四 封鎖
「うそん…」
キョウさんについていくと、そこには…
「壁…だね」
「うん。壁」
壁が出来てる。
真っ黒な壁が。
「これは…こんなのはじめてだ」
「おっきいねぇ…黒くて光ってて」
「キョウちゃん、これいつからできてた?」
「わからないです…」
「壊せるのかなこれ…」
ハルさんやルナさんは黒い壁を調べていて、キョウさんは俺の横でオロオロしている。
そして…
「…ふ…」
ユウさんはすっごい変な笑みを浮かべている。
大体考えていることはわかるが。
「む〜!このこのっ!」
「ちょ!ハルさん!手を怪我しちゃいますよ!」
「…ふぇぇん、痛い〜」
「ほら、いわんこっちゃない」
しかし…これじゃあ帰れないな。
どうするか…。
「わかりました。じゃあ五月さんは私の家で保護いたしま…」
「ユウさん、まてぇぇぇゐ!!」
これは罠だ…っ!
大人の階段を駆け上がってしまうじゃないか!
「いや…そうは言うがな武藤君」
「そだお〜、このまま出られなかったら野宿だよ?」
「む、むぅ…しかしだな、ユウさんの家は…」
「大丈夫!」
俺が振り向いたそこには、ユウさんの…とても綺麗な笑顔があった。
…こんな笑顔をする人が何かをするとは思えない。
そう…思った。
「痛いのは一瞬だし、私だけです」
ピシッ
ガラガラガラ…
イメージが…崩れた…
「ユウちゃん、武藤君はうちで預かるよ。幸い、部屋は沢山あるのでな」
「むむっ!…なるほど、以外にもルナちゃんはドテ君が好きなのか!」
…誰が童貞やねん!
ちっくしょ〜…何が悪い!?
「馬鹿者、強姦にあわないようにするためだ」
「むむむ〜!!」
…安心したような、残念なような…
「武藤君…あ、いや、無理にとは言わん。別にあれだ。日帰りで天国見てくるのもいいかもしれないぞ」
「ユウちゃんってばテクニシャンですからぁ…」
「いやいや、遠慮します」
「ええ〜…なんならがんばっていっぱい仲間呼んで日帰りじゃできない三泊四日くらいでも…」
「遠慮します」
…勘弁してください。
「というわけだ。ユウちゃん、あくまで武藤君は客人であり、外に出る方法が見つかればすぐに元の世界へ戻す。いいな」
「うう〜…わかった」
とりあえず貞操は保障されるようだ。
よかったよかっ…
「誘いまくって我慢できなくさせるまではオケ?」
俺の理性の保障はされないみたいだ。
「そ、それは自己責任で…」
というか…
さっきっから展開してる猥談のせいでキョウさんが顔を真っ赤にさせてるんですが。
ていうか可愛い!
なんというか…抱き締めてやりたい!
…って、俺変態。orz