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小人
「フー、寒い、寒い」
売店で買ってきた缶ビールとおつまみが入ったビニール袋を掘り炬燵の上に置き、炬燵に足を入れる。
ブチュ!
うん? 炬燵の底で足が何かを踏んだ。
虫でも踏んづけたか?
踏んだ物を確認しようと炬燵布団を捲ったら、捲ったところから10センチにも満たない沢山の小人が悲鳴を上げながら飛び出して来る。
1つ目の者や頭が2つある者など人間に似ているが、何処かしら違う小人が多数。
炬燵から飛び出して来た小人は部屋の四方に散り壁や襖の中に溶け込んで行く。
小人がいなくなってから炬燵の中を覗くと、踏み潰された小人の死体が掘り炬燵の底に溶け込むように消えて行くのが見えた。