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二 妖精

妖精さんと出会った。

頭は正常である。


「ほらほら〜」

「お〜…」


ダイナミックダイブヘットアタックを食らわせた知らない人が透き通った羽を生やしてふわふわ浮いている。

ちなみに名前はハルさんというらしい。名字とかは無いらしい。


「妖精は清い心が無いと見られないんだよ〜」

「そうなのか?」

「そだよ〜」


いつも思うのだが清い心というのがわからん。

清い心ってなんだ?


「…一般的にはそう言われてるけどね。それは違うわ」


奥からカルテを持ったルナさんが歩いてきた。

茶色いショートヘアーで眼鏡をかけて白衣を着ている。


「でもさっきまで着てなかったですよね?」

「まぁ、そうね。そっちの世界に合わせてあげたのよ」


…ルナさん。

残念ながら、雰囲気は校医さんです。


「でもまいったな…俺保険証とかお金とか持ってませんし…」「必要ないわ。それで生計たててるわけじゃないもの。妖精には診療所自体いらないから…」


便利だな。


「人間は大変だね〜。人生のためじゃなくてお金のために生活しなきゃいけないし〜」

「う〜ん…お金のために生活しなきゃいけないは言いすぎかもな…」


ふわふわ浮いている…けどハルさん。スカートなんですから自重してください。


「そういえば、さっき『一般的には違う』って言ってましたけど…」

「実は見ることのできる素質があるのよ。今じゃ素質を持った人間が少なくなったけどね…」


カルテに何かを書き込み終えるとその紙をぐしゃぐしゃに…って!


「ちょ!なにしてんすか!」

「まぁ、あくまで形だけだし…」

「は、はぁ」


そこまで雰囲気を作る必要は無いんですけどね。ていうか目の前でぐしゃぐしゃにして捨てられたら雰囲気ぶち壊しですよ。


「ね〜ね〜」

「ん?」

「そういえば男の子だよね〜」

「はい。男ですが」

「そっか〜」


ハルさん。

その笑顔はなにか考えてますね?

ていうかルナさん。気付いてなかったんですか?そして、顔が真っ青ですよ?


「…あなた逃げたほうがいいかもよ。人間の世界が恋しいなら」

「へ?それはどういう…」

「やぁっほー!ルっナちゃーん!」


雰囲気でわかった。

俺は間違いなく遅かった。


なにがって?

わからない。


「や、やぁユウ。今日は何の用?」

「いやはー。実はパトロール中なのだぁ!」


ピンク色の長い髪と青い目。この人はすごい印象に残りそうだ。


「むっ!さっそく見知らぬ人発見!こんにちは!」

「あっ、これはどうも」

「な、なぁユウ?今日のところは…」


そこまで言ったところでルナさんの口はハルさんによって塞がれてしまった。


「聞いてユウちゃん!この人武藤五月っていって、人間なんだよ!しかも男なんだよ!」


それがどうかしたのか?確かに人間で妖精が見えるのは珍しいんだろうけど…

しかし、ルナさんの焦り方は尋常じゃないことはわかる。


「らっしゃあぁぁぁ!!」

「ぬぉっ!何事!?」


そして、ユウさんは俺の手を握ってこう言った。


「救世主になってください!」

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