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除夜の鐘
襤褸アパートの一室にも近くの寺が突く除夜の鐘が聴こえて来ていた。
その部屋に住んでいた老人は鐘の音を聞きながらもう1年経った事を知る。
『あぁ~もう1年経ったのか……』
去年の正月、食っていた餅を喉に詰まらせて孤独死して腐乱死体になった後も見つけて貰えずにいる、身寄りの無い……イヤ、身内の者たち皆に見捨てられて孤独な余生を送っていた老人。
老人の腐乱した遺体は除夜の鐘を聞きながら、今年こそ遺体を見つけて貰える事を願い新年を祝うのだった。
襤褸アパートの一室にも近くの寺が突く除夜の鐘が聴こえて来ていた。
その部屋に住んでいた老人は鐘の音を聞きながらもう1年経った事を知る。
『あぁ~もう1年経ったのか……』
去年の正月、食っていた餅を喉に詰まらせて孤独死して腐乱死体になった後も見つけて貰えずにいる、身寄りの無い……イヤ、身内の者たち皆に見捨てられて孤独な余生を送っていた老人。
老人の腐乱した遺体は除夜の鐘を聞きながら、今年こそ遺体を見つけて貰える事を願い新年を祝うのだった。