57「二千年前に何が起こったか(2)」(※世界地図(一部追記)アリ)
「最初に言っておくけど、これは僕自身が経験した事じゃない。エルフは長命種ではあるけど、その寿命は五百歳くらい。だからこれは、先人たちから代々言い伝えられて来た事なんだ」
(見た目は少女にしか見えないが)自身は三百歳であるというハルドレが、仲間たちに、祖先に、或いは見た事も無い故郷に想いを馳せているのだろうか、どこか遠くを見詰めるような目で、語り始めた。
※―※―※
二千年前まで、巨大樹の北東には、陸地(大陸)があった。
当時そこには、大森林があり、その中にエルフの集落があった(ドワーフの集落も、大森林内の少し離れた場所にあった)。
豊かな森の恵みを毎日享受しながら、エルフたちは、質素だが、穏やかに、幸せに暮らしていた。
そんなある日。
〝ソレ〟は起こった。
〝ソレ〟は、大きな――とても大きな――
――人智を遥かに超えた――想像を軽く凌駕する程の――
――途方もなく巨大な――光だった。
天から、〝超巨大光線〟が降り注いだのだ。
しかも、四本の〝超巨大光線〟が。
その内の一本によって――
エルフの集落は、大森林ごと消滅した。
そして、この事件によって、大陸の形が大きく変わった。
基本的に集落で生活する者が多いエルフは、その殆どが死亡した。




