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今までもこれからも…。


車中での俺の告白はなかったことになり、桃香も何事もなかったように俺に接してくれている。俺もうやむやな気持ちを抑え込みいつも通りに振る舞う事にする。向かう先がテーマパークで良かったと思った。待ち受けるアトラクションが気分を変えてくれるだろう。


現地に着くと早速グループに分かれ自由行動になった。


「じゃぁ、集合時間まで各自楽しんでこい。集合時間は21時。いいな。時間厳守で。夕食まで済ませて戻ってくるように。何かあった場合は速やかにバスまで戻る。もしくは携帯に連絡を入れるように。分かったな?では解散!!」


担任の注意事項を聞くのも、もどかしくクラスメイトは解散のかけ声で駆け出して行った。俺達も出遅れることなく移動する。


「やっぱ、絶叫系極めないとね。みんな行ける?」


「うん!!」


俺達6人は意外にも全員が絶叫マシーン愛好家で乗れるだけ乗り尽くそうと話がまとまった。


「あれ乗ろうよ!!」


文香が指差したのは、やたらコンパクトな造りのジェットコースターだ。グルリと半ば無理やりに回転するようにできている。入り口付近の注意書きには身長の満たない幼児と高身長過ぎる大人は乗れないと書いてある。


「望月と伊藤っちは乗れないんじゃない?」


「そうだな。俺は引っかかって無理そうだ。残念だけどみんな楽しんで来いよ。俺はここでお前らの雄志を見守る。」


「いやぁ、大丈夫だ。俺の身長で行けるんだからお前も確実に行ける。」


高身長というカッイイ理由を付けて何とか逃れようとする望月の襟首を引っ張って並ばせる。


「伊藤っち、見逃してくれよ。俺、絶叫系平気だけどこんな無理矢理感満載なの駄目だぁ。」


「ヘタレめ!!男児たるものこんな物で怯むな!見て見ろ倉田を!!ノリノリじゃないか!!」


「僕を引き合いに出さないでよ。女の子だって居るじゃないか。」


「いや、ここは男児を引き合いに出さなければ。身長が高い同志として特別に相席してやる。お前に何かあれば俺も同じ運命だ。望月、安心しろ。ひとりにはしない!!」


「男子っていつまでも子供だよねぇ。」


女子3人が冷めた目でこっちを見ながら笑っている。こうしてはしゃいで盛り上がって居ると、さっきまでの桃香とのやり取りを頭から追い払う事が出来た。とにかく今はこの時間を楽しもう。楽しんで皆の友情を深めていくことが桃香の願いでもあるのだから。俺に今出来るのはこれくらいだ。


「じゃぁ、俺は望月と乗るから。あとの座席は適当に決めてくれ。」


「伊藤っち、いいのかよ。俺ら戻ったときにはきっともう頭がもげてるぜ。明日の朝のニュースはその話題で持ちきりだよ。」


「大丈夫だ。もし頭がもげる恐れがあるならここで止められてるよ。」


さっきから苦笑いで俺達のやり取りを見ている案内スタッフを指さす。


「はい。大丈夫ですよ。乗って下さい。この身長ならギリギリ頭はもげません。」


笑顔で座席に乗せられ、ガシャリと安全バーを下ろされる。ガチャガチャと数回バーのロックを確認されたあと「いってらっしゃ~い。」と送り出された。ゆっくりと上昇していき上がりきった所で急降下。グルリと回転する速度が意外なほど速い。景色があっという間に変わり降り口に着いてしまった。望月は隣で固まっている。


「大丈夫か?」


声を掛けると吹っ切れたように喋り出した。


「伊藤っち、俺達生きてたよ。ってか、すっげー面白かった。」


「良かったな。俺は少し酔った気がするよ。」


「まだまだ乗るからな。伊藤っち、次はどれ乗るよ?」


さっきとは逆に俺が腕を掴まれた。どうやら仕返しのつもりらしい。


「少し休まねぇ?女子も居るんだし。」


女子を引き合いに休憩を提案すると


「いや、私達も今のうちに乗りまくりたい!!」


と返された。意外なことに木村涼子が1番乗り気だ。


「木村さん、絶叫系苦手に見えるけど人は見掛けに寄らねぇな。」


「文系舐めんなよ。」


腕組みをし、斜に構えて言い放つ木村涼子を見てみんなで爆笑した。だいぶ馴染んだものだ。最初の取っ付きにくさは感じられなくなっている。


「もう、木村さんのさん付け止めよう。ウチらもう仲間だし、涼子で良いよね?」


桃香の提案にみんなが賛同する。


「だな。涼子でいいな。」


「うん。」


呼び捨てにされている木村涼子は嬉しそうで、それを見ている桃香はもっと嬉しそうだ。これで良いのかもしれない。俺たちは今までもこれからもいい友達で居ることが1番良い関係なのかもしれない。とりあえず友情は壊れることが無いのだから。











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