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スライムさんと幼女メイド  作者: どらぬこ
第一章 悪徳商人編 第二幕 勉強する猫人族と弱々な鬼人族
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第10話 悪漢(わるいこ)にはオシオキなのです。

「あ? あぁん? 何だ、このガキ?」


太鼓持ちっぽいのにアニキと呼ばれていた悪漢さんその1が呆けたように言いました。


「ガキではないのです! リリィはリリィなのです! 冒険者ギルドの新星パーティー〝暁の明星(ルシフェル)〟が、お前たち悪い子さんを成敗オシオキしてあげるのです!」


「「「「「冒険者パーティー?」」」」」


悪漢さんたちがきょろきょろと辺りを見回します。


どこを見ているのですか?

パーティーメンバーのスラくんはリリィの肩に乗ってるですよ?


スラくんが見えないのですか?

目が悪いのはちょっと可哀想かわいそうですね。


「おいおい、お嬢ちゃん。冒険者のごっこ遊びなら他でやんな。今、こっちは取り込んでんだ。さぁ、帰った帰った」


むう、信じていないのですね。


ぷんぷん


リリィはちょっとおかんむりなのです!


ビシィ!


と、リリィは愛棒モップを悪漢さんその1に突き付けます。


「とにかく! 悪い子さんにはお仕置きなのです!」


「・・・モップで?」


「そうなのです!」


「くくくくくっ。はぁーっはっは! こりゃあ、腹が痛てぇ! このオレたちを、ガキがひとりで、しかもモップでかい! はぁーっはっはっは!!」


悪漢さんその1が大声で笑いだしました。


むう、失礼なのです。


「アニキぃ、笑っちゃそこのおチビちゃんがかわいそうですぜぇ」


ん?

この腰巾着こしぎんちゃくな悪漢さんその2さんは、もしかして話が分かる人なのですか?


「おい、おチビちゃん、こっち来な。ごっこ遊びならこのお兄ちゃんが付き合ってやるよぉ。まあ、その後はお兄ちゃんの大人の遊びに付き合ってもらうけどなぁ。きひひっ」


ただの変態ロリコンさんですか・・・。


「じゃあ、お兄ちゃん! リリィのごっこ遊びに付き合ってね!」


リリィはにっこりと笑って、元気に言ってあげます。

ごっこ遊びかどうかはすぐに教えてあげるのです。


悪漢さんその2は、にまぁ、と笑いました。


ぞわぁ


その瞬間、悪寒がリリィの背を駆けました。


な、何なんですか!

この何とも言えない気持ち悪さはっ!


す、すぐに滅殺(ころころ)するのです!

な、何か分かりませんが、至急すぐなのです!


σ


ふぅ


どうしてでしょう?

リリィ、一世一代いっせいいちだい危機ピンチだった気がしました。


当然ですが、悪漢さんたちはみなさんその辺に転がってうめいています。

地面に這いつくばって、ぴくぴくしているのです。


悪漢さんその2だけは、念入りにお仕置きしておいたので、びくんびくんと痙攣けいれんしていますが。


殺々(ころころ)しちゃっても良かったのですが、街中なので〝ぐろ〟は〝ジチョウ〟しておきました。


これも偉大な大姉さまの教えなのです。


そういえば、大姉さまと小姉さまは今頃どうしているのでしょうか。

スラくんも紹介しなくてはいけませんし、久しぶりに会いたい気分なのです。


「あ、ありがと、なのニャ?」


リリィが郷愁ホームシックふけっていると、猫人族の娘さんが声を掛けてきました。


なんで疑問系なのです?


「気にしなくていいのです。悪い子にお仕置きするのはリリィの使命なのです」


『うむ。リリィは良い子だからな』


「はい、なのです」


スラくんも良い子なのですよ?


「そ、そうなのかニャ? まあ、助かったのニャ。それにしても一瞬だったのニャ。【棒術】のスキル持ちかニャ?」


「はいなのです。リリィは中級冒険者スティール・クラスなのです」


えっへん!


リリィはお胸を反らせて答えます。


「それ、本当だったのかニャ?」


『うむ、リリィは歴としたスティール級冒険者であるぞ』


「・・・さっきから気になってたニャけど、スライムがしゃべってないかニャ?」


「スラくんはすごいスライムさんなのです!」


えっへん!!


『うむ。水妖族スライムのスラリンと言う。よしなにな』


「ま、マジですかニャ。初めて見たにゃ」


『吾以外にはそう居らぬらしいからな。無理はない』


「り、リリィちゃんのモップ捌き?もすごかったニャけど、これは更に驚きニャ!」


そう言って、猫人族の娘さんはスラくんを興味深そうにしげしげと見ています。


〈リリィ、良いか?〉


と、スラくんが個別念話で話しかけてきました。


〈どうしたのです?〉


〈うむ。その猫娘の半壊した露店にな、ちと気になるものがあってな〉


〈分かったのです〉


「お店は大丈夫なのです? 猫さんはテュルクの商人さんなのです? なら、ちょっと商品を見てみたいのです」


「もちろんニャ! お客さまは賢猫かみさまニャ!」


「ミャアはチャウラっていう、テュルク大帝国から来たしがない行商人あきんどニャ! よろしくニャ!」


因みに、リリィは【無双】のスキル持ちです。

身も蓋もないですね!

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