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須今 安見は常に眠たげ  作者: 風祭 風利
第3章 交際スタート
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告白見守り隊(隊員4人)

今度は坂内君を見るパターンです。

「それで? ちゃんとオーケー貰えたって事でいいんだよね?」

『おう! いやぁ一時はどうなるかと思ったぜ! でも濱井の方から来たときはさすがに焦ったぜ。 俺がここで言わなきゃ濱井に言わされるところだった。』


 その辺りに関してはこっちも冷や汗ものだったよ。 そのまま行っちゃいそうになるんだもん。


『で、明日はあいつのを見守るんだろ?』

「そうだけど・・・なんで君達は見守られてないと告白出来ないなんて発想に至るのかな?」

『さぁなぁ。 俺達だって可笑しいとは思うぜ? でもなんかこう、安心感が生まれるって言うかよぉ。』


 生まれないでよ、そんなもの。 明日は明日でもう一人、坂内君を見守りに行くのだ。 なんでこんなことになったのやら。


『お前1人で見守るのも寂しいだろうから俺達がついていってやるよ。』

「え? いや、別にそこまでしなくても問題ないし。 というか告白した次の日に友人の告白を見るって、いい性格してるね?」

『だろ? 誉め言葉じゃないのは知っているが、性分だからな。』


 さいですか。 そんなことに溜め息をつきつつ、僕らは明日の予定を再度確認して、眠りにつくのだった。



「で、その時間になったのはいいんだけどさぁ。」

「おう、お前が聞きたいことは俺も聞きたいことだ。」


 時刻は9時前、昨日とは違い、僕らは学校に集まっていた。 僕と小舞君はお互いに見合った後に、


「なんで濱井さんまで来てるの?」

「なんで須今が一緒にいるんだ?」


 お互いのペア相手である2人を指差しあった。


「私は昨日の出来事をつい? うっかり? 喋ってくれた小舞君の話を聞いて私も今回の作戦に、参加する事に致しました。」


 微妙に不機嫌気味の濱井さんからそんな言葉が返される。 おそらく昨日の事をなんかしらの方法で聞き出したのだろう。 半分は小舞君のせいだし、自業自得とも言えるか。


「大体自分が告白するのか怖いからって第三者に見て貰いながら告白をするって、どんな羞恥プレイ!? って思いながら聞いてたし! っていうか普通に頼む相手違うし!」


 濱井さんは僕らに対して怒ってはいるものの、半分は照れ隠しなのかも知れないなとつい思ってしまった。


「だから今回は私も見守ることにしたって訳。 と言ったって館と安見の事を見ていた実例があるから、まあお互い様? 同じ穴の狢・・・あれ? こう言う時って何て言うんだっけ?」

「似たような言葉なら「喧嘩両成敗」と言った所でしょう。 どうでしたか? 見守ってた相手から見守られるという思いは?」

「・・・それを知ったらすごく恥ずかしかった・・・」


 あ、情報源は安見さんからなのね。 じゃないと知るに知れないか、そんなこと。


「っとと、来たぜ。 ターゲットがよぉ。」


 ターゲットって・・・最早小舞君のやっていることがスキャンダルを探すパパラッチみたいになってるよ。 かくいう僕も同じことをしているから人のことは言えないか。


 最初に現れたのは江ノ島さん。 寒さ対策はバッチリで、モコモコの耳当てにダウンコートと大人な女性を描いたファッションとなっていた。


「うわぁスッゴい。 智美モデルみたい。」

「今回は気合いいれたんじゃねぇか? 坂内と2人で会うわけだし。」


 確かにその可能性は大いにある。 江ノ島さんももしかしたらもしかするかも。


「すまない。 遅れてしまったかな?」


 そして数分後にやってきた坂内君も、ボトムスなTシャツと大人に演出をした服装になっていた。


「あれ? あの格好どこかで・・・?」

「もしかしてゴールデンウィークの時の格好を意識したのではないですか? ほら、あの時彼をコーディネートしたのは智美さんですし。」


 安見さんに指摘を受けて、再度確認してみると、確かにゴールデンウィークの時の面影がうっすらと出てくる。


「いえ、待ち合わせ時間には少し早いですが。」

「早く行った方が良いかと思ってね。 では行きましょうか。」

「ええ、今日の日を楽しみにしていました。」

「私もですよ。」


 そう言って2人は歩き始める。 それに習って僕らも一緒に身を隠しながら付いていく。


「坂内達はどこにいくんだろ?」

「さぁ? 僕だって行き先までは聞いてないからなぁ。」

「つーか学校より向こうってなんかあったか?」

「そこまでは流石に分かりかねますね。 私もそちら側はあまり立ち入らないので・・・」


 みんながみんな、坂内君達がどこにいくのか分かっていないご様子。 いや、本来ならそれがいいはずなんだよなぁ。 こうして誰かに見守られていること事態おかしいことなんだよなぁ。 こう言ってはなんかもしれないが、感覚の麻痺化が来ているような気がする。 それが普通になってしまうという。


 そんな感じで彼らの後を追いかけていくと、ある1つの建物にたどり着いた。 その場所と言うのが・・・


「劇場?」

「しかも時代劇とかをやる劇場だぜ。」


 ここにきて僕は、なんとなく坂内君らしいなと思ってしまった。 恐らく「演劇部の参考にしたい」とかの理由で連れてきたのだろう。 合理的で不自然さが一切見られない。 坂内君、意外と策士だったのね。


 僕らも見失わないように入場料を払って劇場の中に入っていく。 坂内君達がいたのは最前列から少し後ろの席だったので、僕らはその左右にそれぞれ分かれてその劇場を見ることにした。


「・・・そういえばこう言ったところには初めて来ますね。 映画館には行きましたが。」


 隣の安見さんがそんな感想を言ってくる。 思い返せば確かにデートとしてこういった劇場に足を運んだことはなかったな。 そう考えると僕も少しワクワクしてきた。 あ、ちゃんと坂内君達の動向は視ますよ?

1話でまとまりきれなかったので、次回に続きます。、

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