狂人に告ぐ 登場人物一覧
主要登場人物
《対狂人特別捜査部の人物》
桜田汐里 23歳
若き《対狂人捜査員》であり、歴代最年少の《心理官》。
《心理官》としては確かな実力を持って優秀だが、マイペースで変わり者。だが、それ故に人とは違う考え方や空想力で独特な『見解』を示す。洞察力と特殊な直感、聴覚にも優れている。
性格は、基本的には真面目で礼儀正しいが、実際は自由奔放でのんびりとしており、大雑把で細かい事は気にせず、何でも適当にしすぎる一面がある。
《心理官》を目指す目標であり、《自分の師匠》でもあった鷲谷豊を殺した《狂人》…《凶喜》を捕まえる事に自分の全てをかける。
最近辞めて欲しい事は、朝起きたから、碧が半裸で隣で寝てる事。何故か鍵を何度変えても普通に不法侵入してくるので、それは最近諦めてるが、半裸で隣で寝る事だけは、心臓に悪いので本当に辞めて欲しい。
田中碧 23歳
常にひょうひょうとしている、ヘビースモーカー。思考回路もよく回って、口も達者で人をわざと煽ったり、怒らせたりして本音を聞き出す事を得意とする。基本的に慌てる事は無く、冷静に物事を客観的に見る力と人を見抜く観察力にとても優れている。
実は、外部には絶対に漏らしてはならない極秘情報だが、碧は《最強の武力、身体能力、知力を誇る狂人レベルV》の《狂人》でありながら、《対狂人捜査員》として働いてる特殊な存在である。
常に《狂人研究》の為と、一般人や捜査員に危害を加えようとした時に電撃が流れる《首輪型チョーカー》を付け続ける事、捜査員、一般人には絶対に手を出せない事、レベルVでありながらも一般人を殺さず、同じ存在である狂人を殺し続けた事、《汐里への好意から自制心を持ち続けれる事》等の様々な理由から、特別に《対狂人捜査員》として活動する事を許されているが…碧に課せられた捜査員を続けていく為の最大の課題は、『汐里には手を出さない事(一度手を出せば、自制がきかず、理性も無くなり、暴れ出す恐れがある為)』であり、持て余した性欲は他の女で適当に吐き出しながら、日々を過ごす為に女遊びが激しい。
最近のマイブームは、汐里の赤面して驚く顔を見る事。汐里の眠るベッドに、半裸で入り込んだり、わざと着替えをしているシーンに汐里を遭遇させたりと色々している。
杉野晴斗 22歳
期待?の新人《対狂人捜査員》であり、非常に優れた《動体視力》と、その《動体視力》を最大限に活かせる《反射神経》を持ち、《意思》の力だけは誰よりも強い人物。
真面目で堅物すぎる性格をしていて、基本的に怖がりで弱虫、ネガティブでビビり、更に頑固で子供っぽく、すぐ感情的になって暴走する。だが、人の情に脆く、人の気持ちに寄り添える真っ直ぐな優しさと、強く鋭い正義感も持つ。
捜査員になったきっかけは、優秀な《対狂人捜査員》として活躍した叔父の影響で、いつか叔父の様な《対狂人捜査員》になる事が目標。
最近考えてる事は、彼女が欲しいという事で、毎日の様に空想の彼女とデートの妄想をしている。
彼女が欲しいという願望と恋愛経験がない事が前に出すぎて、女性と話す時はものすごくたどたどしくなり、挙動不審になりやすい。
海 一生 44歳
《対狂人捜査員》であり、捜査員をまとめ上げ、指揮する《キャプテン》の立場の人物。
冷静に現場状況や、捜査員の動き、人の嘘を見抜いて対処する力を持ち、頭の回転も早く、機転も利く。
剣道を最も得意とする武力等も兼ね備えた、確かな文武両道の実力と、人の持つ力や未来の状況下を見据える、一生にしかない天才的な《感》も持つ。
性格は、基本的には冷静で大人っぽくて落ち着いており、丁寧で礼儀正しいが…実は元ヤンで時々荒っぽさと口の悪さ、困ったら武力で解決しようとする強引さ等、たまにその時代の頃の自分が出る。そして相当な恋愛下手で、片想いしてる恵美にはいつも間違ったアピールばかりしてしまう。
最近の願いは、恵美にもっと近付き、仲良くなりたい事。
けど、一応部下の母親という事で遠慮してるし、そもそも仲良くなる方法が分からないから、とりあえず恵美の事を知る為にも、守る為にも常に見守ってる。
遠藤浩一 60歳
唯一60代で現役捜査員の、捜査員歴38年の大ベテランな《対狂人捜査員》。
長年、捜査員としてやってきた《知力》、《武力》、《根性》の三つは若い捜査員にも負けず劣らずで、ベテランならでは《捜査員の目》を持つ。
規律やルールに厳しく、捜査員の中では最も常識を持っている人物で、規則を破ったり、常識を守らなかったりする者たちには、とても怒り、少々乱暴な指導や注意を行う。
性格は、誰よりも男らしさと人間らしさを持ち、強く揺るがない正義感に溢れている。常に捜査員達や他人には厳しい対応をするが、実は心根は優しく、捜査員達の事を常に思っている。
最近のお気に入りは、《捜査部》に出勤中に見かける、散歩しているトイプードルとチワワ、コーギー等の犬たち。
鈴木嬉平 40歳
超がつくほどに武闘派な《対狂人捜査員》で、《狂人》と戦う事、逮捕する事の担当的な存在。
いつも明るく、《対狂人特別捜査部》では一生の次にしっかり者だが、常に高らかなで大きな笑い声を響かせる豪快な性格の持ち主。頭の回転や考える力が人よりも早く、たまに話が通じず、自分一人だけ納得して終わる時が多々ある。
最近新たにハマってる事は、ずっとしていた筋トレに『10分間プランク』を新たに組み込み、それを一日5回する事。
一条大我 29歳
父親が警視長であり、実家が相当なお金持ちであるお坊っちゃんな《対狂人捜査員》。
独特な思考能力と観察力を持ち、《狂人》への捜査力は相当高く、実は優秀な捜査員。
性格は基本的に楽観的で、お坊っちゃんらしく、常に自由気まままで自分を中心に世界は回ってると思っている。
自覚は無いが、だいぶ天然で周りを知らず知らずに振り回す。
最近好きになったものは、ハンバーガーやラーメン等のジャンクフードで、1週間に4回は食べている。
千家 虎太郎 29歳
常に冷静沈着で、銃の腕前は捜査員一番だが、人に対しても自分に対してもいつも厳しい《対狂人捜査員》。
事件が起きても落ち着いている様子を見せるが、《狂人》を逮捕するという思いは誰よりも強く、実は《狂人》から人を守るという熱意に溢れた人物。
一条とは、幼馴染の関係。
性格は、口調も冷たく、人には基本的に塩対応だが、実は甘い物が好きで苦い物は苦手、オカルト系が怖いといった子供っぽい一面も。
最近怖がってる事は、一条に聞いた口裂け女の話で、夜にパトロール等で移動する時は、常に背後を気にしてしまうようになった。
志田響弥 26歳
常にニヤリと浮かべた笑みが特徴的な《対狂人捜査員》。
ヘラヘラと掴み所がない人物だが、捜査員としての《感》と人の本性を見抜く力が誰よりも鋭く、思考能力や武力等も確かな実力を持っている。
《神の見解を持つ心理官》と言われた鷲谷豊に、熱狂的な憧れを持っていて、一時期《心理官》を目指していたが叶わず、その為かそんな鷲谷の《弟子》であり、最年少で《心理官》となった汐里が気に入らず、汐里にはいつも突っかかっり、冷たく厳しい態度を取る。
性格は、すぐに人をわざと煽り、人を怒らせてばかりの困った癖の持ち主だが、実は努力家。
最近気に入らない事は、汐里をいじめようとする度に碧が間に入って邪魔してくる事。だから、碧のいない所で汐里にこっそり嫌がらせしようと考え中。
高瀬結 25歳
数少ない女性の《対狂人捜査員》であり、女性ならではの《視点》を持って捜査する。
年齢よりもずっと大人びていて、クールだが真っ直ぐな優しさを持った美人で常に凛とした態度を崩さない…様にしているだけで、実際の性格は実は甘えん坊の寂しがり屋で、泣き虫で弱虫、さらに怖がりで、すぐにパニックになって慌ててしまう事も。
辛い物が大好きで、よく人に押し付けようとする。
実は父親が《狂人》であり、まだ捕まっておらず、父親を捕まえる為に捜査員となってその命をかける事を決めている。
最近泣いた事は、妹の鈴が包丁で指を少し切った時に心配と血が出てる恐怖で泣いた。
齋藤マリエ 25歳
猫が大好きで、身の回りの物は全て猫グッズなだけでなく、自身も常に猫耳パーカー服に身を包み、『〜〜ニャン♪』『にゃはは♪』『にゃ?』『○○だにゃー』といった語尾に『にゃー』を付ける等の猫言葉で話す、超変わり者な《対狂人捜査員》。
基本的には『捜査部』から出る事なく、監視カメラの映像やデータベースの整理、様々なネットや《狂人》のデータベースによる情報集め、事件が起こった時にパソコンによる遠隔捜査、《狂人》に関係するパソコンのハッキングなどのコンピューター担当。その為、同じくコンピューター担当の海斗と行動を共にする事が多い。
性格は、正しく『猫』の様に超自由奔放でわがまま放題。興味のある事があったり、夢中になると、とんでもない集中力を発揮するが、すぐに飽きてしまう。
最近の推し猫は、ハチワレ猫とマンチカンで、暇さえあればずっと画像を集めてる。
桜田海斗 24歳
美桜の実の兄であり、齋藤と同じく《捜査部》からは殆ど出る事は無い、コンピュータ担当の《対狂人捜査員》。
誰に対しても、礼儀正しくて丁寧だが、常に目に光が無く、いつもニコリとしてはいるが、どこか心から笑っておらず、周りの者たちからは密かに恐れられている。
性格は、冷ややかでリアリストな心の持ち主。だが、根は優しい所もあり、親しければ親しい者ほどに塩対応&毒舌になるが、自分が大切に思う人は必死で守ろうとする。
最近やばいなと思ってる事は、海が、自分の母親のストーカーをしてる事。恵美の事をずっと見ながら周りをウロ付き、恵美がいない間に恵美の机に高級な肉や髪飾り、イヤリング等のプレゼントをたまに置いていく姿を何度も目撃。
だいぶ頭がおかしいと思うので、そろそろ脳外科か精神科を紹介しようかと考えている。
《対狂人特別捜査部 関係者》
井口新44歳
海の学生時代からの親友であり、《対狂人特別捜査部》の専属の医者。優秀な医療技術を持ち、大抵の施術は一人でこなせる。
性格は、いつも穏やかな笑みを浮かべ、常に親切丁寧で心優しく、温かな心の持ち主。
だが、優しすぎて、大人にも子供の様に接してしまう事が難点でもある。
最近迷っている事は、海が恵美に対する恋愛相談をしてくる事で、話を聞くかぎりはストーカーになりかけているので、それを言うべきかも迷っている。
桜田恵美 43歳
汐里と海斗の母親であり、井口をサポートする《対狂人特別捜査部》の専属看護師。
誰に対しても真っ直ぐな優しさで接する為、捜査員達全員の母親的な存在で皆から頼られている。
ずっと一般の病院で働いていたが、汐里が捜査員になってすぐの頃に、狂人逮捕の際によって大怪我をし、その事に大きな悲しみとショックを受け、少しでも汐里の傍にいて支えれる《対狂人特別捜査部》の専属看護師になる道を選んだ。
性格は、とにかく真っ直ぐな『猪突猛進』という言葉がピッタリ似合う人物。いつもパワフルで、ポジティブな心の持ち主で、周りの人々を自然と元気にさせる。
最近不思議に思ってる事は、誰かからの視線を感じたり、時々自分の机にプレゼントが置かれている事で、原因を突き止めようと奮闘中。
高瀬鈴 21歳
『対狂人捜査員』である結の妹であり、『対狂人特別捜査部』の来客に対応する受付嬢&捜査員達の頼んだ事や依頼に対応する、《対狂人特別捜査部》の専属コンシェルジュ。
常にメイド服を身にまとい、あざとさ全開のぶりっ子キャラでいるが、素の性格は口がめちゃくちゃに悪く、他人の事を心底どうでもよく思っており、『新人である杉野がどれくらいで死ぬ、または辞めるか』を予想して楽しむ等のゲスで、更に金への執着心も酷い金大好きのクズ。
姉である結にも冷たい態度をするが、実は極度のシスコンで『姉ちゃんと金さえあれは何も要らない』と本気で思う程、結が大好き。『捜査本部』で働くのも、一番は結の傍にいたい為…つまり冷たくするのは愛情の裏返しなのである。
最近泣きそうになった事は、結が《狂人》の逮捕時に腕を大量出血して帰ってきた事。
泣くのは必死で堪えたが、怪我が治るまではずっと傍を離れずにいた。
仲川雄樹 31歳
優秀な記者でもあり、忙しい《対狂人捜査員》達を手伝って《狂人》の事や《狂人》が起こした事件を調べる専門の《情報員》でもある。
常にカメラをぶら下げ、スクープの瞬間を狙う貪欲な記者の一面も持ちながら、殺人事件の被害者や関係者等には真摯に対応する。
性格は、クールでぶっきらぼうであまり人と関わろうとしない所があり、基本的に冷めた考え方の持ち主。だが、根は困っている者を放っておけない優しい一面も。
最近美味しいと思っている食べ物は、相棒の《情報員》である大園が作ったおにぎり。
大園愛華 23歳
雄樹と同じ出版社で働く新人記者であり、雄樹の相棒的存在な《情報員》。
新人の為、まだまだ荒削りな所は多いが、《情報を集める実力》や《情報を見つけ出す感》に優れている。
性格は、常に明るく、素直で純粋無垢な能天気。落ち込んでも、すぐに復活する前向きな心の持ち主でいつも全力で行動する。
《公安警察の人物》
小鳥遊助 62歳
『対狂人特別捜査部』と一番密接な関係であり、『対狂人特別捜査部』を管理する一部として存在する『狂人対策課』に在籍し、公安本部の本部長も務める男。
いつも柔らかな物腰や態度、そして穏やかそうな笑みを浮かべているが、何を考えてるかは誰も分からず、誰にも本心は見えず、また誰の前でも自分の本心は決して出そうともしない。
自分以外の人間は、全員が『コマ』だと思っており、《狂人》に対する探究心は異常な程で、《狂人研究》の対象である碧に執着し、汚い事や人間の道徳に反する事も目的の為ならば簡単にする危険な謎多き人物。
山崎唯斗 26歳
常にヘラヘラと笑みを浮かべ、一人称は『俺っち』と言い、誰に対しても軽くおちゃらけた口調で話す『狂人対策課』に在籍する《公安員》。
チャラついた若き《公安員》でありながら、《知力》と《武力》の二つの実力を兼ね備えた優秀な人物で、小鳥遊の右腕的な存在であり、小鳥遊の命令を淡々と忠実にこなしていく。
《狂人研究》に対して熱狂的であり、小鳥遊と同じく《狂人》の中でも特殊な存在の碧に執着し、碧に興味津々で、暇さえあれば碧の事を研究している。
《その他の人物》
鷲谷豊
汐里に《心理官》としても、《汐里の人生に道を示した》師匠でもあり、《神の見解と分析力を持つ心理官》として様々な《狂人》を捕まえ、《狂人》の逮捕と《狂人研究》に最も貢献した天才だった。
だが……〈凶喜〉の変死体連続殺人事件に《心理官》として捜査に参加し、《凶喜》の正体を追いー…あと一歩の所で《凶喜》に殺されてしまった。
鷲谷ゆり子
鷲谷豊の妻。心優しく、柔らかく温かな心の持ち主で、障害を持った子供達やその両親達に寄り添い、サポートする施設で働く。
鷲谷の紹介から、汐里を知って、汐里の事を実の娘の様に可愛がっており、今でも汐里の良き相談相手として1ヶ月に一度は会っている。
鷲谷を殺された時は、言葉には言い表せない程の悲しみとショックに襲われ、悲しみと憎しみ以外の感情が無くなっていたが、現在は少し穏やかな心を取り戻し、1週間に一度は夫の墓を訪れ、静かに祈りを捧げている。
凶喜〈きょうき〉
推定情報では《狂人レベルV》の《狂人》であり、性別は男性では無いかと言われている。
現在までに《凶喜》によって殺害された人数は、《対狂人特別捜査部》が認識しているかぎりでは68名。
その多くの殺害方法が、生きたまま手足を切断し、手と足の場所をバラバラに黄色の糸でくっ付け、目玉をくり抜いた後、最後に口を横に大きく裂き、笑顔の形になる様に裂いた口をまた黄色の糸で縫う…そして被害者は大量の出血で出血性ショックを起こし、死ぬという。
《狂人》の犯す《殺人》の中でも、最も特殊で恐ろしい殺害をする《凶喜》を、一部の《狂人》達の間では神的な存在として崇められている。
だがしかし、どれだけ調べても追いかけても、《凶喜》の全貌の多くは謎で包まれている。