表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/63

56「二千年前に何が起こったか(1)」

(エルフ……? 絶滅したはずじゃ……?)


 驚愕に言葉を失っているルドたちには気付かず、ハルドレは言葉を継ぐ。


「あ、あとさ、君たちがここに入ろうとするのを巨大樹が妨害して来たと思うんだけど、ごめんね。侵入しようとする者を勝手に排除しちゃうんだよ。僕の意志じゃないからね?」


 未だ誰も言葉を発しない中――


「悪いと思ったら、飯食わせろまお!」


 ――肩車されていたマオコが、ルドの両肩に立って指を突き付けた。


「そうだね、じゃあ、僕のうちにおいで」

「わーい、まお!」


 そのようにして、一行はハルドレの家へと向かった。


※―※―※


 古いが、手入れが行き届いた木造建築の家に入り、リビングのテーブルに案内された一同。


「ちょっと待っててね」


 そう言ってから、それ程時間も経たない内に、ハルドレは次々と野菜料理を持って来た。


 早速逆手に持ったフォークを野菜炒めに突きたて、食べ始めたマオコは――


「美味いまお! 野菜の癖に美味いまお!」

 

 ――調味料は塩胡椒のみにも拘らず、新鮮な素材の味を最大限に引き立てる、絶妙なバランスでの味付けに舌鼓を打ち、バクバクと食べて行く。


「ラリサの料理の次に美味い」


 マリリナも負けじと、凄まじい勢いで平らげていく。


「本当、とっても美味しいわ!」

「美味なの!」

「確かに、これは美味いな……」


 野菜炒め、野菜の煮物、野菜シチュー、等々、全て野菜しか使っていなかったが、どれも味付けが至高の域に達しており、驚かされた。


「いやぁ、そう言って貰えると嬉しいよ」


 柔らかな笑みを浮かべるハルドレは――


「誰かと一緒の食事なんて、もう何年もしていなかったからね。楽しいものだね」


 ――そう言いながら、自身もスプーンを用いて野菜シチューを口許に運んだ。


※―※―※


 食事が済んだ後、改めて自己紹介をしてから、ルドは、ハルドレに質問した。


「お前が〝最後のエルフ〟だと言ったよな?」

「うん、そうだよ」

()()()()()()()()()()()?」


 その問いに、ハルドレは俯き、目を閉じると、深く――

 ――そう、とても深く息を吐いて――


「聞いてくれるかい? ()()()()()()()を」


 ――顔を上げると、真っ直ぐにルドを見据えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ