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『狂人に関する資料』

汐里が杉野に渡した《狂人 専門用語ノート》一部『捜査員達の解説付き』


 

『狂人』

常人とはかけ離れた精神面、怪奇的、狂気的な思考と人や動物等の生命に対しての強い《殺害衝動》を持つ人間であり、身体能力や五感、筋力に知能、人を騙す演技力等が《特殊能力》と呼べる程に《異常》に発達している場合が多い。

狂人と判断された者の対処や生活は『狂人レベル』によって分けられている。


狂人レベルI (専門のカウンセラーや心理士が常に間に入り、『対狂人特別捜査部』の監視下に置いていれば日常生活を送れる)、


狂人レベルII(暴力行為、万引きや盗み等の反社会的な行動が目立つ様になり、猟奇殺人の妄想を常にする様になる。殺人行為を犯す前に『狂人監獄』にての生活を強要される)、


狂人レベルIII(既に猟奇殺人行為を起こしている、またはすぐにでも起こそうとしている。危険度は相当に高く、見境なくターゲット(殺害対象)、自身の邪魔をする人間を殺そうとする。『対狂人特別捜査部』が最も多く対峙、対応する事が多い狂人。『型』によっては知能と筋力も高い場合が多く、ターゲットと対狂人捜査員に対しての殺意の執着は狂人の中では特に高いので、逮捕時に対狂人捜査員、一般人の命の危険が迫った場合のみ、すぐに対象の狂人を殺害する事が認められている)


狂人レベルV(最凶のレベルの狂人。狂人の中でも特に怪奇的な思考に殺意、支配力があり、特に並外れた高い知能、身体能力、筋力、演技力等を持っている場合が多く確認される。未解決猟奇殺人事件は殆どの場合がこのレベルVの仕業と言われている。

現在の『狂人レベル観測機』では観測判定不可能の狂気を持ち合わせながら、常人のフリが上手く、日常生活に最も溶け込める狂人の為に発見、研究、処刑する事が困難を極めている)


『狂人』は大抵3つの『型』に分けられる。


『オーガナイズド型』

この『狂人』は、自らの犯行を精密に計画する非常に知能的なタイプである。

『ターゲット』となる人物の親切心を利用し、同情を誘う手を使ってその人物を犯行に誘い込む、しっかり犯行の証拠隠滅をする、メディア等で報道される自らの犯行について注意深く把握する等、慎重派が多い。

更に『オーガナイズド型』は社会スキルや人間関係を維持する能力も高く、一般に溶け込む力と知能が『狂人』の中では特に優れている。


(汐里)「逮捕後に『親切で頭も良くて頼りにしていた、まさか『狂人』だとは思わなかった』等、一番『まさか』と言われる『狂人』がこのタイプ!なかなか証拠を残していかんから、被害状況や被害者から『狂人像』を推測していかなアカンのよね。ちなみに『狂人レベルV』が10人いれば、8人がこの『オーガナイズド型』って言われとるよ!残りの二人は『混合型』。

なかなかにずる賢くて計算高いから、『狂人捜査員』達はちょっと苦労する『型』かな」



『ディスオーガナイズド型』

通常の人間よりもはるかに衝動的、計画性を持たずに過ごす。暴力的な思考も強く、度々反社会的な行動を繰り返す。無職の人や一匹狼で友人の少なく、人間関係を長く維持出来ない者等、社会スキルが高いとは言えない者が圧倒的に多い。

あまり計画的な犯行はせずに、特に決まった手口はないのが、ある意味で手口。犯行では、度々過剰な暴力や、ときに屍姦〈しかん 死体と性交する、死体に欲情する性的嗜好〉、性暴力を伴う。『オーガナイズド型』より知能は低め。


(海)「『狂人』の中では、知能は低く、『現場証拠』を大量に残していってくれる場合が多い為にまだ捕まえやすいが…この『型』の多くが筋力が異常に発達している事が多く、過剰な暴力を好むサド的な思考がある。その為、『ディスオーガナイズド型』の『現場』では、被害者に与えられた暴力は特に酷く…周りの状況も臓物が飛び散ってたりする事も珍しくない。そして逮捕時に一番暴れる『狂人』だから、逮捕時はいつも怪我の一つや二つを覚悟してるよ」



『混合型』

その名のとおり、『オーガナイズド型』と『ディスオーガナイズド型』の二つのタイプが混ざった、特殊な『型』。『オーガナイズド型』らしい、計算高さにずる賢さ、頭の回転力等の知能的な所もありながら、『ディスオーガナイズド型』らしく、暴力的で衝動的、サド的な思考に支配力の強い一面も持つ。


(志田)「この型は、ほんまややこしねん!『現場証拠』全然無いわ〜って思たら、被害者の状況はぐちゃぐちゃ遺体で最低最悪!『現場証拠』いっぱいあるわ〜思たら、足取りからどうやって被害者を誘い出し、殺人したんか全然分からん!とか…『捜査員』が特に出会いたくない『型』やわ!」

 


『狂人の主な動機』

狂人が犯罪を犯す動機は、主に6つの『カテゴリー』に分けられている。



ビジョナリー(幻想)


ビジョナリーのタイプは、しばしば精神病的な症状を示し、現実から外れており、別の人格を主張したり、別の何か神だったり悪魔だったりの存在に殺人へと動かされた、殺人を許可された、と主張したりする。テレパシーで通信したハーバート・マリンという『狂人』がそのタイプで社会に溶け込めてない人格の持ち主。 溶け込める様、促す社会が成り立ってない場合に現れやすい。


ミッション系(使命感)


ミッションのタイプは、一般的に「望ましくない」と規定される一定のタイプの人々を排除するためといって自己の行為を正当化する。その被害者は、ホームレスや前科者、同性愛者、薬物中毒者、売春婦、または特定の人種または宗教に属する人々などである。このタイプは特に精神病的な気質を示さない。一部のものは自分が社会を変える、社会の病を治すのだと思っている。


快楽主義者


このタイプの『狂人』は、殺人によってスリルや快感を得、人を単なるその手段・対象としか見ない。『狂人』を研究する心理学者は、快楽主義者の中でも動機の理由を"性欲"、"スリル"、"快適な生活のため(営利)"の三つのタイプに分けている。


性欲


このタイプはセックスが主要な動機で、被害者が死んでいようがこだわらない。自らの怪奇的な妄想やファンタジーが重要な役割を果たす。性的な『狂人』は被害者に対する絶対的なコントロール、支配、権力を持つ心理的欲求があり、拷問など痛みを与えつつ死に至らしめる欲求がある。通常、被害者との密の接触を要するナイフや手を使って犯行に及ぶ。犯行が続くにつれて、通常、殺人の間隔が短くなるか、さらなる刺激を必要とするようになる、またはその両方の場合がある。


スリル


このタイプのスリル殺人は、被害者たちに痛みや恐怖を与える事で刺激や興奮を得る。スリル殺人では通常、性的コンタクトは発生せず、被害者はランダムに選ばれる。このタイプの『狂人』は長期間、殺人を控えることも出来る。犯行を重ねるごとに手口が向上し、完全犯罪を目指し自分は捕まらないと考える。ロバート・ハンセンという『狂人』がそのタイプである。ゾディアック事件でも、「殺人はセックスよりもよい。もっともスリルを与えてくれる」と書いた手紙を新聞社に送っている。カール・ユージン・ワッツという『狂人』の被害者から「楽しんで興奮していた」と証言されている。


快適な生活のため(営利)


物質的な営利、または快適な生活を求めるが故の動機。通常、被害者は家族や親しい知り合いである。疑われないように、殺人の間隔をあけて疑いが晴れるのを待つ。しばしば毒殺という方法をとる。女性の『狂人』はしばしばこのタイプである。全員が、とは限らない。


 

『『狂人』の犯罪現場で使われる用語』


《セックス殺人》

主に名の通り、異常な性癖、性欲、性的快楽の目的で犯行を起こしたとされる場合に使われる。例えば被害者を強姦していなくても、殺人の過程や現場、被害者の状況で異常な性癖を感じる場合も《セックス殺人》となる。


《トロフィー》

『狂人』が被害者が身に付けていたモノや、被害者の身体の一部、被害者を殺した《凶器》等を持ち帰り、『記念品、または戦利品』として保管する事。


《狂人分析》

《対狂人捜査員》であり、《心理官》の立場である者が被害者や被害状況、事件現場に凶器等から、どの様な『狂人』であり、どの様な『カテゴリー』に当てはまるのか?等の《狂人像》を推測、考察する事。

《対狂人捜査員》の中でも、『心理官』の立場である者しか『狂人分析』はしてはならない事が決まっている。


『主に狂人の捜査に関わる組織』


『対狂人特別捜査部』

警察組織の一部ではあるが、完全な警察組織ではなく、主に政治家や公安本部等の、まさに『国家』から直々に《狂人》の管理、研究、捜査、逮捕、処刑の任務が任せられている……《狂人》に対しての理解力、知識量があり、《狂人》を見抜き、《狂人》を止める武力のある者達…『対狂人捜査員』達が集う特殊部隊。

トーキョーにある『特別捜査部』は6階建てマンションで、その建物内全てが、《対狂人捜査員》達の為に造られたものである。

1階フロアは客人や上の階級に立つ者から、任務内容や『狂人』についての相談を受ける一般社会との連絡用のスペース。

2階〜4階フロアは日本国民全員、時には世界の指定された危険人物のデータベース、そして日本国内のあらゆる監視カメラが揃い、捜査によって怪我をした捜査員を治療する医務室等がある捜査専用のスペース。

そして残る5〜6階フロアは、捜査員や捜査員関係者達が暮らす部屋があるスペースといった感じとなっている。

狂人の捜査、管理、発見に使用される、主に監視カメラ(スマホのカメラに付ける事も可能)な『狂人レベル観測機』等の最新機器も捜査部に揃う。


だが、性別に年齢、学歴、生活歴、人間力、知能指数は問わずに《狂人》に対して『だけ』のプロが集められている為に、曲者や変わり者、《狂人》では無いが人間的にクズ等の者が多く捜査部に在籍する。

特に序列や堅苦しい上下関係等の決まり事は無いが、常に捜査員をまとめ、捜査部や捜査員にとって大きな決断をしたり、任務遂行に多く関わる『キャプテン』、そして常に『狂人』の心理を調べ、『狂人』が起こした事件か否かを判断し、猟奇殺人事件を起こした『狂人』の人物像を探る簡単なプロファイリング術、様々な心理学、犯罪心理学を持った『心理官』の二つの立場だけは存在する。


『公安』

 公安の中に『狂人対策課』という、『対狂人特別捜査部』の協力関係にある特殊な課が存在する。

 狂人の起こした事件の捜査を『対狂人特別捜査部』と共に調べ、狂人から一般人を遠ざけ、守る。時には、狂人の情報操作や記者達に規制を設ける。



『狂人監獄』

名の通り、《狂人》だけが集められている監獄。主に現役の警察官、狂人捜査員、元狂人捜査員、医者や狂人専門のカウンセラー、料理人数名等の人間が24時間の間、常に監獄に勤務している。

監獄の場所はトーキョー内にある孤島で島一つの全てが《狂人》の為の監獄となっており、島の監獄カメラは10000台を超える。

狂人レベルによって、《狂人》達の生活スペース、生活スタイル、監視体制は大きく変わる。


狂人レベルI〜IIは基本的には社会に生きる人間とほぼ同じ様に行動し、規則正しく朝早くに起き、夜は早くに就寝し、内職や工場勤務、畑仕事等の仕事に勤しみ、一人暮らし用の部屋の広さがある個室で暮らしたりと監獄内であれば多少の自由は認められている。


狂人レベルIII〜Vになると監獄内の最も地下最部の常に厳しい監視下に置かれた、太陽の光も当たらない真っ暗な牢内に投獄される。

処刑されるまで一生を重たい鎖を足首に付け、狂人研究の為の首輪を付け、従順に過ごさねばならない。

 

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