よばれたけど、優しい世界なので、スローライフで気ままに暮らします。
「うわぁ!」
ドシンと響く、石造りの建物。
「まさか成功するとは…。本物じゃったか、これ。」
なんだ?なんだ?
スーツが破けてないよなと思うような、尻に痛みが走る。
石畳に妙な線が引かれている。円がいくつもある。
まさか、この齢で、いわゆる異世界召還されたのか、俺!
「まだ使えるが…。目的がないな。」
「俺を呼んで何が目的だ…。目的がない?」
「そうだ。わしは、ただの資料整理を任されたに過ぎない。
使える魔法か調べていただけだが、本当に使えたとは…。」
「俺は元の世界に戻れるのか?デスマーチ中…。」
「わしには分からない。上に言われた通りにしているだけでな。
これは、使えるが、使用厳禁と。」
「魔王もいないのに呼び出されたのか、俺…」
「魔王を倒してもう300年たった平和な世だ。
ほら、いつまでも呆けているな、金だけは出してやるから、
こちらでのんびり暮らせ、お主。
目の下の隈がすごいぞ。
わしの退職金だ。それで当分どうにでもなる。」
「…あんたの今後はどうなる。」
「どうにでもなるさ。少しは魔法が得意だからな。」
にっと笑う老師。
城の外で、お金が入った革袋を持って、日が傾いてきた空を見上げる。
「…悪かったな。巻き込んで。」
老師の最後の言葉と背中は小さかった。
ピロン。
【ゆうしゃ レベル・無限】




