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殺しの天才  作者: 迫田啓伸
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4-16

 俺はでたらめに走った。

 初めての町だ。

 どこに何があるのか見当もつかない。道がわかれていたら左右を見回し、勘で進む道を決めていた。

 この町は坂が少なく、複雑に入り組んだ住宅地ではないため、助かった。

 場所によっては行き止まりばかりで、迷路のような場所もある。歩いているだけで疲れてしまう。

 それに、一軒家の前にホームレスがいてはいけない。

 俺のように、薄汚い見知らぬ男が家の前にいたら誰だっていい思いしないはずだ。そして家の主が警察に連絡し、移動を求めてくる。

 一番良いのは公園だが、それがなかなか見つからなかった。

 風がさらに冷たくなってきた。外灯は点灯し始め、民家からも明るい光が漏れてくる。

 窓から白い湯気がうっすらと立ち昇っていた。

「腹減った」

 何かまともなものを口にした記憶がない。

 ペットボトルの水がなくなってからは、それこそ何も食ってないんじゃないか?

 俺は一度銃口を自分に向けたが、結局撃てなかった。

 その上、空腹を満たしたくなっている。どこからともなく匂いがする。俺の嗅覚が空腹によって過敏になっているらしい。

 どこかに自動販売機はないか。コンビにはなくていい。

 あれだけ大騒ぎになっているのだから、コンビニに行くのは危険だ。

 自販機でも、ワンカップか缶ビールを売っているものがあればいいのだが。清涼飲料水と違い、アルコールで空腹をごまかせる。

 それに、空腹だからアルコールが急激に吸収され、すぐに眠れる。

 二日酔い覚悟で、だけどな。

 俺は酒に弱いのだ。


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