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奇談 ー飛び降り自殺ー

作者: type0

私が小学1年の頃の話です。

ある日、家族みんなで外食しました。

外で食べて家へ帰る途中だったのですが、自分でもなんだかよく分からない胸騒ぎが急に起こりました。

一歩一歩、家へ向かえば向かうほど早く帰らなければいけないという気持ちが押し寄せ、時間が経つにつれて不安感を抱きました。

玄関の鍵を持っていませんでしたので、両親や妹と一緒に帰れば玄関が開くのを待たなくて済んだのですが、私は走って一人で帰りました。


当時は大阪のマンションに住んでいましたが、マンションへの帰る道は表から入る道と裏の駐車場から入る道の二通りあり、裏の駐車場から入る道を帰りました。

道は細くマンションの駐車場にもあまり街灯がないため薄暗く、色まではっきり識別はできませんでした。


駐車場に着き、何気なくマンションの上の方を見上げましたがいつも通りの光景でした。

マンションの各階の通路の蛍光灯は省エネのために消されて通路人が立っていても見えません。

駐車場からマンションの入口まではたいした距離ではありませんが、子供の足では少し時間が掛かる距離でした。


私は駐車場の入口でマンションを見上げるのを止め、走ってマンションの真下まで行きました。

真下に着くとまた、マンションを上を見上げました。

すると黒い塊が段々と大きくなり私の目の前を上から下へ通り抜け、パーン!っと音が聞こえました。

それはスイカが高い所から落ちて割れる様な音でした。

音は私の足元でしたのでなんの音か確認するために足元を見てみると、人らしきものが倒れていました。

人らしきものっていうのも、頭がなかったのでその時は人だと分かりませんでした。

大きな音が響いてたので一階に居た管理人さんが最初に駆けつけました。


その時の管理人さんが何を話していたのかは思い出せませんが、きっと見てはいけないとか、早く入りなさいといっていたのかもしれません。

それ程時間が経っていたとも思えませんが、少し放心状態になり、気がつくと後ろに両親がいて家の中へ連れられました。

その晩はベットに入ってもさっきの自殺のことを思い出すとなかなか寝つけませんでした。

もう少し前にいてたら巻き添えで自分も死んでいたというより、飛び降りてきた人の顔が思い浮かび、それが怖かったからです。


翌日、いつも通りに学校へ行くとクラスのみんながマンションでの飛び降り自殺について話していて私にも聞いてきました。

なんで知っているのか聞いてみると、朝刊に載っていたらしいです。

クラスのみんなに飛び降り自殺について聞かれた時にその場に居合わせたことを話しました。

すると一人が私の足元を指差してこういいました。

「なんでお前の靴血塗れなん。」

それまで気がつきもしませんでしたが、自分の履いている靴をみると本当に血塗れでした。

靴裏には肉片らしきものも付着しており、気持ち悪いというよりもう、現実感がありませんでした。

すぐ側で見てたのだから血が付いていても当然ですが、昨日着ていた服にも血が付いてないか気になりました。


学校が終わり、自宅へ帰って母親に昨日着ていた服に血がついていなかったか念のため聞いたら、やっぱり血が付いていて落ちないから捨てたということでした。


多分、両親はいいませんでしたが、頭から足まで全身に血を浴びていたんでしょうね。

上学生の頃はよく虐められてましたが、今回の一件でしばらく気持ち悪がられました。

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