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充実した暮らし


「太一を洗い終えたんだったら俺が抱いとくから、こっちに寄越しな」


「お願いします」


静香から太一を受け取り湯船にその身体を沈める。


「太一、気持ち良いか?」


俺に抱かれて風呂に浸かる太一は俺の顔を見上げながら頷く。


その顔は気持ち良さげに輝いていた。


静香が身体と頭を洗い終えたのを見て、太一を静香に渡し俺は風呂桶から出る。


「それじゃ俺はあがるから、2人でゆっくり風呂に浸かりな」


「はい、ありがとうございます」


「太一、またな」


俺は太一に声をかけながら手を小さく振り、狭い風呂場から出る。


事故物件で格安で借りる事が出来たアパートのこの部屋に入居出来たお陰で、天涯孤独な身の上だった俺に家族が出来た。


風呂に浸かっていたとき持病の発作を起こした静香と静香の胸に抱かれていた太一、2人はそのまま風呂桶の中で溺死したらしい。


だから2人に会えるのは風呂に入っている時だけだけどそれでも構わない、今までの孤独な生活を思えば充実した暮らしが出来ていると思うからだ。






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