なのです。

「ゴブさんたち!」


「「「「「は、はいゴブ!」」」」」


「故郷の村で、あのオーガさんにいじめられていたのですか?」


「あ、は、はいゴブ」


「虐められて悔しかったのですか?」


「はい、悔しかった、ゴブ・・・」


「あのオーガさんに勝ちたい、ですか?」


「あ、いえ、オレたちじゃあゴブ・・・」


「出来るか出来ないかではないのです! 勝ちたいか勝ちたくないのか、なのです!」


「か、勝ちたい、ですゴブ!」


「うん、勝ちたいゴブ」


「分かったのです。なら、明日から特訓なのです。早朝、街の西門に忘れずに来るのです」


「えっ、ゴブ?」


「はい? ゴブ?」


「スティール級冒険者のリリィが、ゴブさんたちを鍛えてやるのです!」


『り、リリィ?』


ふふ、ふふふっ


はるか西方の魔導王国で大賢者さまが考案した特訓法を、今こそやる時なのです。


そうなのです。

リリィはメイド協会で特別訓練キャンプに参加したのです。

あの地獄の特訓を越えれば、ゴブさんたちだって強くなれるに違いないのです。


あのオーガさんに、強さとは何なのか教えてやるのです。


くふ、ふふふふふっ


σ


翌日の早朝。

樹海門と呼ばれる街の西門にリリィとスラくん、そしてゴブさんたち五人の姿がありました。


「何をやっているのですか!? 遅いのです!」


「「「「「は、はい! ごめんなさいゴブ!」」」」」


「返事はイエス! リリィのことはマム、と呼ぶのです!」


「えっ、イエスって何ゴブ? どおぅぐっ!」


リリィの愛棒モップが青ゴブさんのお腹を強打します。


今日のリリィは厳しい教官さんなのです。

これは愛の鞭(あいじょう)なのです。


「答えはイエスなのです! リリィのことはマムなのです!」


「い、イエス、ま、マム・・・」


ぎんっ!


「「「「イエス、マム!」」」」


睨み付けたリリィに、怯えた四人のゴブさんたちが背筋を張って答えました。


うん、いい感じなのです。


『・・・・・・』


あれっ?

スラくんどうしたのですか?


σ


「このノロマさんたち! とろとろと走っててはいけないのです! まったく、なんて弱々しい姿なんですか!? ゴブさんたちはそれでも誇り高い鬼人族ラルヴァなのですか? 小鬼ゴブリン族の「ゴブ」はゴブーリキのゴブなのですか!? 害虫さんなのですか!?」


あっ、黒い悪魔(ゴブーリキ)のことを思い出しちゃいました。


ぶるっ


これはリリィのために封印するのです。


かちゃ


よし! なのです。


「いいですか! リリィのお楽しみ(しゅみ)はゴブさんたちが苦しむことなのです! その醜いお顔(ブサメン)が歪むのが、いっぱいの喜びなのです! 分かりましたか? 分かったらひいひいと情けない声でうなっていないで、さっさと走るのです!」


「「「「「い、イエス、マム!」」」」」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


どうっ


しばらくして、ふらふらと走っていた小肥りの黄ゴブさんに限界が来たのか倒れてしまいました。


「もう限界なのですか? 根性がないのですね? アイツに虐められて悔しかったのではないのですか? あの時の涙は偽物ですか? 黄ゴブさんはそんなに這いつくばるのがお好きなのですか? それともリリィのお靴でも舐めたがる変態さんなのですか?」


可哀想ですが、〝情けは人の為ならず〟と言うのです。

リリィは非情な鬼教官(ドリル・サージェント)なのです!


「こ、こんな幼女にののしられるとはゴブ・・・ぐぼがぁ!」


幼女じゃないのです!

リリィは立派な〝シュクジョ〟なのです!


「何か言ったのです? 空耳じゃないなら、オシオキしないといけないのですよ?」


「ひぃ、ゴブ! ふぐぅ、あうぅ、ごぶはああぁぁっ!!」


そして、悲壮な表情を見せた黄ゴブさんが残った力を振り絞って立ち上がり、全速力で走り去ったのです。


σ


えっと、続きは・・・、と。

リリィは小姉さまから貰ったマル秘メモを読みます。


あっ、これですね!


「リリィは情けないゴブさんがキライです! リリィの役割はゴブさんたちを虐め倒すことなのです! 悔しいですか? 悔しかったら、さっさと続けるのです!」


「ふがいないゴブさんたちですね? まだオシオキが足りませんか? リリィにもっとしごかれたいだなんて、ゴブさんたちは真性の変態さんなのですか?」


「ゴブさんたちは強くなければいけないのです! あんな見かけ倒しのふにゃ○ん野郎オーガに負けていてはダメなのです! あのちん○す男を蹂躙じゅうりんして、股間こかんを踏みつけてやるのです!」


リリィは小姉さま直伝のあらゆる罵倒ばとうをし尽くします。

元は大賢者さまが使った由緒正しいお言葉らしいのです。


「ま、負けないゴブ」


「ぐずっ、やってやる、ゴブ」


さすがは小姉さまの〝クンカイ〟が記されたメモなのです。

効果はバツグンなのです!


でも、ふにゃ○んやちん○すってなんでしょう?


『・・・・・・』


んっ?

そういえば今日はスラくんが静かなのです?


お腹でも痛いのですか?

何か悪い物でも食べたのですか?


すいません。

厨二強に続いて調子に乗りました。(某猿の如き反省ポーズ)


ゴブーリキ(黒い悪魔)の元ネタ分かる人いるかな。

古いしなぁ。

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