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輪廻は転生しました  作者: 叶あぞ
第二部 千里眼
21/31

21.忍び寄る烏



その日の夜、リルムウッド唯一の酒場で、コブ・サザートンは店で一番高級な葡萄酒をカウンター席で飲んでいた。

いつもコブの護衛をしているワヌードの姿はない。

もしワヌードを連れていたら、彼の威圧感を恐れて誰もコブたちの方には近寄らなかっただろうし、もし近寄る人間がいればそれだけで人目を集めただろう。


コブの隣に派手な格好の女が立っていた。

胸元と足をことさら強調する下品な衣装で、近づくと香水の匂いがつんと鼻をつく。

互いに牽制し合っていた娼婦たちが、先を越されたと一斉にため息をついた。


「珍しい顔ね。……わたしはビールを」

「お前も見ない顔だ」

「ふふ……お互い様ね。わたし、最近この町に来たの」

「それなのにどうして俺が珍しい顔だと?」

「あなたのように上品な貴族様が飲むような酒場じゃないわ」


声を潜めて女が答える。

コブが笑いを漏らした。


「一杯奢ろう」


それから女がビール二杯を飲み終わる間、二人は他愛のない会話で盛り上がった。

やがて女がカウンターを離れ、コブが二人分の金をバーテンに渡すと、女の手を引いて酒場の外に出た。




二人は腕を組みながら夜のリルムウッドを歩き、そのままコブの宿泊するホテルの中へと入る。


コブが鍵を開けて部屋の中に入り、すばやくドアを閉めた。

部屋の中には男が三人待っていた。その中にはハスケルとワヌードの姿もある。もう一人は行商人風の男で、数日前からリルムウッドに姿を見せている。

女はコブから離れて、空いているソファに腰掛けた。蝋燭の炎に煽られて女の影が揺らめく。


「待たせたな。これで全員だ。……紹介しよう、ルーミルだ」

「どうも」


女が気だるそうな、しかし魅惑的な低音の声で答える。ルーミルは足を組んだまま、ハスケルに片手を挙げて挨拶した。ハスケル以外とは顔見知りである。


「ハスケル、カザルスとはもう話したな?」

「ああ」


ハスケルが答えた。カザルスがターバンの下でニヤリと微笑む。


「ルーミル、怪しまれなかったかい?」

「今、新しくこの街に来る人間には衛兵のマークがつくみたいよ。あんまり自由にぶらぶらはできないと思うわ」


ルーミルの言葉にカザルスは肩をすくめた。

コブが頷く。


「そうだ。自由に動けるのは俺たちだけで、お前たちには常に監視の目があると考えてもらっていい。そうだろうハスケル?」

「大将の言うとおりだ。なにせ田舎町だ。よそ者はただでさえ目立つ」

「残念だよ。おちおち美女と酒も飲めやしない」


カザルスの皮肉にワヌード以外の三人が笑った。

ワヌードは部屋の入口で微動だにせず立っている。腰には二本の短剣が下がっていた。

もし王国の憲兵がこの部屋に突入してくるようなことがあれば、ワヌードが部屋の入口で敵を食い止め、その間に他の四人が窓から逃げる手筈になっている。


「さて、では作戦の話をするぞ。ハスケル、警備計画書は手に入れたか?」

「もちろん。予定では、女王はリルムウッドに来て、領主の館に一泊して、翌日に勲章の授与式をやったあと、もう一泊してリルムウッドを発つことになってる」

「警備の状況は?」

「当然だがかなり厳重だ。その日は帝国軍との戦いも一時切り上げて、ほとんど全軍をリルムウッドに引き戻すことになってる」

「警備が手薄な時間を狙って忍び込めない?」


ルーミルの質問にハスケルが首を振った。


「いや、駄目だね。巡回の時間も直前に賽を振って決める徹底ぶりだ。巡回の時間や警備の割り当ては直前にならなければ衛兵たち本人にすら分からない。それに領主の館には非常時のための隠し通路があちこちにあるって話だ。騒ぎを起こせばすぐに逃げられるぜ」

「それに加えて、当日は女王付きの親衛隊も来ると考えられる。少しでも騒ぎが起きれば領主の館に数百人からの兵士が殺到してくるだろう」


コブが補足すると、ルーミルが唇を尖らせて考え込んだ。


「唯一可能性があるとすれば、女王が兵士の前に姿を晒す授与式の最中だろうが、相手だってそんなことは承知しているだろう。……であれば、女王陛下には、鉄壁の領主の館から移っていただかねばなるまい」

「そう簡単にいくかしら?」

「まあ、頭を下げてお願いしても無理だろうな。しかし鉄壁の領主の館も、鉄壁になるのは女王がやってきて警備体制が敷かれてから、だ。今なら付け入る隙はある。カザルス、毒ガスの準備は?」

「できてるよ」


カザルスは陽気に答えると、中座して隣の部屋へ出ていった。

すぐに小さな樽を抱えて戻ってくる。


「これは?」


ハスケルの質問に、カザルスは樽の片方の面を指さしてみせる。

そこには導火線がついていた。


「爆弾か?」

「いや、爆発はしない。その代わり、有毒な煙が出る。…これは貝の殻とダイオム鉱石と、それからニケルタバヤという植物の根を混ぜあわせて乾燥させて砕いたものさ。熱すると黒い煙が出て、吸い込むと喉が焼け爛れて息ができなくなる」

「うん、上出来だ。カザルス、補修依頼書の方はどうだ?」


カザルスは懐から三つ折りにされた書類を取り出した。


「できてるよ。こいつだ」

「ハスケル、それを見てくれ」


コブに言われて、ハスケルはカザルスから書類を受け取る。

内容は、領主の館の壁を補修するように書かれた補修依頼書である。差出人は軍で、宛先はリルムウッドの大工ギルドになっている。司令官マイルズのサインもあった。


ハスケルは書面の隅々にまで目を通して、それが偽の依頼書であるいくつかの証拠を見つけた。

ハスケルが顔を上げるとコブがにやりと笑みを作った。


「パッと見は分からないが、よく調べれば偽物だと分かるように作ってもらった」

「警備が厳重になる前に領主の館にこいつを仕掛けて、毒ガスで女王を殺すのはナシかい?」


カザルスが足で樽の腹を叩いた。

無理だね、とコブは断言する。


「連中、女王が来る前には館の中を徹底的に調べるに決まってる。そうなればこちらの小細工なんかあっという間に見破られるだろう。我々の勝機はあくまでもあの館に女王を宿泊させないことにある。何とかして、女王の宿を領主の館から街のホテルに変更させるんだ。……ハスケル、警備計画を書き換える権限を持っているのは誰だ?」

「総司令のマイルズだ」

「現場の警備の指揮官は?」

「うちの隊長」

「君の勤務態度は?」

「何の話だ?」


コブはハスケルの質問には答えずにルーミルの方に向き直る。


「ルーミル、警備隊長を暗殺できるか?」

「……方法は?」

「それと分かる方法なら何でもいい」

「問題ないわ」


そしてルーミルは妖艶に笑った。


「警備隊長がいつも寄る場所はある?」

「あー、そうだな……確か、仕事が終わったら部下と酒場で飲んでる」


ハスケルがルーミルに答える。

警備隊長に誘われたことは何度かあったが、ハスケルは酒が飲めない体質だった。


「よし。お前たち、作戦は分かってるな? 俺は明日、マイルズと領主の館で会うことになってる。そこにカザルスが来て作戦開始だ」

「大将、ワヌードは何をする?」

「女王の護衛を掃除してもらう」


主人が親指で差しても、ワヌードは視線をついと動かすだけで、ドアのそばから離れようとはしない。


「あいつ一人で大丈夫なのか? 作戦がうまく行けば警備に隙はできるだろうが、護衛の数が減るわけじゃないぜ」

「それは問題ない。ホテルと外部を隔離して、援軍が入れないようにする」

「どうやって?」

「魔導具を使う」


コブが言葉にした途端、一瞬にして一同の中に妙な緊張感が生まれた。


コブはテーブルの下から、古びた布に包まれた何かを取り出した。

布を解くと、その下には木の箱がある。


箱の蓋をスライドさせて、中の物を取り出した。


質素な――という表現は控え目な方で、古臭い、ただのガラクタのような香炉だった。

銅で作られているようだが、表面は錆びており、光沢はない。飾り気がなく、ずいぶんと安っぽい作りをしていた。


「『迷宮香炉』……時の魔女の遺物だ。これを使ったことが知られれば、もう二度と魔導同盟と協力はできないだろう。が、問題ない。……この作戦で、俺たちはこの国を取り戻す」






翌日の午後、コブと司令官のマイルズと、それにリルムウッドの領主との会談が行われた。

会談と言っても、コブは部隊を引き連れて来たわけでも王国政府から正式な任務を受けて来たわけでもなく、会談すべき内容など何もない。ただの儀礼的な集いである。


本当ならばマイルズはコブの会談要求を断ることもできたのだが、仮にも伯爵であるコブの申し出を無闇に断ることもないと判断したのだった。

マイルズは、コブがわざわざ会談の要求をしてくるくらいだから、何か軍事的な申し出、ひょっとすると物資や人員の提供を要求されるのではないかと内心身構えながら領主の館に赴いた。

しかし蓋を開けてみると会談は形式的な話題のみで終わってしまい、マイルズは拍子抜けすると同時にどこか納得のいかないものを感じた。


もちろん、コブの目的はマイルズとの会談そのものではなく、もっと別のところにあったのだ。




会談が終わり、同席した領主と別れてコブとマイルズは領主の館を立ち去ろうとしていた。

玄関を出たところでコブが突然足を止める。マイルズが怪訝な顔でコブの方を向いた。


コブの視線の先には、壁の補修作業をしている大工がいた。

泥の付いた作業服を着た、背の低い男である。手元の板の上で粘土をこねて、木のへらで少し粘土をすくっては壁に塗りつけている。補修が終わった部分の壁だけ他よりも少し色が明るい。


「おい、そこの者」


近づいてコブが呼びかけると、男は作業の手を止めた。しばらく彫像のように静止した後、ゆっくりと振り向いた。


「何をしている?」

「はあ。壁の修理を」

「誰に頼まれた?」

「その、軍の方から。どうもこちらのお館に傷があっちゃまずいという話で」

「許可証を持っているか?」

「はい」

「見せろ」


コブは近寄って、男が取り出した書面をひったくるように受け取った。

書面を広げてしばらく眺める。男の顔と許可証を交互に見た。

いつまで待たせるんだと、マイルズは痺れを切らしてコブに近寄った。


「おい、サザートン伯爵。一体何を――」

「司令官閣下。領主の館の補修工事の命令をしましたか?」

「何の話だ? おれは何も聞いとらんぞ」

「ここに閣下のサインが」

「そんな馬鹿な」


マイルズはコブの持っていた書類をひったくった。


その直後、大工の男が突然コブたちに背を向けて走り出す。

しかし十歩も進まないうちに、コブが足元に飛びついて男を取り押さえた。腕をひね上げて、首元を膝で抑えつける。


「一体どういうことだ! どうしておれのサインが」

「閣下、この男は敵のスパイです。偽の補修依頼書を作り、閣下の筆跡を偽造してこの館に近づいた」

「ううむ、そうか……」

「おそらくこいつの狙いは軍の機密情報でしょう」

「……いや、違うな」

「というと?」

「……これは機密なんだが」


しばらく迷ってから、マイルズは小声でコブに打ち明ける。


「近々、この町に女王陛下がいらっしゃることになっている」

「まさか。それじゃあ、こいつは……」

「すぐにその男を取り調べよう」


マイルズが館の衛兵を連れてきたので、コブは取り押さえた男を引き渡した。


男が厳重に連行されるのを見送って、マイルズは楽観的な口調で付け加えた。


「心配する必要はあるまい。敵の一人を捕まえたんだ。すぐに仲間の居所も吐かせらるだろう」

「果たしてそうだといいのですが」

「何だと?」

「こちらの補修依頼書を見てください。閣下のサインが」

「うむ。これはおれそっくりの筆跡だ」

「まさに私が問題としているのはその点なんです。敵はどうやって閣下の筆跡を手に入れたのか。これはもしや、軍内部に奴らを手引きしている人間がいるのでは?」


コブに指摘されてマイルズは考え込んだ。

普段ならば、自分の部下に裏切り者がいると言われたところでそんな馬鹿なと一笑に付していただろうが、しかし現にここに自分そっくりの文字で書かれた司令官のサインがあるのだ。

もしマイルズの名前で妙な命令書を乱発されればそれだけで軍は混乱におちいるだろう。もちろんそれは一時的な混乱だが、女王閣下を前にして失態をさらせば自分の信用に関わる。


「……閣下」


コブがマイルズの耳元で囁く。


「もしよろしければ、私が内通者を探りましょう」

「君が?」

「はい。私は閣下の軍とは無関係ですし、公正な調査ができます。それに調査の結果は直接閣下のお耳に」


はっきり言って、これはマイルズには魅力的な提案である。

少なくともコブにマイルズの筆跡を盗む機会はなかったし、犯人ではない。


おまけにコブは、今回の件をマイルズのみに報告すると言っている。

部隊の中に敵のスパイが紛れ込んでいることが本国に知られればそれだけで失点だ。

ましてやマイルズは女王陛下の警備を任されているのである。マイルズがその任に値しないと軍務大臣が判断すれば、最悪女王の訪問そのものが危険だとして取りやめになる可能性だってあった。


「……わかった。やってくれたまえ」

「任せてください。それと、あの男の尋問も私にやらせていただきたいのですが」

「取り計らおう」


下手にマイルズの部下が尋問して、裏切り者がいることをべらべらと喋られては不都合だ。

人の口に戸は立てられないのである。秘密を知っている者は少ないほうが好都合である。


「他に必要なことがあれば言ってくれ」

「ご協力に感謝します」

「事は内密に…かつ迅速に行われなければならん。女王陛下がお見えになる前に、この件を片付けるように」


マイルズは、コブの肩を力強く掴んだ。


――実際のところ、カザルスがマイルズの筆跡を真似るための「お手本」はハスケルが盗んだのであり、裏切り者はハスケルであった。

しかしコブが探すと申し出た、その裏切り者と結びついているのもまたコブなのである。

偽の敵を用意し、その敵を倒すと持ちかけることで、対象の信頼を得る。

コブのグループがこれまで作戦で何度も用いてきた詐術のひとつである。






スパイの取り調べは、コブの要望通り彼一人だけで行うことになった。


両足に鉄の鎖を巻かれ、手は後ろ手にロープで縛られた状態で、男は粗末な椅子に座らされていた。

独房には入り口のドアと、高い位置に小さな窓と鉄の格子があるだけだ。

コブの取り調べの様子を、ドアに開けられた小さな窓からマイルズが伺っている。


「答えろ。あの場所で何をやっていた? 目的は何だ?」


男は答えない。

コブは何も言わずに男の腹に鋭い蹴りを入れる。彼は上半身を限界まで折り曲げて咳き込んだ。


「あの許可証はどうやって手に入れた? 仲間の名前を吐け」


荒い呼吸を繰り返すが、男は言葉を漏らさなかった。

コブは男の襟首を掴み、顔を三度叩いた。


「口が聞けないってわけじゃないんだろ? 今のうちに何か言わなきゃ死んで二度と口が利けなくなるぞ!」


コブはそのまま襟を持って、椅子ごと体を地面に叩きつけた。

倒れた男の顔に蹴りを入れようとした寸前、男が初めて声を上げた。


「ま、待った! やめてくれ!」

「…ようやく喋ったか。これでやっと前進だ」


コブは蹴りを寸前で止めて、男の体を起こした。

独房の隅にあったもうひとつの椅子を持ってきて、男の正面に座る。


「それで、お前はあの場所で一体何をしていた?」

「…………」

「答えろ! また痛い目にあいたいか?」

「……爆弾を仕掛けてたんだよ」

「爆弾?」

「ああ……壁に穴を開けて、そこに爆弾を埋めて、また元に戻したんだ。壁の外に出てる導火線に火をつけると、中の火薬が燃焼して屋敷の中に毒が吹き出るようになってる」


コブは椅子から立ち上がり、ドアに近寄って小声でマイルズに話しかけた。


「今すぐ部下を確認にやってください」

「分かった」


小窓の向こうでマイルズが部下を呼んだのが見えた。

コブは尋問に戻る。


「目的は何だ? 誰を狙った?」

「し、知らねえよ。俺は、ただ金で雇われただけだ…」

「誰に雇われた?」

「男だ。名前は知らない。……本当だ! 俺は何も知らない! 仕事を探してたら、知り合いにそいつを紹介されたんだ」

「許可証と爆弾は?」

「その男から受け取った……。昔大工の仕事を手伝ったことがあるから、それで俺が選ばれたんだ」


ドアの外でマイルズが咳払いをしたのが聞こえた。

コブは尋問を中断して独房の外に出た。




「奴は嘘を吐いている。報告では奴がリルムウッドに来たのは先週だが、おれの部下の尾行を撒いて姿をくらましたらしい。ただのチンピラが、プロの尾行をかわせるはずがない」

「やはりそうですか。ところで、どうしてあの男に尾行をつけていたんですか?」

「あの男だけじゃない。ここ最近リルムウッドに来た人間にはみな尾行をつけている。もちろん、君にも」


コブは肩をすくめて苦笑して見せた。

マイルズは不機嫌そうに独房の中の男を見ている。


「それから領主の館を調べていた部下が、壁の中にそういう仕掛けがあったのを見つけた。具体的にどんな爆弾なのかは今調べているところだが。それで、あの男をどうする?」

「仕掛けの一つは吐きましたが、もしかしたら他にも爆弾があるかもしれません」

「よし。吐かせろ」

「それよりも館の住人を避難させてください。奴が素人でないのなら、尋問も一筋縄とはいかないでしょう」

「しかし、あそこは女王陛下がお泊りになられるんだぞ」

「場所を変えてください。あそこは危険です」

「ううむ……」

「そうだ、ホテルならどうです? あそこなら女王陛下がお泊りになるのに十分綺麗だし、部屋を全部貸しきれば安全です」

「しかし…いくら貴族の宿とは言え、女王陛下をあそこにご案内するのは…」

「安全には替えられません。女王陛下がいらっしゃったときの警備は誰が?」

「おれが責任者だ」

「ではすぐに代わりの警備計画を。私はホテルの安全を確認してきましょう」


コブがマイルズの肩を握ると、マイルズは諦めのため息をついて頷いた。

独房にいるカザルスの姿をもう一度確認して、コブは牢屋を出た。





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