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見たな?


夜中、丑三つ時に尿意を覚えトイレに行く。


寒さに震えながら暖かいベッドに戻ろうとした時、真夜中の外の様子はどうなっているんだろと興味が湧きカーテンを開いた。


窓の外は当然ながら真っ白。


一昨日の昼頃から間断無く雪か降り続いているから。


何時もの冬なら西の方角にある山脈が雪雲を遮り、山の向こう側が大雪でも此方側は強風に飛ばされてきた雪か舞うくらいなのに、今年は山の向こう側と同じくらいの雪が降っていた。


マンションの中程にある部屋の防音窓のお陰で風が吹きすさぶ音は聞こえ無い、でも間断無く降り続く雪が風に煽られる所為でたまさかに視界が利く事があるから、強風が吹いているのが分かる。


視界が利いたとき街路灯の明かりに照らされ、人気の無い住宅街の道の真ん中で踊っているような動きをしている人が見えた。


最初は粋狂な酔っ払いか近所の若者が降り積もる雪にはしゃいでいるのかと思ったが、直ぐに違うと気づく。


道路脇に設置されている標識、住宅街の家々の2メートル近い高さの塀に隠れないよう3メートル前後の高さのある標識より、背が高い事に気がついたからだ。


その得体の知れないナニカは踊るような動作をしながら段々とマンションがあるこちらの方に近寄って来るように思えたが、後方から走って来たタクシーのライトに照らされる直前に消え失せる。


消え失せたあと暫くの間また現れるかもと思い外を見続けたけど現れなかった。


それが昨晩の事、今夜も現れるかも知れないと思い同じ時間帯にカーテンを開き窓の外に目を向ける。


得体の知れないナニカはいた、それもマンションの直ぐ近くに。


いただけで無く、見下ろした私とその得体の知れないナニカの目があった。


私は気づかれたか? と慌てて目を伏せる。


暫くして恐る恐る目を窓の外に向けると、得体の知れないナニカは直ぐそこベランダにいて私を見つめていた。


部屋の中とベランダは防音窓で隔てられているのにナニカの声が私の耳に届く。


「見たな?」


そう言ってからナニカは私に腕を伸ばす。


腕は窓をすり抜け私の身体を鷲掴みにした。


否、私の身体では無く私の魂を、リビングの床に向けて仰向けに倒れ込んで行く私の身体を見たのが、私が最後に見た物だったから……。






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