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スライムさんと幼女メイド  作者: どらぬこ
第一章 悪徳商人編 第一幕 スライムさんと幼女メイド
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第1話 〝センメツ〟してやるのです!

スライム+幼女なメイドの無双をなんか書きたくなりました。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 悪を倒せと心が叫ぶ! ひざまずくのです、盗賊さんたち! 美少女メイド ビューティー・リリィ参上!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・


薄暗い洞窟は静寂に包まれ、いかつい男たちがぽかんとした表情で立ち尽くしています。


ん?

なんか間違えたですか?


「えっと、なんかおかしかったのです?」


〝セイギノミカタ〟の登場シーンは、正々堂々とカッコいいポーズと口上付きで、がマナーだったはずなのです。


『ふむ。われが先日調べた資料では、名乗りとポーズは古式に則った悪を討つ正統派のスタイルのはずだが』


そうなのです。

スラくんが頑張って難しい古文書を調べてくれたのです。

残念なことに、リリィは古代語エンシェントは読めないので任せたのです。


リリィの格好は、落ち着いた黒のワンピースと下ろし立ての純白のエプロンでシックにまとめたエプロンドレスなのです。

お気に入りのブローチスカーフを着けて、エプロンに合わせた純白のヘッドドレスです。


つまり、伝統的なメイドの正装ぶそうなのです。

どこもおかしいはずがありません。


リリィの口上も服装もおかしくないということは、あのおじさんたちがヘンということなのです!

いかつい格好をした悪いおじさんたちは、きっと感性も残念なのですね。


すごく納得です!


あれ?

でも、なんで奥にいる捕まってる村娘さんたちまで目が点になってるですか?


世の中は不思議がいっぱいなのです。


はうっ!


リリィはピンと閃きました。


「まさか、後ろで爆発の効果(ドーン!)がないからなのです?」


『ううむ、そうかも知れんな。やはり伝統の様式美というものは大事なのだろう』


スラくんも納得して頷いてます。


「でも、こんな小さな洞窟では、爆発ドーンは危ないのです・・・」


『うむ。ここは仕方あるまい。現実との妥協も大事だからな』


スラくんも同意してくれました。


「こ、このガキ! どこから入って来やがった!」


はっと、ようやく気を取り直したいかついおじさんその1がリリィに向かって叫びました。

やっと目が点の状態から復活したのですね。


「決まってるのです。もちろん入り口から入ったのです。この洞窟には入り口はひとつしかないのですよ?」


リリィは親切に、いかついおじさんに教えてあげました。


「はぁ? 何言ってんだこのガキ? 入り口には仲間が見張ってるんだぞ? どうやって入って来たってんだ!」


「簡単なのです。邪魔だったから、ちょっとらしめてやったのです」


リリィは手にしたモップの柄の先を、びしぃっとおじさんその1に突き付けます。


ふっ、決まったのです。


「ぶわはははっ! メイドの格好したガキが、泣く子も黙るオレたち盗賊団〝常闇の大鷲(ダークネス・イーグル)〟のメンバーをその貧相なモップ(ガラクタ)で懲らしめたってか? こいつぁ、驚いたぜ! なあ、お前ら!」


「「「「「がはははっ!」」」」」


いかついおじさん--盗賊たちがつばを飛ばしながら、大声で下品に笑いました。


むうっ


モップはメイドの正式な武装(オフィシャル)なのです。

相棒の愛棒モップなのです。


このおじさんたちは大姉さまが言ってた〝センガク〟な人たちなのです。


つまりはおバカさんなのです。

きっとそうです。


「お頭、きっとアイツらサボって居眠りでもしてるんですぜ。ちょっくら行ってかつを入れてきまさぁ」


小柄で身軽そうな盗賊その2がそう言って入り口に向かいます。


「む、ひとりも逃がさないのです! スラくん!」


『うむ、任せろ』


スラくんにお願いすると、ぽよんとリリィの肩から軽快に飛び下りました。

一瞬で入り口まで移動すると、巨大化して蜘蛛くもの巣のように伸びてフタをしました。


うん。

これで誰も逃げられないのです!


「ぶわっ、なんだこりゃ!」


小走りになって入り口に向かっていた盗賊その2が、蜘蛛の巣状に広がったスラくんにぶつかって、反動で地面に転がりました。


「何だ? 蜘蛛の巣!?」


転がったおじさんは目を白黒してます。


「違うのです。リリィの頼れるパートナーのスラくんなのです。すごいスライムさんなのです!」


『うむ。吾は水妖スライム族のスラリンと言う。短い間になろうがよしなにな』


「ああ? こんなでかいスラ・・・す、スライムがしゃべった!?」


起き上がって体勢を整えた盗賊その2が、驚いて思わず後退ります。


そうです!

スラくんはすごいのです!


「けっ、メイドの格好したガキとこ汚ねぇ色したスライムかよ! 世の中ぁ舐めたくそガキには、ちょっくら教育してやらなきゃな。まだケツの青い小娘だが、見てくれは悪くねぇ。ふん縛ってコイツら村娘と一緒に変態ロリコンにでも売り払ってやらぁ!」


盗賊その1が壁に立て掛けていた大斧を手に掴んで構えます。

それを見た他の盗賊たちが一斉にそれぞれの武器を構えましたが、ゆるい雰囲気ふんいきは子どもとスライムとあなどってる感じがするのです。


むむぅ


これは〝シンガイ〟なのですよ。


「リリィはちゃんとしたメイドさんなのです。〝シュクジョ〟だから、ガキでもないのです。スラくんはキレイな紫色のスライムさんです。こ汚なくなんてないのです!」


誇り高きメイドとリリィのパートナーを悪く言うのは許さないのです。


コイツら、〝センメツ〟してやるのです!


スライムの名前をスラリンにしたくなるのは、世代ゆえか・・・

触手は付いてないので、ホイミンではありません。

仲間になる時に「悪いスライムじゃないよ」と言ったかは不明です(笑)


筆者の処女作はこちら。


異世界で厨二病が最強だった件。-厨二系飼育係の成り上がり-

http://ncode.syosetu.com/n6307ea/


主人公が無双--出来ずに従魔(元飼育動物)たちが無双する話です。


・・・そのフラストレーションをこちらで解消する訳ではないですよ?

本当ですよ?(汗)


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